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12品目 朝飯前というかおやつ前

「やらん。」

完人はそう告げてパフェを一口食べる。


「そんなぁ〜!」

英二は嘆きながら完人の手を掴む。


「離せ!おやつ中に邪魔をするんじゃない!」

完人は英二の手を払いのける。


「ったぁ〜!完人さん馬鹿力なんだから抑えてよぉ………」

英二は涙を流し手を抑えるが、英二の目は未だ完人を捉えていた。


「もう諦めろ。金輪際F.F.Fに関わるつもりはない。」

視線に気づく完人は諭すように声を柔らかかくして言う。


「いやいや、そんな釣れないコト言わないで下さいよ!あなたの力があれば優勝間違いないですから!特に今シーズンは前前回の時の強者も復活しててあちらこちらで強いヤツが群雄割拠してる無法地帯なんですよ?」

英二は手を合わせて力強く訴える。


「だーかーら!F.F.F優勝目指して協力しましょう!ほら……運営だってフードファイター同士の協力を奨励してますし」

「しつこい!」

完人は我慢の限界に達し声を張り上げる。


「そもそもオレがフードファイターになったのはこの星に危機が舞い込んでいたのと、その危機がおやつの意味を軽んじる愚か者であったからだ。F.F.F自体は優勝すれば願いは叶えど結局の所はゲームだ。」

「そ、そんな………」

途方に暮れる英二を置き去りにして完人はパフェを食べ終えるとその場でメモを帳を取り出す。


「えっと、何してるんですか?」

何かを書き始める姿に英二は思わず質問した。

「日課であり収入源でもある。」

「収入源?そういえば完人さんってどんな仕事してるんですか?」


「これが完人さんの記事…………」

英二と完人は書店にいた。


英二は手に持ったスイーツの情報誌「sweets wide」を開く。

「ホントだ!完人さんの記事が載ってる。」

英二が開いたページには完人のスイーツの連載記事が載っていた。


「なんか……すごい色々書いてありますね。」

彼のページにはびっしりと味、見た目、店の雰囲気、店員の対応、などの事柄が事細かに書かれていた。


 

「他の雑誌でも連載を持っている。」

「すごいじゃないですか!」

「別に大それた事はしていない。もともとスイーツを食べたら書いていた。それだけの事だ。メモ帳を落としてしまった際、偶然にも雑誌の編集者が拾い中身を見たらしくてな。それで『是非ウチの雑誌で!』という話になり今に至る。」

「えらく冷静だなぁ………でも、ソレを受けてくれるならなんでF.F.Fはダメなんですか?」



「雑誌の記事というのはあくまでも趣味と実益を兼ねているがフードファイターになった所でそうはいかない。金が稼げるわけでもあるまいし、何よりスイーツを食べる時間が削れる。そのようなくだらない事に時間を割くつもりはない。だから諦めろ。あくまでフードファイターパルフェクトは一回限りの限定だ。」

「でも……」

英二は最後のあがきをするがそれが完人の逆鱗に触れる。


「でもじゃないオレに二言はないこれ以上言わせるな!あ・き・ら・め・ろ!」

完人は英二の頭頂部を鷲掴みにして指に力を込めていく。


「いだだだだだ!!はなじでぇぇええぇ!!もう付き纏いませんがらぁぁあぉぉぉおおおおおお!!!だがら!!ばなじてぇぇぇえあああっ!!!」

英二は唸りながら宣言して手を離すよう懇願する。


「分かればよろしい。」

完人は即座に手を離し英二の元を去る。


「しっ死ぬ……幽霊だけども……マジでヤバい…………」

頭を触りながら英二はその場に崩れ落ちていた。


「そっかぁ……んじゃ1人でやるしかないかぁ。」

英二はブレスに携帯をかざし『F.F.F』アプリを起動した。


(全くしつこい男だった………おやつの味を思い出そうにもヤツの声と顔が脳裏に浮かび雑味が混ざる!)

