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第103話 だって気になるじゃん!

何もない空間。音も、匂いも、色もない空間。

俺は独創神に吸い込まれた後ここに来ていた。

「何もない・・・独創神もいないなぁ」

その時声が聞こえた。

「やっと一つになれたね」

「独創神!?」

目の前に独創神の姿が現れた。

「やほ〜♪」

「相変わらず軽いね。ここはどこなの?」

「俺の中だよ〜今同化してる最中」

「そうか・・・俺は消えるんだなぁ」

「さっきなんでみんなの手を離してって言ったんだい?」

「独創神ならわかるでしょ?」

「「だって気になるじゃん」」

二人の声が重なる。

「まぁそれしかないよね」

「ただ一つ気になる点があるんだ」

独創神は首を傾げている。

「何かあったの?」

「同化が進まない・・・」

「むしろ同化じゃなくて好奇心に飲み込まれてる・・・」

「俺の?」

「それしか考えられないっしょ」

その時俺はある事に気付いた。

「独創神も俺なら逆もあり得るじゃん!なら独創神を飲み込んでしまおう!」

「おまっ!何その面白そうなこと!?」

「でしょ!どうする?俺の方に来る?」

「いや〜、それはさすがにしないかな!」

独創神の同化が強まり、飲み込んでいた部分が侵食されていく。

「おお!やばいやばい!」

負けじと好奇心の力を解放する。

その時、どこからか声が聞こえてきた。

「好奇神!」

「創造神!?どこにいるの!?」

姿はなかった。

だが、今まで出会った者の声で名前を呼ばれる。

それを聞いた独創神から力が抜ける。

「好奇心の力が大きくなりすぎでしょ〜。同化出来ないじゃ〜ん」

「大丈夫!俺も独創神も元は同じだから何も変わらないよ!」

「これからも気になることや面白いことを追い続ける!だからこっちにおいで!」

「・・・しょうがないなぁ」

「ちゃんと俺も楽しませろよ〜?」

「わかってるって!」

独創神は最後まで笑いながら俺の好奇心に飲まれていった。

現実世界ーー

俺が吸い込まれた後、全員が残った独創神の体を見つめていた。

「ぷはぁー!ただいま〜!」

返事がなかった。全員が『どっちだ』といった顔をしている。

「大丈夫!俺だよ!好奇神!」

その瞬間創造神が泣きながら抱き着いてきた。

「よかったぁ〜!」

「ごめんね。心配かけて」

「よく戻ってきたな」

案内神と管理神が安堵の表情で近づいて来た。

「いや〜戻れるとは思ってなかったけどね!」

「お前という奴は・・・」

金毛神が近付いてくる。

「やぁ、ただいま!金毛神!」

「おかえり」

そして尻尾で俺を包み込む。

「どうしたの?」

「心の底からあなたが帰って来てくれてよかったと思ってるから・・・」

「・・・そっか!もふもふ〜」

「独創神と吾亦紅神はどうなったのだ?」

魔王が近寄り聞いて来た。

「俺の中にいるよ」『いるよ〜』『俺もいるよ〜』

俺の返事と同時に首の根本の左右から独創神と吾亦紅神の顔が出現する。

「「キモッ!」」

バゴォーン!

金毛神に吹き飛ばされた俺は立ち上がる。

「いてて・・・あの二人は元々俺と同じだからね。俺の中で生きてるよ。まぁ好奇心が三人分になったって感じかな」

「それは・・・制御できるのか?」

「さぁ?」『さぁ?』『さぁ?』

「あと独創神の力も使えるようになったみたいだよ。ちょっと説明して〜」

『はいよ〜』

独創神は俺の体から分離し一つの個体として出て来た。

「俺の力は独創の力だよ〜。例えば今回のように自分の中の性格や感情を独創して独走させたりできる。あとは世界を作ることもできるし・・・まぁやりたいことは大体できるよ」

「・・・それは、すごいな・・・」

次元の違うことを言われ呆気に取られる者ばかりだったが、創造神だけは違った。

「私の創造と似てるけど何が違うの?」

「創ること自体は同じだけどスケールが違うかな。例えば創造神は世界を作れるけど、俺はその上の次元を作れるよ〜」

「次元!?何それ面白そう!」

「俺たちがいる次元は三次元だけど四次元や五次元なんかも作れたりする」

「まぁ、他のことはおいおい好奇神がやってくれると思うよ!じゃ!」

独創神は俺の中へ戻っていった。

「見て見て〜!ケルベロス!」

俺の中の独創神と吾亦紅神の頭を出し遊んでいた。

ボコッ!

「お前・・・本物を前にしてもそれ出来るのか?」

案内神に殴られた。

「え!?本物いるの!?」

「冥界にいるぞ」

「・・・多分やるよ!」

その後、俺の中にいる独創神や吾亦紅神のことを聞かれたが、独創神曰くほとんどのことが『なんとなく』『面白そうだから』『気になるじゃん』で行われていたことがわかった。俺の中にいる二人は基本的には俺が呼ばない限り出てこないが好奇心が反応するとケルベロス状態になるらしい。創造神を作ったということで、『お父さん』と呼ばれそうになったが流石にそれは拒否した。少し寂しそうだったが・・・

そして金毛神の尻尾はこの一件以来もふもふさせてもらえている。ただ俺限定らしいが何故かはわからない。

そしてまた、気になることを追いかけ回す俺たち三人。

「また面白そうなこと見つけたの?」

「そうだよ!だって・・・」

「気になるじゃん!」『気になるじゃん!』『気になるじゃん!』


第二部 完

読んでいただきありがとうございました!

気付けば100話を超え第二部が完結いたしました。

皆様が読んでくれるお陰で書くことができます。

引き続き好奇神たちの好奇心をお楽しみいただけたらと思います。


次回 第104話 三界会議


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