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軍人王女の冒険譚(Devil's Teardrop)  作者: n.t
軍人時代
37/37

南東王国との辺境戦 決着

暗い森のさらなる闇の中で、


「ぬちゃり」


と漆黒に変わった汚泥の中から、骸骨の手が這い出てくる。それも一体や二体ではない、おびただしい数の骸骨兵が沼から湧き出していた。骸骨だけではない、形容しがたい異形な化け物共が次々と現れている。最初は泥の塊に思われたそれは、沼をぬけ、次第に形になり、やがて固い殻と武器を帯びた戦士へとかわり、血走った眼をたぎらせて、丘を登ってゆく。



戦場は完全にカオスな状況におちいっていた、一番内側では帝国防衛隊と南東王国アラブ軍が防衛線をめぐって戦い、その南東王国アラブ軍を包囲するよう攻める帝国軍伏兵の本隊2万、そしてさらにそれを闇から襲う、謎の亡者、骸骨、人の形をしたバケモノ達。


亡者の軍団が強いという訳ではなかったが、何より兵が今まで見たこともないバケモノなのだ、見ただけで心が恐怖に支配され、まともに戦うことができない。戦いつつも、敵兵の体からは得体のしれない液体が漏れ出ている。見るからに気持ちが悪くなる。


陳腐な例えだが、それはゴキブリに運悪く遭遇してしまったことを考えれば理解してもらえるだろうか、冷静になればあんなに小さな生き物なのだ、本気をだせば人の敵ではない、だがあの黒く光る体、複数の足、触覚、その姿で空を飛ばれた時には、逃げ出したくなるだろう。目の前にいるのはそのゴキブリが人の大きさになったものだと想像すれば理解していただけるだろうか、いや本当はもっとおぞましい姿なのだが、それが闇から突然襲ってくれば、いかに屈強な戦士とて、恐怖心にとりつかれてしまうのは仕方のないことだった。

背後をつかれ、闇で全体が見渡せないこともあり、相当数の損害が出ていた。


「あの胸騒ぎは、このことだったのか、これは悪魔か、それとも怨霊か」


そんなものを始めてみるアーネットには、にわかに信じられない光景であったが、アーネットには受け入れられた、大気を感じられるアーネットには人以外の何かがこの世を見ているといううつろげな感覚が以前からあった。だからこの一件も驚きはしたが、受け入れられないモノではなかった。


だが状況は帝国軍の包囲戦から逆に南東王国アラブ軍の包囲戦にかわりつつある、既に帝国軍本隊の中隊軍団が亡者の軍団に壊滅させられたところが出ている。見たこともないバケモノが襲ってくれば戦意よりも恐怖が勝るだろう、逃げ出す兵もいて不思議ではない。罠に嵌めるのはこちら側という油断した気分もマズかっただろう、一転して守勢にたたされた軍の士気は急激に下降していた、ついに一番内側の防衛線にまで亡者の軍団が押し寄せ、それを見た兵士が次々絶叫をあげて、兵士全体が混乱に陥っている。このまま座していれば敗北は明白となる。アーネットは考え、感じようとして、この亡者達は何者なのかと、どうやって南東王国アラブ軍はそれを操っているのかと思い至り、


「ん? 操る。この思いに、以前密偵からしらされた"宗教関係者"が砦に入った情報が思い出された」


「呪詛か?」


アーネットの感覚が研ぎ澄まされる、宗教関係者とは、邪教徒の神官であろう、それが呪詛によって我が軍に亡者を送り込ませたのだ。なかなか敵が攻めてこなかったのはこの神官の到着を待っていたのが理由であり、神官がこの地に来なくては、この亡者の軍も出現しなかった。と想像を巡らせたアーネットは、


