死闘
「デイブ、前に出過ぎるな!奴は獣じゃねーぞ!」
「分かってら〜兄貴」
兄弟はアランが潜んでいると思われる岩陰付近に来ていた。
慎重派のリックと積極派のデイブでは後者がやや前に出ていた。
「兄貴‥」
やや声のトーンを下げたデイブ。
阿吽の呼吸で停止し、しゃがみ撃ちの姿勢を取る。
「兄貴、援護頼むぜ‥」
「あぁ‥気をつけろ‥」
岩陰から僅かにのぞくブーツとライフルのキラキラした銃口に向けてリックが照準を合わせる。
ザッザッザッ!
大胆だが確かな足運びで素早く前進するデイブ。
ダーン!!ジャキン
ダーン!!ジャキン。
ボルトアクションライフルで援護射撃をするリック。
ブーツは穴だらけ。ライフルは僅かに動いた。
「今だデイブ!やれ!!」
岩陰の後ろに回り込んだデイブはライフルですかさず撃ちまくる!
ダーン!!ジャキン!
ダーン!!ジャキン!
急いで撃ちまくったせいで薬室は空だ。
ボルトを開放して五発のクリップを上から差し込もうとした。その時!
「おいマヌケ!!」
「なっ!!」
バキューン!バキューン!バキューン!
木の影に隠れていたアランが至近距離でピストルを連射する。
「うがっ!!」
地面に倒れるデイブ。
風穴が三つも開き、息はない。
「何ッ!テメェ!!」
怒りで遠距離からライフルを連射するリック。
シュバッ!ピキーン!!
時折岩陰に跳弾して凄い音をだす。
以前より近いため銃声と着弾音が重なって聞こえる。
アランは素早く伏せた。
靴も履かない状態で匍匐前進する。
岩陰に転がるレバーアクションライフル。
素早く回収してコッキングする。
ジャキ!バーン!!
ジャキ!バーン!!
ジャキ!バーン!!
射程圏内に入った相手に向かって鶴瓶撃ちをする。
レバーアクションの長所はボルトアクションに比べて連射がし易く当てやすい事だ。
シュバッ!
シュバッ!
マタギの外套を四五口径が撃ち抜く。
「デヒャッ!!」
リックは沈黙した。
岩陰周辺は空薬莢と血の匂い‥
「今更痛むな‥」
斜面を登ったり隠れたりした時の傷がジワジワと痛みだした。