完人は頭を振り乱し英二もといピッザァーの記憶をかき消そうとする。


「あの完人さん…………」

そんな最中に完人の着ているジャケットの胸ポケットからか細い女性の声が響く。


完人はため息をつき空を数秒見上げたのち

「…………なんだ?」

ひどくぶっきらぼうに答える。


「あんな風にバッサリ切り捨てて………良かったんでしょうか?」

パルフェクトは尋ねる。


「いいんだ。会話内容を聞いていたろう。金輪際フードファイターとして戦う気が無いというオレの気持ちはしっかりと示して体に叩き込んだつもりだが?なんだ?もっとやれば良かったというのか?性格に似合わず好戦的だな。」

完人はパルフェクトのチケットを取り出すとわざと拳を握り込み不的な笑みを浮かべる。


そして近くにあった街路樹の幹をそのまま叩くと青々とした葉は全て地面に散らばってしまいその街路樹だけまるで冬季の出立ちになってしまった。


「そういう事じゃありません!その………わたし実は……そのぉ………」

パルフェクトは反論しようとするが言葉尻が小さくなっていく。


「なんだ?何が言いたい?聞こえないぞ?」

完人が訝しげにパルフェクトのチケットを見る。


「えっ!そっその………わたしは……えっとぉ……!」

パルフェクトはなんとか言い出そうとするが途端にしどろもどろになってしまう。


「どっちにしろ戦士になるつもりはないぞ。お前はオレと一緒にいても棚で埃を被る事になるだけだ……そうだな……フードファイターとしての資格を辞退する事は可能なのだろうか?たしか………これをかざしてぇ……」

完人は『F.F.F』アプリをなんとか起動し画面を睨め付けるように見る。


(あっ完人さんが困ってる………あっあぁ……かわいい………)

パルフェクトは完人をじっと見る。

「ど、どこを見れば良いんだ……?コレか?うん?」


(普段はキッチリカッチリなのに機械を相手にすると途端にあたふたになっちゃう………あぁかわいい……わたしがチケットでなかったら手取り足取り教えてあげられるのに!そして……そのまま完人さんと手が触れて…!)

「うへへへ………」

パルフェクトは完人の姿を見て悦に浸る思いを必死に抑えこもうとするが思わず笑いが込み上げる。


「なんだ?」

「いえいえいえ!なんでも無いですよ!」

(そして瞬時にいつものキリッとした面持ちに戻る!カッコいい!!)

「なら良いが。えーーーっと………何ぃ?」

完人が表情を変える。


「な?なにもしていないのに、勝手にランクマッチ?が成立してしまった………何故?」

完人は頭を抱える。


「クソッ………!これだから機会は苦手なんだ………ぐぬぬぬ………」

完人は嗚咽を漏らす。


「成立してしまった以上は、これやらなくちゃいけない感じですよね?そうですよね?ね?ね?」

不意に横から声色を弾ませたパルフェクトが割り込んでくる。

「おい何故イキイキしている!おのれ……断る方法も分からないから、大変不本意だがやるしか無いのか………!」

完人は画面に表示させる場所に歩き出す。


「ランクマッチ成立だ!」

その頃英二も対戦相手を見つけ出していた。


「アンタか………?」

英二が地図の場所に向かうと堂々と仁王立ちする男をいた。


「へへへ………その口ぶり、お前がピッザァーか。」

「そちらこそ、ホットドッグのフードファイター、ロッドドッグだな。」

2人はチケットを構えながら相手に突っ込んでいく。


「「オーダー!」」

ピッザァーとロッドドッグの戦いが始まる。


「モッツァレラバインド!」

ピッザァーは相手を拘束しようとチーズの紐を発射する。


「ドッグロッド!」

だが相手の持つロッドによって弾かれる。


「この間合いで勝てると思うなよ!」

ロッドドッグはロッドを息つく間も無く突き出していく。


「おっと!」

ピッザァーは連続宙返りでロッドドッグの猛攻からなんと逃れる。


「どうした?避けてばっかじゃねえか!」

(このままじゃ埒が開かない………)

ピッザァーは一枚のスキルチケットを取り出しブレスに装着させる。


「スキル『中盛』!」

スキルが発動した瞬間ピッザァーの体から少しだけ巨大化する。


「マ、マズイ……!」

「こんなもの折ってやる!」

ピッザァーは巨大化した腕で無理矢理ドッグロッドを掴み上げると手刀で叩き折る。


「畜生………ツインソースビーム!」

折れて使い物にならなくなったドッグロッドを投げ捨ててロッドドッグは遠距離攻撃に手段を切り替える。


(いまのサイズならコレくらいの攻撃は勢いでで押し切れる!)

