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第62話 新たな世界

神界と魔界の交友が始まってから数日、両界では種族の壁がなくなりそれぞれが相手を思いやり暮らしていた。

創造神の創った門は今日も稼働している。

「この門のおかげで簡単に移動できるようになったね」

「創ってよかったよ〜♪」

「私たちは門がなくても行けるにゃ」

「そういうことは言わないの」

今日も怪猫神は俺の頭の上で毒を吐いている。

「そろそろ行かなくていいの?」

「そうだね!行こうか!」

今日は俺の上位神昇格式典。

俺は望んでいなかったが、神魔会議で満場一致だったらしい。

「なんで俺が上位神なの?」

俺は理由を知らされていなかった。

「好奇神だからじゃない?♪」

「答えになってないよ」

「当然の結果だ」

案内神が呟きながら横についた。

「案内神!管理神も一緒だったんだ!」

「おめでとう」

「ありがとう!でも当然の結果ってなに?」

「お前は数千年続いた神界と魔界のヒビを修復した。上位神になるには十分な理由だ」

「それは成り行きなんだけどなぁ」

「早く行くにゃ」

俺たちは会場へ走り出した。

会場へ行くと、神界の広場には神族と魔族が入り混じり、楽しそうに談笑していた。以前では考えられなかった光景が、今では当たり前になっている。

「やぁ!来たね!」

声をかけてきたのは太陽神だった。

「太陽神も来てたんだ」

「そりゃあ来るよ!式典という祭りだからね!」

「祭りだから楽しいよね♪」

「式典は祭りじゃないわよ」

月神が目の前に現れた。

太陽神と月神。対となる神だが、制約で二人一緒にいられる時間は限られている。

だが、好奇神がいれば制約が無効化されるのだ。

「久しぶりだね〜、月神も来てたんだ」

「あなたは私の恩人・・・来ない理由が無いわ」

「俺何かした?」

「そういうところ!」

四人の声が重なった。

「主役がこんなところにいていいのですか?」

振り返ると影宰、校長先生、店主さんが立っていた。

「みんなも来たんだね〜」

「お祝いですからね。子供たちも後で来ますよ」

「これ祝いだ!持っていけ!」

店主から料理を手渡された。

「ありがと〜、後でみんなで食べよう!」

「そろそろ時間にゃ」

怪猫神の言葉でみんなと別れ、いよいよ式典が始まる。

「お集まりの皆さん!これより"好奇神昇格式典"を開催いたします!」

司会の進行で式典が始まる。参加している神族と魔族は椅子に座り、壇上に向かっている。

「式典の進行は私、神魔新聞社編集長の臭撃神が執り行います!」

臭撃神と聞いた瞬間、会場の神族全員が『あ、この式典終わった』と思っていた。しかし、今日は大事な式典。逃げるわけにも行かず、ただただ無事に終わるよう祈るだけだった。

「それでは、好奇神様のご登場です!」

俺は名前を呼ばれ、会場中の拍手の中壇上へ向かう。

「好奇神様、一言お願いします」

「え〜、いいよ俺は〜」

「なんか一言言え!好奇神!」

店主の野次が飛んだ。

「店主さん、また魔王さんに言われちゃうよ?」

「おっと!それはダメだ!」

「まぁ自分が一番驚いてるんだけど、気になったことを追いかけてたらこうなりました。上位神とかよくわかんないけどありがとうございます」

会場が拍手で包まれる。

「それでは神界代表創造神様、ならびに魔界代表魔王様、ご登壇をお願いします!」

司会の一言で創造神と魔王が壇上に上がる。

「おめでとう♪好奇神!」

「お前のおかげでこうやって両種族が分け隔てなく交流できておる。ありがとう、そしておめでとう」

上位神の証である神衣を手渡される。

「これ着なきゃダメ?」

「別にいいんじゃない?」

「お前はそのままの方がいい」

「んじゃあいっか!」

会場の拍手の中、変な匂いが会場を包み出した。

「クサッ!」

頭の上にいる怪猫神が泡を吹きながら気絶した。

「猫神様ぁぁぁぁ!」

「失礼しました!あまりの感動で能力が発動してしまいました!」

会場はパニック。参加者の中には泣く者、気絶する者、逃げる者で溢れかえっていた。

「誰か風神を呼べぇぇ!」

「新聞社ぁぁぁ!編集長を止めろぉぉぉ!」

そこへ風神が到着。

「何かありました?・・・くっさ!わかりました!」

風神は風を起こし、換気を始める。風神のお陰で匂いはなくなり、そのまま風神も式典に参加となった。

辺りを見回すと、動物神は軒並み気絶、魔族たちは初めての臭さで暴れていた。

ただ店主だけは『この匂いを料理に使えんかな』と言った顔をしていた。

その後、全員が復活し式典が再開される。

臭撃神だけは創造神が創った防臭フィルターに包まれ、隣には風神が配置された。

「騒ぎが落ち着いたところで式典を再開します」

全員が心の中で『お前のせいだろ』と思っていた。

無事式典も終わり、魔王が壇上でマイクを取った。

「皆に報告がある。魔界で建設中だった遊園地だが今日完成する予定だ。是非、皆の者に遊びに来てもらいたい」

魔王はマイクを臭撃神に返し、席に戻る。

そこで俺は思いついた。

「オープン当日は魔界の店主さんが作る料理を無料で食べれるよ!」

「おまっ!なんてこと言いやがる!」

無料と聞いてみんなが大騒ぎ。

「もう逃げられなくなったね♪」

「ちくしょう!お前手伝えよ!?」

「わかってるよ〜♪」

会場は笑いに包まれ、神族も魔族も一緒になって盛り上がっていた。


こうして俺の上位神昇格式典は、多少のトラブルはあったものの、神族と魔族の笑い声に包まれながら幕を閉じた。

読んでいただきありがとうございました!


次回 第63話 冥界と冥王


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