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第111話 霊獣巡り

白蛇神と別れ、霊牙神に次の霊獣を案内してもらう。

「次はどんな霊獣?」

「次はイタチの霊獣だよ。元々は妖怪だったんだ」

「あれ?ということは猫神様も霊獣扱い?」

「そうだね。怪猫神も元は野良だけど猫又を経由してるから霊獣の類だよ」

「ほんと身近に霊獣いたんだな・・・」

そして案内された場所は少し開けた森の中。

「多分このあたりにいるはずなんだけど・・・」

霊牙神が名を呼ぶ。

「お〜い!颶鼬神(ぐゆうしん)!」

するとあたりに風が吹き、次第に強くなっていく。

「おお・・・風が強い!」

「ちょっ!飛ぶ!」

創造神が風に負け飛ばされる。

「うわ〜♪」

ガシッ!

創造神をキャッチし風を纏い降りてくる颶鼬神。

「楽しかった?」

「楽しかった〜♪」

創造神を降ろし、こちらに歩いてきた。

「彼が颶鼬神。元々は妖怪の鎌鼬だよ」

「よろしくね」

「よろしく〜。早速だけど俺も飛ばしてもらいたい!」

「いいよ〜!じゃあいくよ!?」

颶鼬神が纏う風が荒々しく吹き荒れ、俺に目掛けて向かってくる。

その瞬間、もの凄い勢いで吹き飛ばされる。

「おっほ〜!気持ちいい!」

風が纏っているからか、落ちる気配がない。

独『これはいいな!』

吾『自分で飛ぶのとはまた違った気持ちよさだね!』

しばしの空中散歩を楽しんだ後、みんなの元へ戻された俺たちは三つの頭を持つケルベロス状態になっていた。

「いや〜気持ちよかった〜」

「・・・」

みんなが俺の姿を見て黙っていた。

「どうしたの?」

「キモい」

「キモいね」

「それはキモいな〜」

「みんなひどいな・・・」

独創神と吾亦紅神が俺の中へ引っ込んだ。

「ふぅ・・・君は元々鎌鼬だったんだよね?なんでまた神になったの?」

俺は颶鼬神に言いながら創造神を見た。

「正解だよ!創造神が面白がって神にしたんだ!」

「やっぱりかぁ」

「でもね、鎌鼬だった頃は人間に恐れられていたんだ。傷付ける悪い妖怪だってね。でも神になってからは信仰されるようになったから悪いことじゃないよ?」

「そうだったのか〜。じゃあ被害者ではないんだね」

「被害者ってなに・・・?」

創造神がこちらを見て少し頬を膨らませていた。

「ごめんごめん」

颶鼬神に別れを言い、次の霊獣の元へ案内してもらった。

人間界の海ーー

「今度は海の霊獣かぁ!」

「そうだね!海にも霊獣はいるから何人か紹介するよ!」

俺たち三人は霊牙神に案内され、空を飛ぶ。

「この辺でいいかな?」

霊牙神は海の上で神の名を呼ぶ。

「お〜い!刃鮫神(ばっこうしん)!」

海面が波打ち、荒れていく。

すると一匹の鮫が飛び出し、空中で止まる。

「呼んだ?」

「お〜カッコいい!」

「久しぶりだねぇ。元気してた?」

霊牙神が刃鮫神に話しかける。

「海神様の使いで忙しいよ〜」

鮫のイメージとは違い、おとなしそうな鮫だった。

「うわ・・・創造主様もいるのか」

明らかに嫌そうな顔をする刃鮫神。

「ん?何かあったの?」

「いや〜、神の名を貰う時に酷い名前を付けられてさ〜」

「あ〜、創造神ってネーミングセンス無いからねぇ」

「ひどい〜!頑張って考えたんだよ!?」

「ほ〜じゃあ言ってみてよ」

創造神は自信満々に答える。

鮫牙神(さめがかみ)!」

「それはひどいね・・・」

「ひどいな・・・」

俺と霊牙神が可哀想な目で創造神を見ていた。

「でしょ〜?だからせめて強そうな名にしたくて刃鮫神にしたんだよ」

「む〜、頑張って考えたのに〜!」

「まぁ、創造神のネーミングセンスが酷いのは置いといて、とりあえず俺を咥えて海の中を泳いでもらってもいいかな?」

「流石に最高神様を咥えるのはちょっと・・・」

「なんか生前からやってみたかったんだってさ。やってやりなよ?」

霊牙神のフォローのおかげで刃鮫神に咥えてもらい、海の中を泳いでもらった。

「お〜!速い速い!」

独『すげぇ!』

吾『もっとスピード出せる!?』

「出せるよ〜・・・というかそれどうなってんの?」

ケルベロス状態の俺に刃鮫神が聞いてきた。

「あ〜面白いこととかやると出てくるんだ〜。気にしないで〜」

「わかった〜、じゃあもっとスピード上げるよ!」

刃鮫神はさらに速度を速め、海面に向かっていく。

「飛ぶよ〜!」

『「いけ〜!」』

勢いよく海から飛び出した刃鮫神は創造神と霊牙神の上を飛び越し、再び海へ潜る。

『「最高〜!」』

「変わった神だねぇ!最高神様は」

『「それは最上級の褒め言葉だよ!」』

その後高速の遊泳を終え、創造神と霊牙神の元へ戻った。

「楽しかった〜!」

満面の笑みで刃鮫神の口から離れる俺に対し、『私もやりたい』と言いたげな顔で創造神が待っていた。

「やりたいの?」

「やりたい!」

俺の問いに即答した創造神。

「だってさ〜、どうする刃鮫神?」

「はいはい・・・そうなるだろうなとは思ってたよ」

そういうと刃鮫神は創造神を咥えた。

「行ってきま〜す♪」

鮫に咥えられ、笑顔の創造神を俺と霊牙神は手を振って送った。

読んでいただきありがとうございました!


次回 第112話 海の霊獣


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