「たあああっ!!!」

ピッザァーの巨体はソース攻撃を物ともしなかった。


「なぁにぃ?クソォ………こうなったらぁ………」

ロッドドッグは苦虫を噛み潰したような声を漏らし一枚のチケットを使用する。


「スキルチケット『おあいそ』だ!じゃあなぁ〜!!」

ロッドドッグはその場から一瞬で姿を消した。


「なんだよおあいそって……そんなスキルチケットあったの?嘘でしょ………」

元のサイズに戻ったピッザァーは腰に手を当ててため息をつく。


そしてロッドドッグが投げ捨てたロッドの破片を一瞥する。

「完全に捨てていってんじゃん。うん?」

ピッザァーは破片を見てある違和感に気づく。


「なんか…………湿ってる?」

ピッザァーは破片のごく僅かな一部分が湿っている事に気がつく。


「なんだコレ………」

ピッザァーは何気なく液体を指で掬い取ろうとすると

ざいこ

「うわアッツ!アッツイ!!」

その液体はピッザァーの指に触れた瞬間指が焼けるように熱くなり、同時に液体も即座に蒸発し消えてなくなる。

「な、なんなんだ一体………?」


「だーかーらー!効かなかったんだよ!塗るだけで強くなるって言ったじゃねえか!」

閑散とした路地裏で怒鳴り声をあげていたのはロッドドッグだった。


()()で勝つどころか、普通に負けそうになって逃げたんだぞ!お陰で…。一枚しかねぇ『おあいそ』チケットも使っちまった。どう責任とってくれんだよ!」

「オレは売るだけだ。その後の事は責任を持たない。そういう契約だった筈だぞ?」

携帯越しの冷酷な声がロッドドッグの訴えを退ける。


「お前のやり方が悪かったんだろうが?」

「そんな事は無い!不良品だったんだよアレが!」

「ふーん………」

通信相手はしばらく考える。


「コイツを見てもそんな事が言えるか?」

通信相手はある動画のリンクを送る。


「なんだよ……って、コレ宇宙人向けのF.F.F生配信のサイトじゃねえか。」

「コイツは()()を使って素晴らしい戦いを行ってるぞ。」

「ホントかぁ?」

ロッドドッグは疑りの目でリンクを開く。


「キャッ!!」

「ぐへへへ、お嬢ちゃんもう終わりか?」

「完人さん無理です!わたしじゃ勝てうっ!」

「ヒャーハッハッハッハ!どうした?降参しても良いんだぞぉ?」

「はっ離してぇ……ああっ!!」

その配信画面ではパルフェクトが焼きとうもろこしのフードファイターに苦戦を強いられていた。


「あっコイツ!オレと一緒に()()を買ってたヤツだ!オレよりもランクは低かったのに……もうあんなランクまで!?」

「ほらな?そいで、なにが不良品だって?まあどっちにしろオレは責任もたねぇんだけどな?」

携帯越しの声はロッドドッグを嘲笑う。


「何だよ……ホントにオレのせいだってのかよ!くっそぉぉぉぉ!!オレのおあいそチケットぉ〜!!」

ロッドドッグは配信を見て唸りだす。


「キャアアッ!!」

パルフェクトは首根っこを掴まれそのまま地面に叩きつけ


「ヒャアステッキなんて使ってる可愛らしいコが来たっと思ったらこんな体たらくだなんてよぉ!」

焼きとうもろこしのフードファイター、コーンガリは笑いながら言うと焼きとうもろこし型の棍棒でパルフェクトの腹を殴りつける。


「アアッ!!アァン!!」

あまりの衝撃にパルフェクトは声を漏らさずにはいられなかった。


「さっきからエロい声で喘ぎすぎだろお前!戦いの最中なのにさぁ!」

コーンガリはやや興奮したような声で笑いながら言う。


そしてコーンガリはパルフェクトを地面に投げつけ棍棒をゴリゴリと押し当てる。

「うあああっ!!」


「完人さん……助けてっ!助け……ああっ!」

パルフェクトは悲痛な声で完人に助けを乞う。


(オイ、そこのお前聞こえているか?)

