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第16.5話 幕間のお話


 - リーファス共和国、某所 -


 蝋燭の明かりがぼやりと照らす薄暗い部屋の中。アンティーク調のテーブルを挟み、二人の男女が向かい合って座っていた。お互いに深くフードを被っており、顔は見えない。


「それで、コイツがそうなのか?」

 

 感情のない乾いた声を響かせた男が、もう一人の女の足元へと視線を落とす。そこには首輪をし、鎖に繋がれた全裸の男が一人床に這いつくばっていた。


「ひぃっ……ど、どうか命だけは……たすけっ ──── がふっ」


 フードを被った女の厚底ブーツが、奴隷のような扱いを受ける全裸の男の頭を踏みつけると、彼は浅い呼吸を残して動かなくなった。


「探すのに苦労したわよ、六煉出力セクスタプルアウトレベルの神律を持っている転移者。何に使うの? 魔術封じの力なんて」


 それを見て、フードの男がわずかに頷く。


「ふむ……。ゴブリンジェネラルの件は、例のユグドラシルが出しゃばったせいで時間稼ぎにもならなかった。アイツらが出てきた以上、リーファスを潰すには例の封印を解くほかない」


「ふぅん。ま、あとは勝手にどうぞ。そういば聞いた? 転移者騒動で各国の統治は大混乱。衣食住が提供できない国は彼らを国外追放してるらしいわ。それに不満を持った……えーっと、なんだっけ……。代表を名乗る転移者のお偉いさんが声を上げて独立国家を作ろうとしてるとかなんとか」


「ほぅ。リーファスにいるとそんな雰囲気は感じなかったが」

「まぁグロリアスもそうね、追放してるのは弱小国家よ」


「ふっ、混沌としてくれほうが我々は大分動きやすくなる。転移者さまさまだな」


 軽い笑い声を上げたフードの男が席を立ち、女から鎖を受け取ると、その先に繋がれた一人の転移者を引き摺りながら部屋の出口へと歩みを進めた。


「もう行くの?」

「あぁ、早いほうがいいだろ。では、世界の均衡が保たれんことを」


「「我ら『アビサルカルト』の命に従い、魔素の還元を遂行す」」

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