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24 魔王とアーサー

昨日も上げましたが、今日も上げます。

「面倒だが牢に繋がるのは嫌だったから仕方なく奴の部下になった。そうしたら人遣いが荒くて死線にばかり送り込まれてな。腹が立って何度もぶっ殺してやろうとしたが向こうは互角に俺と渡り合ってきてなんだかんだでいつの間にやら友になっていた」



喧嘩して友情が芽生えたとかほんとにどこのヤンキー漫画だ。

そしてところどころ危ない発言があるな。

うん、なんて言ったらいいのか…

昔語を聞けば聞くほど理想の勇者像が揺らいでいくし、魔王もかなり、元ヤンというか、やんちゃな気配がする。

けど、魔王の過去を知るいい機会だ。

気になっていたものの、安易に踏み込むのは気分を悪くさせるかと思っていた。けれどアーサーとの昔話をする姿は楽しそうにしている。この様子なら少し聞いても良さそうだ。



「2人が出会ったのは今のエルグラン王国の辺り?」

「いいや、大陸北部の王国だ。今はこの魔王支配地域になり瘴気まみれの人の住めない土地になっている。さっき話した暴君の治める帝国に隣接していて戦の絶えない国だった。侵略戦争を持ち堪えていたのはひとえに騎士団が強かったからだな。実力主義で強い人材は出自に関係なく取り込んでいたのが功を奏したようだ」

「あなたのように?」

「俺が一番の見本だろうな。戦場で功績をたてて一介の冒険者から騎士団の副隊長になった」



戦場というのが胸が痛いけれど、侵略者相手に防衛してる側に道徳心をどうこう言えない。



「第五騎士団隊長だったアーサーに副隊長の俺。正攻法で戦う奴を、俺が脇から手助け、それが上手く回ってどんどんのし上がっていきついには第一騎士団隊長に奴がなり、俺はそのまま副隊長をやっていた。貴族階級や上の世代のオッサンどもを飛び越えての大出世さ。アーサーも貴族の出だったが下級貴族だったからいいところのボンボンにコケにされていた。それが騎士団のトップになった時のそいつらの顔は見ものだった」



階級社会は面倒なのがいるなぁ。

実力で黙らした親友コンビ格好いい。



「すごい出世。ウィルのご先祖様優秀なんだ」

「む、なんだ俺は優秀じゃないのか?」



魔王が面白くなさそうな顔をしている。

なに、そのかわいい反応。



「いやいや、もちろん魔王も優秀だと思ってるよ」

「本当かぁ?」

「本当本当。それにしてもそんなに出世するには苦労が多かったんじゃないの? なにかやりたいことでもあったの?」

「アーサーがな」

「アーサーが?」

「王女を嫁にもらうために功績が必要だったのさ」

「えっ」

「二人は恋仲だった」



初代勇者さんは聖女様と結婚したのでは…



「変わった女だった。自分は前世の記憶があり、異世界からの転生者だと言っていた」



転生者!?

そんなネット小説みたいな人がこの世界にもいたの? 初耳。

タイトルにするならさしずめ「転生王女は騎士団長に愛でられる」といったところ?



「世界は球体だとか、雷は電気だとか、人は飛行機を作れば飛べるだとか、幼い頃から前の世界のだという知識を時々口にして人々に気味悪がられていた。そのなかで唯一好意的に接したのがアーサーだったらしい。それが馴れ初めだとうんざりする程に王女に聞かされた」

「…あなたも王女と親しかったんだね」



胸がチクリと痛んだ。

でもその痛みに気付かないフリをした。

気づいたらなんだかいけない気がした。



「そりゃ一緒に戦ったしな。城ではろくに口をきけない相手だったが旅の間に話すようにはなったさ」

「…一緒に戦った? 王女様が?」

「ああ。王女は時々夢で誰かに話しかけられると言っていた。そしてソイツに創造神ゲオルギウスが危機だと告げられたそうだ。そしてその直ぐ後に、ゲオルギウスが邪神になった」

「え…」



千里眼のような力をもって夢で語りかける?

人の身ではできないだろう。

そんな超越した存在、まさか…



「夢に出てきたソイツは異世界の創造神だった。ソイツが勇者と聖女に力を与えた大元だ。そしてその王女が、のちの聖女だ」

「王女様が聖女? この世界の人が?」



最初の聖女はこの世界の人?

転生者だから地球と無関係ではないけれど…

向こうに縁があったから神様と接点が持てたのだろうか?



「ソイツに接触できれば邪神の封印の件やお前の帰り方がわかりそうだが、初代聖女以来ソイツに接触できていない。困ったものだ」



…確かに地球の神様に直接接触できればなんとかなりそうだけど、わたし神様と接触したことないしね。

…いや、夢に出てきたのはいるけど。



「ねえ、道化師が地球の神様ってことは…?」

「王女は威厳のある声で神々しい光に包まれた存在だと言っていた。あんな胡散臭いのではないだろう。お前だってあれが自分の世界の神であって欲しいか?」

「う、うーん…」



地球の神様だとするにはちょっと、ねぇ…


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