「あん?どっかから野郎の声が……」

(聞こえているならいい。さっさと終わらせてくれ。降参する。)

完人はコーンガリに降参を呼びかける。


「ホントかよ?誰だか知らないけどホントの本当にいいのかよ?」

(構わない。)

「そんな、完人さん!!なん………でぇ………」

パルフェクトは完全に涙声になっていた。


「そっかぁ………じゃあ戦いが終わったらパフェをテイクアウトしちゃおっかなぁ〜?なんつって!」

コーンガリはトドメの一撃を刺そうとした瞬間


「モッツァレラバインド!」

「うぉっ!!」

コーンガリはモッツァレラにがんじがらめにされる。


「大丈夫パルフェクト?」

ピッザァーはパルフェクトの元に駆け寄る。


「どうして?」

「いやその………舞味姐さん…あのあなたの胸を触ってたあのあの人の計らいでさ………」

ピッザァーは言葉に迷う。


「まぁ話は後で説明するからさ、立ち上がれる?」

ピッザァーの肩を持ってパルフェクトは何とか立ち上がる。


「オイ、なんで配信が止まったんだよ!」

その頃生配信サイトでのパルフェクトとの戦いを写した配信が突如停止した。


「勘づかれたのかもなぁ?運営(あいつら)に。」

「え………?早すぎだろ……大丈夫なのかよ!」

ロッドドッグは心配の声を上げる。

「そう決まった訳じゃねえから騒ぐな。仮にそうだとしてもぼちぼちやってくよ。」


「オイ完人さんよぉ?パルフェクトから話聞いたけど男を見せたあの時のアンタはどこ行ったんだよ!」

パルフェクトに内なる完人にピッザァーは説教する。


(オレは正義のために戦うだけだ。)

完人は動じる事なくそう答える。


「じゃ、じゃあコレを聞いてもそれが言えますか?あのコーンガリってヤツ、フォークントの仲間の侵略宇宙人から貰った違法アイテムを使って戦ってたんですよ!」

(何!?)

完人の声色が変わる。


「曲がった事が嫌いなあなたなら、ほっとけないんじゃないんすか?」

(全く……どいつもコイツも脅しのつもりか!)

完人はため息混じりに声を荒げる。


(少なくとも、運営の人間によって来たという特異な方法でココにいるお前の言う事だから信憑性が高いのだろう。この大会には陰謀がうごめいているのだという事がなんとなく分かった。そして、パルフェクト。)

「はっはい!?」

パルフェクトは不意に呼びかけられ素っ頓狂な声で応じる。


(お前、理由は分からんがオレに戦って欲しいのだろう?お前がスイーツだからこそ、少しは期待に応えようと思った。)

「ホントですか?」

パルフェクトは嬉しさに満ちた声で尋ねる。


(だから変われ。トドメを刺す。)

「はい!」

パルフェクトはステッキをソードモードに変形させる。


「この感触にも慣れなければな………」

(完人さんならイケますよ!)


「ぐあ!」

その頃コーンガリはモッツァレラバインドを自力で解き放つ。


「待てよ?アイツ男だったのか!?」

コーンガリはその場に崩れ落ち頭を抱える。


「全く何を言っているんだ。まぁ手間が省けるな。」

パルフェクト(完人)は剣を構えじっくりと歩み寄る。


「終わりだ。」

パルフェクト(完人)は剣を容赦なく振り下ろす。

クリームを纏いし刃が棍棒ごとコーンガリを吹きとばす。


「うっうぁ!!」

コーンガリはそのままかべに叩きつけられ呻き声を上げる。


「うおおお!!」

だがコーンガリはめげる事なく立ち上がり棍棒を振り回し襲いかかる。


「甘い。」

パルフェクト(完人)は棍棒を片手で受け止めパルフェクトステッキの柄尻で鳩尾を叩く。


「んなっ!?」

動きが止まった隙にパルフェクト(完人)はコーンガリの背中を掴み上げそのまま腹に膝蹴りを数発叩き込み手をいきなり離す。


反動でコーンガリの体が起き上がった所に完人は剣を払い切りかかった。

コーンガリ受け身を取る余裕すらなく斬撃をまともに喰らって倒れてしまう。


(いざとなったら容赦ないドSの鑑!あぁぁたまらない!!)

