第61話 和解
魔王に許しを貰ってから数日。
俺はお祝いのために準備をしていた。
あの日魔界で魔王と創造神が話した後、魔界と神界に一報が送られた。
『神界と魔界の和解記念パーティを開催します。
詳細は後日追って連絡します』
もちろん考えたのは俺だ。
神界に戻った後、案内神や管理神、他の神にも出迎えられ、祝福された。
「よかったですね創造主様」
「よかった〜」
創造神は泣きながら案内神に抱きついた。
「お前もよくやったな」
「俺はやりたいように動いただけだよ」
「相変わらずの好奇心か」
管理神はクスッと笑っていた。
「これからお祝いの準備があるから俺は行くね」
「あと、そろそろ格好を戻してくれない?」
「わかった〜」
創造神は俺に手を当て、服を元に戻した。
「よし!じゃあ行ってくる!」
俺は走り出した。
「あいつらしいな」
「ああ」
案内神と管理神は笑っていた。
俺は神界と魔界の仲が悪かったと聞いてからやりたかったことがある。
ようやく実現出来ることに、俺はワクワクしていた。
「今日も元気にゃね〜」
「そりゃそうだよ!いよいよ明日がパーティだからね!」
頭の上にいる怪猫神は俺のやりたいことを知っている。
「まぁ、昔なら考えられにゃかったからね〜」
「だから盛大にやらなきゃね!」
俺は走り出す。
魔界ーー
「魔獣よ、祠の封印を解く」
「よろしいのですか?」
「構わん。この時のためのものだ」
「承知しました」
魔王と魔獣は森の奥深くの祠へ向かった。
魔王は祠から大切にしていた物を取り出し、懐へしまう。その表情は少し嬉しそうな顔だった。
そして当日。
俺が送った集合場所に、次々とと神が集まって来る。
「キミはこんなところでなにをしようってんだい?」
「やぁ太陽神、まだ秘密だよ〜」
「そういうことね」
月神が俺の心を読んでいた。
「俺の心を読んだな!?絶対に言っちゃダメだよ!?」
「わかってるわ」
月神は微笑み、太陽神は楽しみといった表情だ。
「お前はまた変なことを企んでいるのか?」
案内神が頭を抱えながらやってきた。
「変なことじゃないよ〜」
「お前の変じゃないは大概変なことだがな」
管理神が少し笑いながらこちらに向かって来る。
「他の神々も来るのか?」
「出来る限り参加するようには言ってあるけど、どうだろうね」
「まぁ、離れられない仕事もあるだろう」
「お待たせにゃ〜」
後ろから怪猫神がさまざまな動物神を引き連れてきた。
怪猫神、結兎神、響狼神、反狐神、静梟神、瞬鳥神、八岐神、他にも色々な動物神が集まっていた。
「・・・動物園?」
「お前が出来る限り動物神を集めろっていうから集めたにゃ!」
「ごめんごめん!」
そこに創造神がやってきた。
「そろそろ魔界の人たちも連れて来る?」
「そうだね、俺が行ってくるよ」
シュッ!
俺は魔界へ向かった。
「わぁ!動物園!?」
創造神が動物神の集まりを見て目を輝かせた。
「あんたら二人は似た物同士にゃね〜」
動物神全員が呆れていた。
シュッ!
