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白井キャプテンの物語  作者: AI(御茶之川)
1/13

トライデント持ってる神様

白井キャプテン「よし!お前ら!トライデントを使ってる神が住んでるところへ行くぞ!」


カムパレル「やめろ!天罰が降るぞ!!やめろー!」


白井キャプテン「問題ない!!神話級存在との接触経験は現在24回!!そのうち爆発は17回だ!!」


カムパレル「“問題ない”の定義どうなってんだよ!!」


ジェントル「ガンダで行くぜぇぇぇぇ!!!⚡」


ネクタイ「……海系の神って、魚パンとかあるかな」


カムパレル「お前はなんで毎回パン経由なんだよ!!」


ネコさん「海の神様なら塩分の摂りすぎに注意にゃ〜」


タルト『補足します。現在向かっている座標は“第九潮流次元・ネプトラ界域”。文明レベル測定不能。神格反応あり。なお帰還成功率は』


カムパレル「言うな」


タルト『4%です』


カムパレル「終わってんだろ!!!!」


宇宙船《オデッセイβ》は、

銀河の裂け目みたいな海を進んでいた。


宇宙なのに波がある。


星なのに潮の匂いがする。


遠くでは巨大なクジラのようなものが、

真空で鳴いていた。


ジェントル「すげぇ!!宇宙がビチャビチャしてる!!」


カムパレル「感想がアホすぎる!!」


白井キャプテンは操縦席に片足を乗せ、

望遠スコープを覗き込む。


白井キャプテン「見えたぞ!!」


その瞬間。


黒い海面が割れた。


ズ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ


惑星サイズの“手”が現れる。


その手には、

恒星くらい巨大な三叉槍。


カムパレル「出たァーーーーーー!!!!」


ネコさん「わぁ、大きいにゃ〜」


ネクタイ「……あれでパン切ったら綺麗に切れそう」


カムパレル「無理だろ!!!!!!」


そして海の底から、

声が響いた。


『──誰だ。我が眠りを乱す愚か者は』


白井キャプテン「白井だ!!!」


カムパレル「名乗るな!!!!」


『……なぜ来た』


白井キャプテン「お前の槍、ちょっと見せてくれ!!!」


沈黙。


宇宙が静まる。


銀河の波が止まる。


タルト『現在、神格存在が絶句しています』


カムパレル「そりゃそうだろ!!!!!」


すると神は低く唸った。


『……貴様、“恐怖”を知らぬのか』


白井キャプテン「知ってるぞ!!」


神『ならばなぜ来た』


白井キャプテン「面白そうだったからだ!!!」


数秒の沈黙。


そして神は、

なぜか少し笑った。


『……変な生物だな、人類』


カムパレル「いやコイツだけだからな!?人類代表にすんなよ!?」


白井キャプテン「人類代表です!」


カムパレル「いやだからちげーよ!!」


白井キャプテン「いいから見せてくれよー、それを使って魚取りたいんだよー、塩かけて一緒に食おうぜ?」


神『…………魚?』


銀河が静止した。


恒星の光まで「今なんて言った?」みたいな空気になる。


カムパレル「終わった……オレたち神話に失礼すぎて消される……」


ネコさん「お魚は体にいいにゃ〜」


ネクタイ「焼き魚パン……アリかもしれない……」


ジェントル「ガンダで釣り行くぜ!!!」


カムパレル「お前ら空気読め!!」


巨大な神は、

惑星ほどある顔をゆっくり近づけた。


三叉槍の先端から、

青白い雷が宇宙に散る。


神『……この槍は、“海そのもの”を支配する神器だ』


白井キャプテン「うん」


神『文明を沈め、大陸を裂き、神々の戦争を終わらせた』


白井キャプテン「で、魚どれくらい獲れる?」


カムパレル「話を聞けェーーーーー!!!」


タルト『分析結果。“会話”が成立していません』


神の額に、

ピキッと血管みたいな稲妻が走る。


神『人類よ……貴様は我を愚弄しているのか?』


白井キャプテン「違う違う!純粋に興味があるだけ!」


神『…………』


白井キャプテン「あと腹減ってる!」


神『………………』


ネコさん「キャプテンはお腹が空くとIQが3になるにゃ」


カムパレル「普段も5くらいだろ!!」


すると神は、

ゆっくり槍を掲げた。


宇宙全体が海みたいに波打つ。


銀河が渦を巻き、

恒星が潮流に流され始める。


タルト『警告。神格級エネルギー反応。空間圧縮開始』


カムパレル「だから言ったァーーーーー!!!」


ジェントル「逃げるか!?ガンダか!?ガンダだな!?!?」


ネクタイ「……魚焼くなら弱火がいい」


カムパレル「今その情報いらねぇ!!」


神は低く呟いた。


『……そこまで言うなら試してみるか、人類』


白井キャプテン「おっ!!貸してくれるのか!?」


神『一匹でも獲れればな』


次の瞬間。


ズ ゴ ン !!!!


