精霊力とは
『君が気にすることはないわよ。フィー達とも会話できるんだし、いざとなれば筆談という手もあるんだしね。ただ、たまに寂しくはなるのよね。』
僕でよければ話し相手になりますよ。
『本当に?』
ええ、時間のあるときだけかもですけど。
『嬉しいわ。君にお返し出来る事といえば…。そうね、わたしが生業としている薬師としての技能を教えてあげるわ。』
満面の笑みを浮かべるフォレスティアさん。至近距離で美人の笑顔をみせられると、何気にこちらが気恥ずかしくなってくる。
『おなかいっぱいなのです。』
妙な雰囲気を破ったのは、僕の頭の上にいたフィーだった。おなかいっぱいってベタな寝言か?
『寝言じゃないわよ。今のフィーは、仰向けでおなかをポンポンしているし、どうやら君の精霊力を食べちゃったみたいね。』
ええええ?精霊力って食べられちゃうんです?
『精霊力は精霊にとってご飯みたいなものなの。フィー達は、わたし達から精霊力を吸収して精霊術を行使してくれるのよ。』
へぇ。なんか精霊術とかいうと、精霊と契約して力の使役ができるものかとおもってました。
『契約なんてものはないわよ。わたし達エルフと、精霊達とは家族みたいなものだし。契約で縛られる家族なんておかしいでしょう?』
それもそうですね。つまり、精霊力をお供えして力を借りるというニュアンスなのかな。
『そんな感じでいいとおもうわ。あまり難しく考えなくてもいいのよ。君の精霊力を気に入れば、その精霊は君に力を貸してくれるのだから。』
ってことは、ひょっとして僕は精霊使いになれたりするかも?
『そうね、君ならなれるかもしれないわね。薬師だけじゃなく、精霊使いとしての修行もしてみる?』
ぜひ!ぜひ!お願いします。
『じゃぁ、とりあえず今日は薬師の修行からね。』
はい、師匠。
『師匠じゃなくてフォレスティアと呼んで頂戴。それと、君は言葉を声に出していいわよ。わたしはしゃべれないだけで、聞こえないわけではないんだもの。』
「はい、フォレスティアさん。」
こうして僕に師匠ができたのだった。あきらめてた魔法が使えるかもという希望と共に!
『魔法じゃないの、精霊術なの。間違えたらだめよ。』
さっそく怒られてしまった。
『すぴー、すぴー。もうたべられないのです。むにゃむにゃ。すぴー。』




