手段と方法(1)
「ぐ...」
「あら、起きた?」
「...どうも、おはようございます、先輩」
起きると、目の前にはにやにやしながら僕を見つめている先輩がいた
多分、監視だろう
「おはよう、じゃないけど、時間が結構過ぎても起きてないから、心配したよ?」
「はあ...」
そんなに寝たのかな
「素直に言って、死んでいるんじゃないかなと思ったしね」
「...え、と、一体、僕、何時間ねてたんですか?」
「19時間くらいかな、もう夜だよ?」
疲れがたまっていたことは知っていたけど、そんなに寝たのか
「普段もこんなに寝るの?」
「いえ、これほどではないと思うんですけど」
まあ、異世界に来て初めてぐっすり眠ったからかもしれない
「へえ、なるほどね」
そして、沈黙
気まずい沈黙が続く
多分、先輩も僕が疑っていることに気づいているだろう
でも、それがばれたら困る
「あの、先輩」
「うん?どうした?」
「外に出たいんですけど」
だから、『僕はあなたたちをうたがっていません!』
という印象を与えることが大事だ
「へぇ、普通に出たらいいんじゃないかな?」
「僕、ここに来てからあんまり過ぎてないので、あんまり詳しくはしりませんから」
「本音はどう?」
「おいしいものとか、買ってください」
そういうと、先輩はあきれた顔をして、笑い始めた
「いいよ、いいところを知っているから、いこう?」
そういい、地下からでると、禿のおっさん...ギルドマスターがいた
「おう、出かけるのか?」
「はい、少し外食するかな、と思ってですね」
「ギルドで食事したらもっと安くなるぞ?」
そうギルドマスターがいうと、先輩はあきれた顔でギルドマスターをみて
「バー、6時から始まるでしょう?」
「まあ、ギルドの営業はほぼ24時間だけどな」
「...後でします、今日はいろいろと後輩君をつれていきたいと思っているので」
「おう、あとでな」
そうやって先輩とバーから出た
「じゃ、行くか? どこから行きたい?」
「そうですね...」
適当な場所を考える。
ぐううう
腹から音が聞こえた
「朝ごはんから買ってもらえますか?」
「夜ごはんじゃないかな」
「今起きたので、僕には朝ですよ」
「あはっ、そっか、わかった、朝ごはんにするか」
そういい、先輩は歩き出した
...町を歩くと、いろんなことが見える
雰囲気や、周りを見ることだけでも、いろいろな情報が手に入る
と、昔アニメで話していた
そして、僕の感想は...
「すごい」
ダサいけど、これだった
「あら、初めて夜の佐藤城を見たの?」
「見れる状況じゃなかったので...」
夜なのに、朝みたいに町が光っていた
人々のしゃべり声で先輩の声が小さく感じる
今が夜だということを忘れるくらいだった
「で...そこで聞きたいことがあるんですけど」
「うん? なに?」
「先輩は何でそんな服装なんですか」
先輩の服は相変わらず露出が多かった
「あら、気に入らないの?」
「僕はすごくいいんですけど」
「ドヤ顔でそんな変態みたいな返事をしてもね、引くわー」
軽口を互いに叩きながら町を歩く
町では、いろんな人が見えた
重そうな装備を身につけてる人、すごくでかい人
猫の耳をしている男とか
...あれは見たくなかった
「普通は女だろうが...」
「あら、猫耳の女の子が好みなのかな?」
「うわああ!」
「そんなにびっくりしなくてもいいんじゃないかしら」
ニヤニヤ
この先輩を相手することは、苦手だな...
「着いたよ、後輩君、ここが『佐藤城』で一番うまい食堂だ」
「へえ...」
食堂に入ると、騒がしい雰囲気。
...うまい店という感じより、道にいつもあるチェーン食堂の感じだけどね
いい歌声も聞こえるし
うん...歌?