「(神官はこの戦場の近くで亡者を操っている)」


と感じた。それは暗闇の中、光の届かぬ森の中で、怪しい気を放っていた。誰にも見えないハズの気がアーネットにはハッキリと感じられた。


「ここを頼む、あの亡者をなんとかする」


と周囲にアーネットは告げると、愛馬に乗って、カオスの戦場を縫うように走り抜け、暗闇の森へと入っていった。


戦闘の混乱から抜け出し、暗闇に包まれる、突然眼前に亡者の群れが襲って来た。それを馬上から剣で薙ぎ払う


「ファンン」


と、アーネットの剣に触れると亡者は一瞬で粉になり、消え去った。


「なんなんだ、このもろい骸骨は」


と不思議な感覚を覚えつつ、どんどんと怪しい気配の元へと切り進んでいく。アーネットの前に、半人半牛の怪物が現れる、お伽話にでてくる"ミノタウロス"だ、人の背の倍近くもある巨体でブンブンと鉄斧を振り回している、


「(あんなのに当たったら一撃で死亡する)」


と思った。迂回しようと馬に手綱を引こうとした時、今度は亡者の弓が傍らをかすめ、一本が馬に命中する、雄たけびを上げて、倒れ込む愛馬にアーネットも地面へと落下する。愛馬を気遣っている暇はなかった、亡者やミノタウロスが剣を振りかぶり襲ってくる。アーネットは素早くそれをさけ、背後から剣を振るうと、


「ファンン」


と、やはりバケモノ達は、一瞬に粉となって霧散した。次々と襲ってくる亡者達を切り付けながら、 アーネットはその亡者達の出所に怪しい光を認めた、それが何かはわからなかったが、アーネットはそれに向かって走る。それは神官達が祈りをささげる祭壇で、中央に置かれた石が発光して得体のしれない気が波のようになって空中へと広がっていた。地面が沼のように黒く、その中から亡者達がわらわらと湧きだしていた。


