116.ダンジョンバトル開始前
予定通りダンジョンバトルとなりました。
ニゴ帝国への方針を決めた後、ゴバ君とクナにその旨を伝えたところ、ゴバ君は「大人しく見ています」とのことで不参加だったが、クナは「直接見に行くから、待ってて」ということだった。見るだけで参加はしないんだね。
「お待たせ。じゃあ始めてよ」
「了解。といってもゆっくり領域を広げていくだけなんだけどね。というか見るだけなら家に帰って見れば良かったのに」
「それだと現場の臨場感が味わえないじゃない。いいから気にしない気にしない」
などと、よくわからない理屈をつけていた。こちらとしてはどちらでもよいので、了承したのだが。
少しずつ領域を広げていく。かつてはニゴ帝国と都市連合を区切る境目であったオリベイル湖、その周辺は今はニゴ帝国の領土となっている。そのオリベイル湖周辺をすべて自分の領域へと変えたが、反応はない。
オリベイル湖の北から海へと流れる大河、ソーン川。北と言っても真北ではなく、都市連合に刺さるかのように斜めに走っている。そのソーン川は今もなおニゴ帝国と都市連合を分かつ境目である
ソーン川に沿うように領域を伸ばしていくと領域の北西部分に反応が出た。この方角はニゴ帝国首都からの領域と思われる。これに接触すればバトル開始となる。他に反応はない。北と南も問題はない。こちらの準備は万端。早速始めよう。相手はどのようなマスターなのか?
いつものダンジョンバトル開始前に集う、真っ白な空間に来た。相手は‥樹?魔樹?……いや、おそらくは動ける大樹、トレントだ。トレント型のダンジョンマスターか。植物系だな。緑の葉をつけた広葉樹、その幹に人の顔がある。まあ、顔があるからと言って話ができるとは限らないのだが、ダンジョンマスターであれば大丈夫だろうと思い、話しかけることにした。
「初めまして。僕はイオというダンジョンマスターだ。君がニゴ帝国にいるダンジョンマスターかい?」
「いかにも、私はトトーク。ニゴ帝国に住むダンジョンマスターだ」
「単刀直入に言うよ。ニゴ帝国への協力はやめてこちらに来ないか?」
「私に君の部下になれと?」
「まあ、そうなるね。けど今の段階で来るなら悪いようにはしないよ」
「それは興味深い話ではあるが、できないな。私はすでに奴隷だから主の命に背くことはできない」
奴隷か。ダンジョンマスターの性質上奴隷化する魔法は効きにくい。しかも相手は植物系。通常よりもさらに聞きにくい傾向にある。ダンジョンマスターに隷属魔法をかけるにはこの世界に来たばかりのマスターか自ら望むかのどちらかだ。おそらくは前者。そのころにかけられてそのままということだろう。
奴隷魔法は解除できるし、僕の『ダンジョンマスター支配』スキルの方が強力である。しかし、効きにくいはずの隷属魔法が効いているマスターが多いなぁと思うが気のせいだろうか?
「一応聞いておくけど、トトークの主は人間だよね?」
「いかにも」
「ニゴ帝国の上層部?」
「それは答えることができない」
「答えることができない」と言っている時点で確定だけどね。詳しい情報は配下にしたあとで聞けばよいとして、これはバトルだね。そして勝たないと先には進みそうもないし。
「では、僕はトトークにダンジョンバトルを申し込む」
「受けよう。だが私に代理となる者はいないので直接のバトルのみとなる」
その後、話し合いでルールはマスター込みのダンジョン攻略戦に決まる。お互い、どちらが早く相手のダンジョンを攻略するか?の勝負だ。ダンジョンマスターの戦闘不能もしくは死亡、またはコアの破壊で勝負がつく。コアは1つで制限時間は10日とした。10日後攻略したフロアが多い方の勝ち。準備期間は1日。明日の今の時間からバトル開始だ。
本年の更新はこれで最後になります。次回は1月4日を予定しております。その間に色々と準備を進めていくつもりです。
では皆さまありがとうございます。来年もよろしくお願いいたします。