「聞いて驚くなよ、後輩君、ここの店は味も結構いいほうだけどね、なんと、歌で味を良くする人もいるんだよ」
「歌で...味を...よくする...?」
雰囲気的なものかな
ていうか、歌で味を良くする人か。
「興味でたという顔ね、多分あっちでうたっていると思うけど」
先輩が指で指したところを見ると
紫色の髪をした女の子がいた
肩まで届く短髪
「戻って他の物たべましょう」
「あら、問題でもあるの?」
ありすぎる。
そう、あそこで歌っている人はアスカだった
いや、別にばれても何の問題もないけどさ
めんどくさくなりそうな気分がした
「あ」
歌が止まった
そして、誰かが近づいてくる
「お久しぶりです、お隣さんは誰でしょうかね?」
「お前、誰だよ」
笑って敬語を使うアスカの顔に鬼が見えていた
「...あら、私のことを言っているのかな」
「ええ、相当近い関係とみられるので」
アスカは僕を眺め、ニヤリ、と笑った
あ、これってまさか
「私のだんな様と、何の関係でしょうか?」
「...あら、後輩君、いつ結婚したの?」
「してません」
「でも、だんな様とよんでいるけどね」
「...いろいろ事情があったんですよ」
僕としても適当な返事だったけど
仕方ないんだよ
ていうか、なんで怒っているのかもわからない!
そんな風に困っていると、アスカが僕の腕に抱きついた
「あら、仲いいじゃない」
怖い、先輩の笑っている顔が怖い。
いや、逆に考えるとうれしい状況かもしれない
すごい美人ふたりに困っている状況だからな
うん、最高だ!
「あ、現実から逃げた」
「メンタル弱いね、後輩君」
「ていうか、にやにやしていてすこしきもい...」
ひどいことを言っているけど、気にしない
...ていうか、個人的にはこれもなかなかいい
「旦那様がおかしくなりました...」
「だからその旦那様ということやめてくれないかな!」
「もう...わたしが...いやになった...?」
「うれしいけど!」
男的には、ね?
「でも、どうやって反応したらいいのか困るからね」
「ノリがいいのか悪いのかわからないね、後輩君は」
「普通だと思います」
名前通りね。
「で、本当に誰なの、このセンス抜群のえろい人は」
「とんでもなく失礼なことを言うな君...」
「いやいや、私も’超’が付くほど美少女だけど」
「おい」
こいつは自分で言って恥ずかしくないのか
「先輩だよ、僕の」
「先輩...? 盗賊のギルドの人が...ね」
アスカは妙な表情で先輩を見つめていた
「...あら、問題でもあるのかしら?」
「ひっ...!」
アスカが後ろに下がる
あ、胸の感触が消えた
残念。
「で、なんで後ろに隠れたの」
「...やばい状況になったな、と思って?」
「心配しなくてもいいよ、アスカさんはずいぶん有名な人だし、我らも勝手に手は出せない」
「それはどうも...」
アスカの声に力がなくなった
一体、何に気づいてしまった...?
後で、僕も考えてみようかな
「ていうか、アスカ、有名なんだ」
「まあ、この辺りでは一番かな」
先輩が話を始める
「吟遊詩人...その中でも一番だと言われているな」
「へえ...」
rpgでたまに出るその職業か
確かに、音楽で人を元気にする職業だったな
アイドルじゃん
「それは...ないと思うけど」
アスカは大したことじゃないように言っていた
テンションも低くなったし、マジで、何が起きている?