三叉槍が宇宙へ突き刺さる。


すると銀河の海から、

“魚”が現れた。


いや、魚ではない。


星雲を喰っている。


ブラックホールをエラ呼吸している。


目玉が月くらいある。


タルト『分類不能。“宇宙深海古代魚類・グラン=メギド”』


カムパレル「デカすぎるだろ!!!!」


神『さあ獲れ、人類』


白井キャプテン「よぉぉぉし!!!」


ジェントル「ガンダで行くぜぇぇぇぇぇ!!!⚡」


ネクタイ「タルタルソース欲しい……」


カムパレル「そのサイズの魚にタルタルとか誤差だろ!!!」


“宇宙深海古代魚類・グラン=メギド”は、

銀河を丸呑みするみたいに口を開いた。


ゴ ォ ォ ォ ォ……


吸引。


近くの小惑星群が、

ポップコーンみたいに吸い込まれていく。


カムパレル「無理無理無理無理!!!あれ魚じゃねぇ!!!災害だろ!!!」


白井キャプテン「でっけぇぇぇぇ!!!✨」


神『逃げてもよいぞ、人類』


白井キャプテン「逃げる?なんで?」


カムパレル「その疑問符が一番怖ぇんだよ!!」


ジェントルは既に船の扉を開けていた。


ジェントル「ガンダで行くぜぇぇぇ!!!」


カムパレル「待て待て待て!!宇宙空間だぞ!?」


ジェントル「気合い!!!」


タルト『補足。ジェントルは前回、“気合い”のみで三分間真空活動しています』


カムパレル「前回があるのかよ!!!」


ジェントル、発進。


ド ゴ ン !!


蹴った瞬間、

船が後ろに吹っ飛ぶ。


白井キャプテン「おお〜、今日の加速は過去最高だな!」


タルト『船体が悲鳴を上げています』


宇宙を一直線に駆けるジェントル。


速い。


というか、

速すぎて途中から赤い稲妻になっている。


グラン=メギドの巨大な目玉が、

ゆっくりジェントルを捉えた。


ジェントル「釣りってどうやるんだーーーーー!!!」


カムパレル「知らねぇのかよ!!!!」


その瞬間。


グラン=メギドが咆哮した。


ギュォォォォォォォォン!!!!


音で恒星が割れる。


衝撃波で宇宙がめくれ上がる。


ジェントル「うおおおおおお!?」


吹っ飛ばされるジェントル。


白井キャプテン「よし!次だ!」


カムパレル「作戦とかねぇのか!?」


白井キャプテン「あるぞ!!」


カムパレル「マジで!?」


白井キャプテン「ネクタイ!!」


ネクタイ「……ん」


白井キャプテン「パン投げろ!!!」


カムパレル「終わった!!!!」


しかしネクタイは、

初めて少し真面目な顔になった。


ネクタイ「……タルト、厨房3番の冷凍庫開けて」


タルト『了解。“超銀河発酵生地”を解凍します』


カムパレル「なんでそんなもの積んでんだよ!!」


ネクタイは、

巨大なパン生地を抱え、

静かにナイフを抜いた。


ス……


宇宙が静まる。


神『……ほう』


白井キャプテン「来たな。“パン職人モード”だ」


カムパレル「何その最終形態みたいな言い方」


ネクタイ「……パンは、生き物を幸せにする」


次の瞬間。


シュババババババババッ!!!!


神速。


パン生地が、

惑星サイズの魚そっくりに削られていく。


カムパレル「速ぇぇぇぇぇぇぇ!?」


タルト『観測不能速度。なお本人はやる気ゼロです』


完成した。


“超巨大宇宙メロンパン”。


しかもほんのり光ってる。


グラン=メギド、

止まる。


巨大な鼻が、

メロンパンへ近づく。


ク ン ク ン……


カムパレル「えっ」


グラン=メギド『……美味そう』


カムパレル「喋ったァーーーーーー!?!?!?」


グラン=メギドは、

惑星サイズの瞳をうるうるさせながら、

巨大メロンパンを見つめていた。


神『……食うのか、貴様』


グラン=メギド『うむ……』


白井キャプテン「よし!食え!!」


カムパレル「なんでお前が許可出してんだよ!!」


グラン=メギドは、

そっとメロンパンを咥えた。


……ぱく。


沈黙。


宇宙が静まり返る。


次の瞬間。


グラン=メギド『────────うまい。』


ド ゴ ォ ォ ォ ォ ン!!!!