「今何か言ったか?」

(いえ!)

「なぜ声が弾んでいる……」

完人は会話をしながら立ち上がったコーンガリの攻撃を片手で払いのける。


「あっ…棍棒が……!」

払いのけた際にコーンガリの棍棒は完人の前に転がっていった。


「焼きとうもろこしにしては随分と毒々しい色だな。」

焼きとうもろこしを模した棍棒は緑色に変色していた。


「どうした?ほしいのか?」

完人は棍棒を拾い上げそれでコーンガリに手招きする。


「あっあぁ……」

コーンガリはよたよたの足取りで棍棒に手を伸ばす。


「ならばくれてやろう!」

「ごおあああっ!!」

完人はコーンガリに棍棒を投げつける。

棍棒は彼の顔に当たりそのまま倒れ尽くす。


「トドメだ。」

完人はソードモードのステッキの柄尻のスイッチを押す。

刀身が白く輝き出し、そのまま生クリームが光から溢れ出していく。


「スプラッシュホイップ・エッジ!はあああっ!!!」

完人が剣を振るうとそのまま生クリームがコーンガリを包んでいく。


「うっ動けない……!」

生クリームに体を包まれたコーンガリは身動きがと無くなっていた。


「終わりだ!」

そのまま完人は間合いを詰めコーンガリの体を3度切り裂いた。

刃を薙ぎ払う度に周囲には白い生クリームが血潮の如く飛び散りコーンガリはそのまま倒れ尽くした。


「………勝った言う訳か。」

完人はコーンガリのチケットを受け取った。


────


「戦いの後のスイーツというのも、悪く無い。」

完人と英二はその後、コンビニで買ったプリンを食べていた。


(あの棍棒の緑色の液体、オレが触ったのと同じ奴だよな……)

柔らかいプリンを噛み締めながら英二は考えにふける。


(でも完人さん棍棒にさわってたのに熱がってない………どういう事だ?)

「随分と似合わない顔でプリンを食べているな。」

「ほへ?」

完人に話しかけられ不意に顔を上げる。


「何か考え事か?」

「いやいや、そういうんじゃないですよ。えーと……そういえば!パルフェクトはなんで戦って欲しかったんですか?」

慌ててプリンを口に運びながら英二は話題をすり替える。


「好きなんです。」

「は?」

「英二さんが……………好きなんです!!」

「何ぃ?」


「ゴホッゴフ!ガハッ!ゴヘッ!」

英二はあまりの展開についていけずむせる。


「汚らしい!カスが飛んだらどうする!」

「ごへぇ!!」

完人は英二を殴って黙らせる。


「んで、どういう事だ?」

「えぇ………本人に言うんですかぁ?」

パルフェクトは照れながらもどこか嬉しそうな口調で話し始める。


「まず、そのイケメンじゃないですか?長い黒髪が似合う時点でイケメンですよ!」

「それは個人の感想だな。」


「スイーツを食べている姿も精巧で!」

「ただ普通に食べてるだけだ。」


「デジタル機器に苦戦してる姿も微笑ましい!」

「それはあまり見るな!」


「優しい言葉を投げかける時の表情ったら!」

「そんなに柔らかいか?」


「さっきの戦いの時みたいに突き放すSな感じもまた堪らなくてぇ〜!」

「おい、末尾の言葉がふやけているぞ……?」


「あぁん!今みたいな感じ!そういう容赦無く切り捨ててく時の声!マジで死ぬぅ!」

「………………」

完人は遂に言葉に詰まる。


「ああ言っちゃった!本人の前で……本人の前で言っちゃっったぁ……………ああああああ!!!!!!」

その日一日中パルフェクトは様々な意味で悶えていた。

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