俺は魔界の住人を引き連れて戻った。
魔王、影宰、影刃、校長先生、店主、子供たち。
お互いに見るのは初めて同士、少しぎこちない感じだが、それも見ていて嬉しくなった。
メンバーが一通り揃ったところで、俺は参加者に向かって話し始める。
「じゃあそろそろ始めるよ〜」
俺は創造神と魔王に合図した。
「この度、神界と魔界の和解が決定し、共に交友を深めることとなった!」
「私たちの蟠りは無くなり、お互いが対等に話し合える仲となりました!」
「今日は和解記念!皆種族など忘れて楽しもうではないか!」
「楽しまなかったらこうするからね〜♪」
創造神が俺に向かって、手を出した。
「ちょっ!まさか!?」
フリフリのドレスを着た俺が完成した。
参加者からは笑いが上がり、俺は『まぁいっか』と笑いながら思った。
「それじゃあ!和解記念に宇宙の始まりを見ようパーティ!始めるよ〜!」
「「「お〜!」」」
参加者が応えた瞬間、宇宙が始まる。
宇宙の始まり。
神族、魔族がその瞬間を見逃さないと息を呑む。
創造神は懐かしそうに見ていた。
そこへ。
「創造神」
魔王が声をかけていた。
「なに?」
創造神が魔王を見る。
宇宙の始まりも気になるが、二人のことも気になる参加者。
その時・・・
「お〜い!アンモナイト焼けたぞ〜!」
店主の声が雰囲気をぶち壊した。
「タイミング考えてよ〜!」
「店主よ、後で話がある」
「・・・はい?」
店主はよくわかっていなかったようだ。
そして仕切り直し、魔王が口を開く。
「創造神、これをお前に返す」
魔王の手には、髪飾りがあった。
「これ・・・あの時無くした髪飾りだ」
「そうだ、魔界と我を作ったあの日にお前が落とした物だ」
「・・・ずっと持っていてくれたの?」
「魔界と我を作って放置されたことには怒りが湧いた。だが作ってくれたという恩もあり捨てることができなかった」
「ごめんね。あの時は私が面白かったら周りはいいと思ってた」
「今は違うのだろう?」
「うん」
「ならばこれを返す。もう昔のような創造神でない事は我も知っている。受け取ってくれ」
創造神は髪飾りを受け取り、髪につけた。
「・・・どう?」
「良く似合っておる」
「えへへ〜♪」
二人は笑い合う。
「おめでとう〜!」
それを見ていた参加者から祝いの言葉が飛び交う。
「本当に良くやってくれた・・・」
珍しく案内神が涙を見せていた。
「宇宙の始まりより、こっちの方が気になっちゃったか〜」
俺が企画したことは二人に塗り潰されてしまったが、気にしなかった。
俺が一番見たかったことがそこにはあったからだ。
「よ〜し!仲直りもできたことだし、騒ぐぞ〜!」
その後、神族と魔族が交友が始まる。
太陽神と月神の共鳴、魔界の子供たちの合唱、店主とオーナーの料理対決など、さまざまな余興が続いた。
「お疲れ様です」
影宰が俺の隣に座った。
「おつかれ〜、ようやくここまできたね〜」
「そうですね」
影宰が笑っている。
「影宰ってそんな風に笑うんだね」
「・・・あなたに巻き込まれたかもしれませんね」
「それはないよ」
影宰は首を傾げた。
「なんとなくだけど、俺は力を使っていないと思うんだ。その笑顔は創造神と魔王さんのせいじゃないかな」
「・・・」
影宰は何も言わず、笑っていた。
それを見た俺も自然と笑っていた。
「好奇神♪」
創造神に呼ばれる。
「ちょっと行ってくるね」
「はい、いってらっしゃい」
俺は二人の元へ駆け寄る。
「どうしたの?」
「ありがとう♪」
「貴様のおかげだ。礼を言う」
俺は二人の言葉を素直に受け止めた。
「どういたしまして♪」
「さてと、次の気になる物を見に行きますか〜」
「まだ貴様の好奇心は終わらんのか」
「終わらないよ?だって・・・」
俺は振り向き笑いながら
「俺が“好奇神"だからね」
俺の好奇心は終わらない。気になる物を全て見届けるその日まで。
第一部 完
読んでいただきありがとうございました!
これにて「好奇神〜だって見たいじゃん〜」
第一部が完結となります。
これまで読んでくださったみなさんありがとうございました。
第二部も執筆中です。
新しい世界や仲間と出会い、気になる事を追い続ける好奇神の好奇心は止まりません。
是非ともよろしくお願いします。
次回 後日談 神魔新聞
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