表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
42/198

男女共学のバイビー42

自殺願望が擡げないようにインターバルを置いているのよと、加奈は言った。

ヒロが言う。





「客は本音と建て前を使い分けて表面だけ取り繕い、ホストに愛欲塗れの遊戯的擬似恋愛の華やかさだけを求めますよね。そして自分が本音である部分、情けない寂しいだけの男というのを見せると、華やかさとは真逆のそんな裏側事情見たくないから、皆愛想尽かして離れて行ってしまう。そして自分は擬似恋愛の華やかさからも突き放され見放され、益々寂しさは募るだけの悪循環が続くだけなのです。惚れさせて、こちらがピュアな部分で逆に惚れると、客はいつでも逃げて行く。求めれば求める程に逃げて行くのです。そんなやり取りの繰り返しに心は荒み病んでしまい、仕事とは言え、もう自分は心底疲れました」



加奈は同情しない姿勢を堅持して冷淡に言い切る。





「何を言われても私は一切同情しないわよ。君には人を自分の寂しさに巻き込んで、その寂しさを共有させて、死に追い込む権利は絶対に無いのよ。君の寂しさは私の寂しさでは無いのだから、私には関係無いのよ」





ヒロがやり切れないと言った感じで再び泣き笑いの表情を作り尋ねる。





「ならば何故加奈さんは出て行かないで、ここで自分と話しをしているのですか?」





考える間を置き加奈が答える。




「私は出て行くタイミングを見計らっているのよ。君は不条理で不可知なパズル的自殺増殖装置のスイッチをオンしてしまったのよ。それは不条理な時空間歪曲狂気促進装置でもあるから、その装置に殺されないように私はインターバルを置きながら、関連性の無いパズルを組み込んで、自殺願望が擡げるのを未然に防いでいるだけなのよ」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