「これが、あの感覚の正体か!」


アーネットは神官達へ近づこうとする。が透明な固い壁を感じて先へ進めない。その間にも亡者が現れアーネットを襲ってくる。神官の一人がアーネットを認めて、睨みつける


「お前は何者だ、なぜここがわかった? 帝国の人間にここがわかる者がいるとは信じられぬ」


と威圧の中にも驚きが隠せないように呟く。そしてアーネットが軽く剣を振るだけで亡者が消えることにいたっては信じられないといった表情を見せる


「だが、この結界は絶対に破れない、お前達は我らの地を汚し、わが同胞の命を奪ったのだ、お前達の血でその代償は払ってもらう」


と呪いをこめるかのように右手をかざして言うのだった。


「我が軍は南東王国アラブの領地を侵してなどいない、ここは我が帝国の地だ、お前達の命も奪っていない、お前達が先に攻めてきたから自衛をしただけだ」


とアーネットはひるまず反論する


「嘘をつけ、お前達が我が捕虜を張り付け刑にしたことを知っているぞ」


と追及する神官に、アーネットは亡者を切り捨てながら答える


「殺してない、捕虜は誰も死んでいない、張り付けは見せしめで、その者は生きている」


アーネットの発言に、神官の間に動揺が広がる


「うそだ、うそだ、我らはお前達が、死者を冒涜する者と聞いて来たのだ」


と神官達の動揺を鎮めるように強く言う。この男が司祭とでもいう立場なのだろう。


「本当のことだ。だがもうそんなことはどうてもいい、お前達は、帝国を侵略する化け物の軍団だ、そして我々を殺している、こんな奴らに正義を語る資格などない!」


アーネットは、そう決然と言うと、結界に向かって剣をつきつけた。だが


「カーン」


と、甲高い音を立てて剣が見えない壁にはじき返される。


「フフフ、無駄だといっただろう、お前達、邪教徒にこの聖なる結界を破ることはできない。破ることはおろか触れることすらできないのだ」


そう勝ち誇ったようにいう司祭。アーネットは”触れる”という言葉にふと閃き、剣を持ち換えて、素手の右手で見えない壁へ手を伸ばす。


触れられる。冷たく、固い・・・だが、そんなに頑丈なものには感じられない、そう感じたアーネットは心の中で


「(壊れろ!)」


と叫ぶと、結界に亀裂が走った。一条の亀裂が走り、それはあたかもガラスが割れるように、一瞬にしてバラバラに弾け、次の瞬間崩れ落ちた。


神官達は驚愕し、慌てふためいている。


「そ、そんなバカな、結界が邪教徒に・・・触れることすらできないハズなのに」


と驚き、あわあわしている一同に、アーネットはズンズン踏み込み、彼らの中央でまばゆい光を放っている光の玉を、剣を振り上げると、真っ二つに切り捨てた。


「ヒィエー」


という謎の絶叫ともとれる声とともに、石が砕けちり、辺りを照らしていた光が力なく消えていき、覆っていた幕に、わずかに炎の明かりで照らされたシルエットが逃げ出す神官達を映していた。


石の粉砕とともに、亡者達も消え去った、それは悪夢から覚めたように、帝国軍の目の前から消え去った。帝国軍兵士も驚いたが、もっと驚いたのは南東王国アラブ軍兵士の方だ、まさか自分達の呪詛が消えてしまうとは微塵も思っていない兵は「ヒディア様のご加護が・・・」と落胆して膝から崩れおちた。



帝国の兵士は今日の出来事に我が目を疑ったが、実際に切られて死亡したものも多くいる、亡者達は消えてしまったが、幻影などではない、そう思うものの、やはりどうしても実感として信じることはできなかった。だが、真実はうやむやにされた。その一番の理由はアーネットが真実を一切言わなかったからだ。アーネットはすべてを理解したが、帝国人にこのことを話しても信じるものなどいないし、信じてもよいことなどない。無用に南東王国アラブ軍を恐れるだけになる。それよりは個人的に調べることにして、軍には秘密にしておこう。そう思ったので、このオカルト現象は単なる噂話としてだけとしか帝国内に伝わらなかった。


こうして2万の帝国軍と5千の南東王国アラブ軍との戦いは、予想どおり帝国軍の勝利と終わった。帝国軍の史記にはそのように記されたが、この戦での不思議な部分は一切書き記されなかった。兵の証言も採用されなかった。


◇◇◇


翌日、5千人の捕虜は帝国と南東王国アラブとの国境まで連れてこられた。そして穴を掘るよう命令された、自分が立って首まで埋まるくらいの深さの穴だ。それを一日がかりで掘らされる。もうこの時点で多くの者が気づいた。これは自分の墓穴になることを。完成すると一杯の水が支給された、それで喉を潤す捕虜達。


そのあと左から順に、奇数列の者が穴に入り、偶数列の者が穴を埋めた。後はこれの繰り返しで、全員が首まで穴に埋められた。最後に残されたのは兄王子だった、兄王子を横にたたせ、アーネットが捕虜全員に聞こえるよう大きな声で話した。


「帝国と南東王国アラブとはこれまで、何ら領土争いがあったわけではない、両国に恨み合いがあったわけではない、にもかかわらず南東王国アラブ軍がまづ先にこの国境沿いに大群を置いた。我が軍もこの地に兵を置かざるを得なかった。


これが第一の南東王国アラブ軍の不義理だ。そして次に、帝国軍が国境に砦を気づこうとすると、騎馬隊で我が国領地へ侵入し、それを阻止しようとした、ゆえに我が軍は防衛としてこの騎馬隊を捕獲した。


これが第二の不義理だ。そしてさらに、南東軍は捕虜奪還を企て侵入する。口約束ではあったが、相互不可侵の約束をしていたのにだ。故に我が軍は計略をもって南東軍を全員捕虜とした。


