男なら
馬に乗って二日後、隣町に着いた。
“ワグチー”
サガータよりも店の種類がやや多い町だ。
服屋や銃砲店などが並ぶ。
ここにはアランを知る者は居ない。
「アラン‥君は顔も悪く無いし、身支度もそれなりだ」
「恐れ入ります」
「だが肝心の服と靴が良くない」
二人は下馬して紳士服の店に入った。
「いらっしゃいませ‥何かお探しで?」
メガネの店主が声をかける。
「あぁ‥彼の服が欲しい‥上等なヤツを」
店主はアランの臭いと身なりに一瞬嫌な顔をしたが、クリーフの身なりを見て了承した。
「アラン‥覚えておけ、身なりは相手の印象を変える」
古い服や下着は処分して新しい服を試着する。
最後に高級ブーツを履いてから試着室を出る。
そこには品の良い好青年が居た。
紺色のスーツとジャケットが良く似合う。
「お客様、良くお似合いです!」
先程の態度とは明らかに違う。
アランからすれば靴以外はどうでも良かった。
「いくらだ?」
会計をして外に出る。
馬に乗って町を移動する。
「ちょっと見てよあのイケメン!」
「キャー!カッコいい!!」
町の入り口で既にすれ違っているのに身なりを変えただけでこのザマだ。
娼館育ちも相まってアランは嬉しくない。
「な、言ったろ?」
「クリーフさんの言う通りです。代金はあとでお返しします!」
「気長に待つ‥」
次に銃砲店へ来た。
「いらっしゃいませ‥あー‥クリーフさんですか」
どうやら店主とは顔馴染みのようだ。
「ピストルを一通り見たい」
「少々お待ちください‥」
ガラスケースの上に数丁のピストルが並べられた。
“シングルアクションピストル”
単純にピストルと呼ばれている。
頑丈で威力がある為に軍隊や保安官が長年愛用している。無法者や賞金稼ぎも同じくだ。
一発撃つごとにハンマーを起こすシングルアクション方式だ。装弾数は六発。四五口径だ。
チャキン、パチン‥ジリリ〜‥
手慣れた手つきで銃の動作を確認するクリーフ。
暫く見た後に一番銃身の長いモデルをアランに渡した。
「長いと良く当たる‥」
するとアランはハンマーをデコックした後に素早くガンスピンをした。
「ほう‥使った事があるのか?」
「いえ、まだです‥」
「フッ‥次は弾とガンベルトだ」
二人は新調した銃と弾薬、ガンベルトを持って町を出た。