「レベルもまだ低いし、私よりうまい人は沢山いるよ」
「...急に自分を低く評価するな、おい」
出会った時からあんなに自信満々だったのに
『このスーパーかわいい私だから、あたりまえでしょ?」
と、言うんじゃないかな、と思った
「にゃはは...音楽の場合はね、少し、こうなるんだ、あ、でも、私が超美少女ということはあっているよ?」
「まあ、本人はこう言っているけど、すごい人気だからね、後輩君にはもったいないほど」
「言わなくてもわかっていますよ」
自分自身が超美少女と言うことはなんだろうと思うけど、可愛いことも事実だ
僕にはもったいない、絶対に。
そう思っていると、食堂でベルが鳴った
「おっと、また歌う時間か、またね!」
そういって、アスカは戻った
嵐のようだったな
「さて、と、食べるかね、後輩君」
「あ、はい」
心に引っかかる何らかの言葉を整理して、先輩についていく
ていうか、引っかかることが多すぎる
謎解きや推理は得意じゃないのにな
とりあえず、心配事は置いといて、食べることにするか
...そして、アスカの歌を聴きながら食べるご飯は、最高だった
「で、どこに行くんですか?」
「あら、それを言ったら楽しくないでしょう?」
いや、言ってくれよ
だんだん治安が悪そうなところへ行っているし
「ついたよ、ここだ」
キャン!キャン!
うるさい音が耳障りだ
「ここはー」
ゲームでは何回もお世話になったけど
現実では一回も行ったことがない場所
「鍛冶屋...!」
そして、男的にはロマンたっぷりの場所だった
さっきまでうるさいと思っていた音が心地よくなってきた
「ずいぶん興味ありそうね、後輩君」
「カッコいいじゃないですか」
キャン,キャンする鉄の音!
マグマみたいな火!
壁になぜかある武器!
そのすべてが、なんかロマンを呼び出してしまうのだ
「ほう、分かってるじゃーねか、小僧」
「ひっ」
後ろから、ガタイがいい男が現れた
背が高い、190くらいかな、こりゃ。
「...全然きたえていない体だな、これほどの奴は初めてだ」
「うわ、失礼じゃありませんか、それ」
「違うかい? 後輩君」
「正解です...」
鍛えている、といえるほどの体じゃないから
「でも、まあ、これほど鍛えてないからむしろ意欲がわくな」
「あははは...」
「よし、決まりだ、小僧、君にプレゼントをしよう」
「プレゼントですか」
「ああ、君はオークに一撃でやられそうだからな」
ひどいことをずっと言われている
でも、オークか
ゴブリンに殺されそうになったから
...できれば絶対に会いたくないな
「...あ、やばい、自分でプラグを立ててしまった」
「何を言っているのかわからんが、ほれ、これをつかえ」
そして、筋肉のおっさんが何かを投げた
「これは...腕につけるやつですか」
「ああ、危ないときに腕で防御したら、たぶん一撃では死なないだろう」
「へえ...」
一撃、では死なないのか
じゃ、二回くらったらもう終わりじゃないかな
「まあ、つけといたら? この人がただであげることはあんまりないし」
「へえ、そうなんですか」
「まあ、私はこんな服装になってしまったけど、質はいい装備だよ?」
どこを見ればいいのかわからない服か
先輩の服はとんでもなく肌の露出が多いな、と思ったら
「おじさん」
「うん?なんじゃい、小僧」
グッと合図を出した
すると、筋肉のおじさんは僕を眺めて
「...小僧」
グッとで返事をくれた
「変態ふたりがいるな...」
そして、先輩はあきれた顔だった
「で、何しに来た、君は」
「そうですね、私は後輩君を紹介しようと思って来ましたけど」
「小僧を紹介か」
おっさんが怖い顔で僕を見る
「...気にいった、また来たらいい」
「あら、意外ですね」
「それはどういう意味ですか先輩...」
「殺そうとするんじゃないかな、と」
「タチの悪い冗談はやめてください...」
「あら、冗談?」
...この話題はもう話さないことでいい
そして、先輩の買い物が終わって、僕と先輩はアジトに戻った
「...またやるんですか」
「あら、もう疲れたの?」
そうやって向かった場所は前のグラウンド
また、訓練の始まり、ということだ
手が震えている
「怖いと思っているなら、やめてもいいけど?」
「...いえ、やります」
死ぬほど痛いけど
死なないくらいで手加減してくれるし
「まあ、死ぬほど痛いことは勘弁してほしいけど」
「あら、なにか言った?」
「いえ、なにも」
なんか、慣れた気分だ
痛みに慣れたとか、あんまり好きになれないな
「じゃ、始めるか!」
予告もなく、目の前から先輩が消えた
「くそっ、またかよ...!」
本能的に腕で腹をガードする
ぱきっ、と骨が折れるような音がした
そして、衝撃に耐えられず僕の体は地面に転がった
「くっ、ふう...!」
でも、まだ意識はあった
だから、痛みが体に残っている
「ふうううう...!」
起きようとしても一撃でボロボロになった体はいうことを聞かない
「あら、一撃では倒れてないね、成長ということかしら」
「ホロホロひぇすげどぬええ...」
「...すまん、後輩君が何を話しているのかわからない」
そういって、先輩は近づいてきた
「すぐ楽にしてあげるから、目、閉じたほうがいいよ?」
話だけ聞いたら殺されることだと思うなそれ
そう思っていると、僕の意識はまた闇に沈んだ
...