これが3番目の不義理だ。帝国は一度として南東国の領地を侵していない、自ら攻撃を仕掛けたこともない、常に南東王国アラブ軍から攻撃を仕掛けられたのだ」


と、とうとうと説明をした。


「これら3つの理由により、帝国は罰を南東王国アラブ軍捕虜達に与える」


アーネットは裁判官のような口調で、淡々としゃべった。


「見せしめのために、諸君はここで全員死刑と処す。国境に横たわる死者の墓は、今後南東王国アラブ軍が国境を侵さぬよう戒めるためのものだ、恨むのなら不義理を働いた祖国を恨むがよい」


と語った。死刑宣告だ。全員が絶望した。


「だが、ここに一人、有能な指揮官殿がおられる」


アーネットは兄王子を見上げた。


「この者をこの場で放免する、この者の働きによっては全員の命が救われるかもしれない」


こういうと全員の目に希望がともった。


「だが、彼が飲んだ水には、毒がはいっていて、解毒薬を使わねば3日以内に死に至る。一刻も早く医師にみてもらわなくてはならない」


アーネットの言葉に、目を見開いて睨む兄王子。


「そう、これは兄王子が自分の生命をとるか、自分の命を懸けて5千の部下の命を救うのか、どちらを優先するかの選択だ。どちらを取るかは王子次第だ」


とアーネットは無表情で言うのだった。


◇◇◇


兄王子は急いで砦まで走った。それこそ心臓が口から飛び出しそうになるほどに走った。砦に残るわずかな兵士に部隊の救出を命じる。だが兵士達は「行きたくない」と答えると、1枚のビラを兄王子にみせるのだった。そのビラには、


「国境の地に、南東王国アラブ軍5千の兵を生き埋めにした。この地は帝国を侵した者への見せしめとして未来永劫続く墓標だ。この地に足を踏み入れた者には必ず死が訪れる、絶対に近づいてはならない」


と警告されていた。これを見せられた兄王子は、乱暴にその紙を奪い取り、くしゃくしゃに丸めて、その場に投げ捨て


「こんなものをいつの間に」と激怒した


「まだ兵は死んでいない、いまなら助かるのだ」と説得を試みるが、


「嫌です、王子の言うことはいつも、間違っていました、王子に従ったものは、騎馬兵で奇襲し捕まり、残りの兵も捕まり処刑されました、もうあなたの命令には従いたくありません」


といって逃げ出してしまった。


街にいってもビラがくばられており、誰も兵を助けにいこうという者はいなかった。しかたなく兄王子は先に、自分の毒を治療してもらおうと軍医に診察してもらうと


「うーん、残念ながらすぐにはわかりませんな、症状がでればわかるかもしれませんが、現状では見当がつきません。もっと設備の整った病院ならわかるかもしれませんが、この砦の設備ではこれ以上の診察はムリです」


と答えるのだった。

自分の命を助けるには、大きな町まで馬を飛ばせば間に合うかもしれない。だが兵は全員死んでしまうだろう。近くの村まで半日、そこで人を集めて戻ってくるまで2日弱、ギリギリ兵達は助けられる。だが自分の命は助からない。究極の選択を迫られた兄王子は、考えた、考えに考えて、答えを出した。



「(兵の命を救おう)」



それは悟りの境地のようなものだった。


「(今回の全ての原因は自分にある。自分の軽率な判断が現状を招いたと素直に認めた。そしてたとえ王都に生きて戻っても自分の責任は免れないだろう。ならば自分の命が果てようとも兵を救おう)」


そう決心したのだった。それから兄王子は、半日かけて、比較的協力が得られそうな村へと向かった、そこで事情を説明し、百名の農民の協力を得て国境で埋められている兵達の元へ戻る、村人は馬などもっていず、徒歩での強行軍となったが、皆協力してくれて、普通なら1日半かかるところを1日弱で走破した。


兄王子は、いままで王族として好き勝手に生きて来た。民に頭を下げることなど考えも及ばなかった。だが今、初めて兵に自分の命令を拒否され、自分の命もつきかけ、兵の命さえ救うのが困難になっている。その状況で、最後にすがった農民が、我がことのように兄王子の状況を憐れみ、自らの足から血をながしながらも強行軍を耐えて自分を助けてくれることのありがたさに感動すら覚えていた。


