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全てが集まる異世界で  作者: トーマス
第2章 ベルガで生きること
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第37話 第一試練

力の試練を受けるレイ、メニア、レガードは小部屋に転送されていた。雰囲気は相変わらずで、細い通路が一本奥に伸びているだけだった。


「行くしかないようじゃの」

レイの言葉に二人は無言の肯定を示し、少しずつ進んでいった。


「なんか暗くなってきてないか?」

「そうですネ。怪しい気配も漂ってきましたしネ」

「集中した方がよさそうじゃ……、来るぞ!」


どこからか現れたのは動く骸骨だった。その数およそ五十。狭い通路を見事に塞いでいる。その中のおよそ半数が近接用の重装備、残りが弓の遠距離系である。弓兵の方は何やらアビリティを使って強化しているようで、いくらこの三人でも当たれば痛いでは済まないだろう。弱点となりそうな溜め時間も信長が長篠の戦で見せたように一発交代の断続的に降り注ぐ脅威と代わっている。


そんな敵相手に三人がとった戦法はいたって単純だった。レガードが『岩窟』を使い壁になる。だが、さすがのレガードも、この猛攻を完全には受け止めきれない。そこでメニアの『色眼鏡・緑』で『岩窟』ごと回復させる。その隙にある程度力をためたレイが『ドラゴン・キャノン』で一掃する。いくら燃える物が残っていない骸骨とはいえ、この攻撃には耐えられずにまとめて消滅した。



心の試練を受けるのは祐樹、ザーク、リクだ。三人は同時に石板に触れたが、転送先は別々だった。


「俺一人か」

小部屋で目覚めたザークはあたりを見回していた。四方を壁に囲まれており、脱出は不可能に思えた。


しばらくして部屋全体から響くような声が聞こえてきた。

「オ前ニ機会ヲ与エヨウ」

「誰だ? 」

「私ハ病ノ神。オ前達ノ心、即チ意志ヲ試サセテモラウ」

「試されるのは好かないんだがな」

「コレヲ見ロ」

空中に浮かび上がったのは同じような二つの小部屋で苦しむリクと祐樹の姿だった。


「お前あいつらに何をした? 」

「簡単ナコトダ。アイツラニハ私ノ知リ得ル限リデ最モ苦シム病ヲカケタ。オ前ハ今カラアイツラヲ救ウ為ニ薬ヲ二人分探シテキテモラウ。薬ハ罠ニヨッテ守ラレテイル。ダガ、薬ハ貴重ダ。私ニ薬ヲ渡セバ相応ノ報酬ヲ与エヨウ。猶予ハ二時間ダ。ソレヲ過ギルトアイツラハ死ヌ」

「ふざけるな」

ザークは誰もいない虚空を睨む。


「あいつらが死ぬだの薬を買うだの好き勝手やりやがってよ。……いいだろう。その試練受けてやる。必ず二人を助ける」

ザークの口調は落ち着いていたが、隠れた怒りは相当なものだった。


「分カッタ」

病の神はそれだけ言い残すと気配を完全に消し、通路を開いた。



心の試練はアキネ、カノン、シグレだ。


「何でござるか?」

シグレの目の前には赤い人型の生物がいた。

「お前は何者だ。セやジの仲間か?」

「よくわからんが、拙者はシグレ。刀匠団マスター、ラグーン殿にお仕えする侍であり、ベルガ十傑の一因でござる」

「……嘘は言っていないようだな。うそを付けるようなタイプにも見えん」

「拙者の質問にも答えてもらってもいいでござるかな」

「失礼した。ここは我々ホの前線基地、通称八咫烏。我々の領土に進攻してくる青の種族セや緑の種族ジを迎え撃ち、殲滅するために築いたものだ。神々の争いが続くこの世界で少ない資源を求めてきたのだろう」

「神々の争い、でござるか?」

「ああ。生物はもはや滅びの道を歩むしかない。それが早いか遅いか、それだけの違いなのに生物は殺し合いをする。愚かしいことだが、我々とて死にたくはないんでな。シグレといったか、お前にも協力してほしい」


シグレはこの試練の真意を測りかねていた。このままホに味方して勝たせればいいのか、何かのクリア条件を探し出し停戦に持ち込めばいいのか。しかし現状これ以上の情報は無く、アキネやカノンの行方も分からない。ひとまずはホと行動を共にすることにした。

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