「...もういやだ...勘弁してくれ...」
すごい汗の量
いやな夢でも見ているのかな
「まったく、健一も面倒なことをしやがって」
寝坊けている後輩君をみていると、ため息が出る
健一がこの後輩君を任せた理由がわからない
「人手も足りないのに、全く。」
「く...痛い...くは...」
「本当に、面倒くさい仕事...」
後輩君の状態は最悪
メンタルが強いといっても、限界はある
こんな経験は、溜まったら絶対に後に影響がある
死にかける危機なんて、冒険者でも滅多にないから
危機は、人を強くしてくれる
苦労があるからこそ、成長がある
「それがうまくいくと、ね」
冒険者とか、騎士たちは実戦を考えた訓練を行うと聞いたけど
実際、やってみると意味のないものだ
後輩君をみる
本気で殺そうとして、気絶させた
手も、足も震えていた
’もう戦いたくない’という感情が言わなくてもわかった
「心がつらいね、本当」
これを乗り越えることができるか
それとも、逃げるか
...とっちでも、私からは何も言えないだろう
この大陸は、町の中、それか城の中じゃないとどこでも危険だし
「私もあんまり強くないしね」
大抵の相手から逃げることはできる
でも、それだけだ
逃げて、逃げて、逃げ回って疲れたら
いつか、捕まるものだ
「...」
「あら、静かになったね」
前よりはよく戦ったけど
まだまだ、という感じ
「せめて、2番目の攻撃まで反応できるようにならないと困るよな」
一撃で倒れても、動くことができたら逃げることも考えられるから
せめて、一撃を食らっても、まともに動くぐらいじゃないと困る
「全く、盗賊という立場は本当に困るんだから」
信頼をまともに得られるところじゃない
秘密が多い集団
他のところより、厳しくないというと嘘になる
まあ、私は冒険者ギルドしか入ったことないけど
「王国騎士団とかになると、違うかもしれないけど」
でも、騎士団は憧れでもあるからな
本当に、盗賊はみんなに愛されない職業だと思う
「ああ、本当、気力つかい切った」
考えることは多いけど、整理がつかない
こういうところだと、たぶん後輩君はすぐ整理するだろう
「後輩君、勘はいいみたいだし」
勘はいいけど、体が追い付かないということだ
成長する余地はある
レベルは低く見えても、より強い人たちが集まっているところ
それが盗賊ギルドだ
「だから、納得いかないんだよ」
手に入っている情報を見ていると、健一はあんなところで
「死ぬわけないのに」
...
