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身も心も

ある程度の身支度や食糧を購入して二人は宿に泊まった。クリーフの計らいで部屋は別々だ。


余程稼いでいるのか一番良い宿に泊まった。


クリーフから夕食後に一言言われた。


「教訓ではないがアドバイスだ‥添え膳食わねば男が廃る‥頑張れアラン」


酒に酔いながらクリーフは部屋に戻った。



深夜帯‥

アランの部屋に来客が来た。


トントン‥

二日前の“教訓”を思い出して銃を構える。


「ねぇ‥クリーフさんから言われて来たんだけど、お兄さん開けてくれる?」


艶めかし声と夕食後のセリフでアランは察した‥

ピストルをデコックしてしまう。


ガチャ‥

「も〜うお兄さん会いたかったわ〜」


濃いめの化粧と香水に派手な服だ。

見た目は悪くない。


「ねぇ〜‥早く部屋に入れてよ〜」


娼館産まれで今更ドキドキなどしない筈だが、やはりアランも男だ。


それからは自然な流れで赤子の姿に戻った。

やはり向こうはプロだ。


女を抱いている最中に一瞬、酒場の娘の顔がよぎる。

アンに抱いた感情を振り切るように女を貪った。





ヒヒーン‥ブルブル‥

遠くから聞こえる馬の声で目覚めた。


「早いわね〜‥お兄さんの寝顔、可愛かったわよ」


「そうかい‥」


まだ時間もあったのでもう一度トライした。





身も心も“男”に一応はなったみたいだ。

足りない分はなんとかなるさ。

生きるのに必要な余裕を伝授されたらしい。



宿屋の馬小屋でクリーフに会う。

「おはようございます、クリーフさん!」


「おはようアラン‥いい顔になったな」


見透かされるが悪い気はしなかった。


「さて‥形だけは男になれたはずだ‥今日は銃の練習をする」


「はい!」



人殺しの道具なのに何故男は胸が高鳴るのだろう‥?

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