農民たちは、自分達の疲れもいとわず、それから不眠不休で兵達の掘り起こしをしてくれた。兵達は生き埋めにされ、体温を奪われ、周りからの圧力であきらかに衰弱していた。ギリギリのところで皆助け出されている。まさに生と死の境目だった。

それでも皆なんとか命をつなぎ、3日目の夜には焚火にあたりながら全員の救出に目を潤めて喜びあった。


そんな喜びのなか、恐る恐る兵が、兄王子に、


「ルグムート王子、王子の毒は薬でなおったのですか?」


と聞く。それを聞いた兄王子は、無言で頭を振った。その答えにみな押し黙った。


「私の毒は何が原因なのかわからなかった。それを探していると3日かかる遠くの街まで行かねばならず、皆を助けることができないと思った」


と、まわりの重い空気を振り払うように、努めて明るく答えた。

それを聞いた兵達は兄王子の選択を聞いて、涙ながらに


「すいません、すいません」


と謝るのだった。そんな兵達に兄王子は、このまま私が死んだら、兵達は一生自分への後悔にさいなまれると案じ、言葉をつないだ


「今回のことは、今まで私がしてきたことの罰だとおもっている。私はいままで、兵や民のことも考えずに、好き勝手に自分のことしか考えずにやって来た。それに犠牲となったもの、不満を持っている者も大勢いるだろう。そのもの達の怨念が今回このような形で私に降りかかったのだ。だが私は、今回のことで、兵の大切さも、民の優しさにも気づかされた。今更だが、私はそのことに気付けてよかったと思っている。そしてそれを気づかしてくれたこの罰を潔く受け入れようと思っている」


と語った。その場にいる一同が涙をながした。




だが、兄王子の毒はいつまでたっても症状がでなかった。5日たっても、7日たっても症状が現れないことで、ようやく兄王子もことの真相を理解した。アーネットは嘘をついていたのだろうということに思い至った。


彼女は最初から兵を殺すつもりはなかったのだ。殺すとしたら、それは彼女ではなく、兄王子が我が身可愛さに部下の命を見殺しにした時だけだったのだ。そう思うと、もしあの時、名医を探して街まで馬を飛ばしていたら、そしてその後に毒が嘘だとわかったなら、兄王子は良心の呵責で自殺していただろう。なんとも恐ろしいことだ。自分の手は汚さずに、兵も将の命も落とさせるとは背筋がぞっとするが、それは兄王子が誤った判断をした場合であり、上官なら兵の心配をするのが当然と考えるなら、彼女は最初から罰を与える気もなかったということになる。


「(彼女は神か悪魔か? 俺は彼女に試されたのか?)」


兄王子はそう思った、だが、その後も兵は兄王子のことを深く尊敬し、兄王子も兵のことを自分の家族のように信頼した。このことだけでも骨身にしみる出来事で、王都に戻った兄王子は王と行政官に帝国と敵対することの無意味さを説いて、帝都国境からの軍を引き上げを提案した。そしてそれはすんなりと受け入れられた。


というのは表向きで、実は王には神官から、帝国には結界を破る力をもつ者がいるとの報告が上がっており、それが帝国の軍事技術だとすると敵対することの重大性を認識させ、王子の進言もあり、それをカモフラージュにして撤退になったという裏事情があった。



こうして南東軍の憂慮がなくなった帝国南東方面軍は帝都に呼び戻される。

アーネットはいよいよ帝国の主戦場、北東諸国との激戦地へ送りこまれるのだが。


それは、また別の話にしよう。


言い忘れたが、彼女の功績が中将より認められ、階級が中尉に昇格された。

南東王国アラブ篇をもって、一旦この小説を終了することにしました。

今後のスケジュールについては活動報告の方に書かせていただきました。

いままで読んでいただいた片、最後まで読んでいただいた方に、お礼をもうしあげます。

ありがとうございました。

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