「後輩君、まだ寝ている?」
「...いえ、起きました」
「今回は4時間くらいかな、体は慣れてきたようだね」
「メンタルはボロボロですけどね」
体は平気だけど、もういやだと考えてしまう
引きこもって泣きたくなっている
「体力は訓練で鍛えることができるけど、メンタルはできないからね」
「そうですか...死にたい...いや死にたくないけど...死にたい」
どっちなのかわからない
ため息は多くなり、誰も信じたくない
暗い感情が、体にだんだん募っていく
「あら、吐くなら袋でも用意してあげようか?」
「大丈夫です...たぶん」
「じゃ、もう一回やる?」
「...勘弁してください」
考えただけで、全身が震える
「そう、じゃ私は行くから、あとは自分でよろしくね」
「...あ、見守ってくれたんですか、先輩」
そういうと、先輩は笑って
「当然でしょう?」
と、答えて消えた
「...痛い」
精神的に。
誰を信じて、どんな情報があっているのかがわからなくなっている
「反省会をするか」
今日一日で問題だったことを述べると
次にはましになるかもしれない
そう思い込んだ
「まず、レベルの確認、しなかったな」
馬鹿なのか、僕は
昨日教えてもらったやつ、全然つかっていないじゃん
「そして、一撃を耐えたことはよかったな」
腕でガードしたら、ボロボロになったけど意識はあった
「...一撃で倒れたほうがいいとは思うけど」
せめて、一撃を食らっても意識が消えないで、動くことができるようにならないと
ずいぶんタフになってしまうけど
「頑張りたくはないけど、ここは...」
なれるしかない
体が震えて、怖がっている
でも、やらないと
「そして、気になる点があるな」
2個くらいだ
一つは、アスカの様子だ
「何かに気づいた...それで怖がっていたような」
最初に盗賊だと知ったときは何も変わっていなかったのに
先輩を見て様子が変わった...
「何かあるな、こりゃ」
そして、最後のおかしいことは
「...腕、痛くない」
全然、痛みがない
「...さすがに、これはおかしい」
4時間寝たことはわかっている
でも、それはそれだ
それだけで、治るわけないだろ?
「...少し出るかな」
そういい、僕は地上まで出た
「夕方だと...まだやっているかも」
「...なにか、探しているか?」
「うわああ!」
急に後ろから声が聞こえて、びっくりした
「あ、禿のおっさん」
「誰が禿のおっさんだ!」
ぱあん!
頭に軽く衝撃。
「で、休むって聞いたけど、なんで出た、君は」
「夕方だと思って、夕食でもしようかな、と思って」
「...え...君、金あったっけ」
「その時は、先輩を呼んでなんとか」
禿のおっさんが...いや、ギルドマスターがため息を出す
「ていうか、おじさん、いつもここにいるんですか」
「まあ、一日22時間くらいかな、って、だれがおじさんだ!」
ほぼ一日じゃん
大丈夫かな、このブラックギルド
「こほん、で、ここでご飯はどうだ? ギルドのメンバーだったらもっと安くなるぞ?」
「いや、もともと金がないので、無理です」
「なんで出るんだよお前」
うん、そうだな
「はあ、全く、しょうがないか」
そういい、おじさんは財布をだした
「4000金だ、あとで返せよ」
「...おじさん...!」
「だから誰がおじさんだよお前殺すぞマジで殺すぞ?」
「すみませんイケメンのかっこいいマッチョマンさん!」
「なんじゃそれいやだ」
そんな、どうでもいい話をして、バーをでる
...道を歩いていると、朝と同じ騒がしい雰囲気だった
なのに、違和感があった
「全員、どこかを見ているような」
足元が揺れているような気分もするし
あえて行く必要はないけど、気になる
「さすがに、城の中では危険じゃないよな!」
そう自分を励まして、僕は走った
城の門から、大勢の人たちが入って来ていた
全員が白い馬を持ち、白い鎧、白い剣...
「真っ白なやつらだな」
何をしに来たのかな
「あ、そういや」
ステイタスを見ることをまた忘れていた
「どれどれ...一番まえの人は...?」
...85
「はっ」
笑った
笑ってしまった
言葉そのままの意味として、レベルが違っていた
「...何している? ひとう」
そうやって、騎士団を見ていると
後ろから急に声をかけられて
僕は、本能的に頭と腹を腕でガードした
28.
「...本当、何やっているの」
「この声は...理恵?」
目の前には、理恵 エミが いた