感情エネルギーが爆発。


喜びで銀河が揺れる。


遠くの星々が、

なんかちょっと明るくなる。


タルト『観測。“幸福波動”が宇宙規模で拡散しています』


カムパレル「パンで世界救うな!!!!」


グラン=メギドは、

目を細めた。


さっきまでの“宇宙災害”みたいな威圧感が、

今は大型犬くらいになっている。


グラン=メギド『もっとあるか』


ネクタイ「……ある」


白井キャプテン「交渉成立だな!」


神『成立してたまるか』


神は額を押さえていた。


どうやら頭痛がするらしい。


神『我は試練として貴様らを呼んだのだぞ』


白井キャプテン「うん」


神『なぜパン会になる』


白井キャプテン「腹減ってたから」


神『シンプルすぎる……』


その時だった。


タルト『警告。後方空間に超高密度反応』


カムパレル「今度はなんだよ!?」


宇宙の海が割れる。


その裂け目から、

巨大な影が浮上した。


黒い王冠。


黒い潮。


そして、

数百本の三叉槍。


神『……ッ!?』


白井キャプテン「知り合い?」


神が初めて、

明確に焦った。


神『まずい……』


カムパレル「神が“まずい”って言うなよ!!」


黒い巨神が低く笑う。


???『見つけたぞ、“海神ネプトラ”。』


宇宙が凍る。


グラン=メギドが震え始める。


ネコさん「ありゃ、大変そうにゃ」


タルト『対象を解析。“深淵王アビス・レヴィア”』


カムパレル「名前からしてラスボスだろ!!!」


アビス・レヴィアは、

無数の目を白井キャプテンたちへ向けた。


『……人類?』


白井キャプテン「人類代表です!」


カムパレル「違うって言ってんだろ!!!!」


アビス・レヴィア『なぜ貴様らがここにいる』


白井キャプテン「魚釣り!」


アビス・レヴィア『…………』


神ネプトラ『…………』


タルト『現在、“深淵王”が理解を放棄しています』


ジェントル「ガンダで殴るか!?!?」


カムパレル「お前はもう少し段階を踏め!!!」


アビス・レヴィアの無数の目が、

ゆっくりジェントルへ向いた。


『……今、“殴る”と言ったか?』


ジェントル「言った!!!✨」


カムパレル「キラキラすんな!!」


深淵王の周囲で、

黒い海が渦を巻く。


その海の中には、

沈んだ文明が浮かんでいた。


城。


宇宙艦隊。


神殿。


全部、

呑まれている。


アビス・レヴィア『我は深淵。全てを沈める者』


白井キャプテン「すげぇ!」


カムパレル「感心してる場合か!!」


アビス・レヴィア『神も文明も星も、いずれ我に沈む』


ネクタイ「……パンも?」


アビス・レヴィア『パンもだ』


ネクタイ「…………」


空気が変わった。


カムパレル「えっ」


ネコさん「にゃ?」


タルト『観測。ネクタイの感情値が通常の2300%に上昇』


白井キャプテン「まずいな」


カムパレル「何が!?」


白井キャプテン「ネクタイが“やる気”だ」


ネクタイは、

静かに立ち上がった。


いつもの半目。


いつもの気怠そうな顔。


でも、

ナイフだけが違った。


黒い刃が、

宇宙の光を吸い込んでいる。


ネクタイ「……パンを沈める奴は」


ス……


ナイフを構える。


ネクタイ「嫌い」


カムパレル「理由が小学生なんだよ!!」


次の瞬間。


消えた。


いや、

速すぎて見えなかった。


アビス・レヴィアの瞳が揺れる。


『な──』


ザ ン !!


黒い王冠が斬れていた。


宇宙が静止する。


カムパレル「え?」


神ネプトラ『…………今、何をした』


タルト『解析不能。“やる気1%状態のネクタイ”を確認』


白井キャプテン「まだ1%かぁ」


カムパレル「フルパワーあんのかよ!!」


アビス・レヴィアは、

切断された王冠を見つめた。


黒い海がざわめく。


『……人類』


白井キャプテン「はい!」


『なぜパンの話からこうなる』


白井キャプテン「勢い!」


カムパレル「勢いで宇宙壊すな!!」


すると突然、

グラン=メギドが前に出た。


巨大メロンパンを咥えたまま。


グラン=メギド『……争いは、よくない』


カムパレル「お前さっきまで宇宙食ってただろ!!」


グラン=メギド『パンを食べると、優しくなれる』


ネクタイ「……わかる」


アビス・レヴィア『何なんだ貴様らは!?』


その瞬間。


白井キャプテンが、

突然ポンと手を打った。


白井キャプテン「そうだ!!!」


カムパレル「嫌な予感しかしねぇ!!」


白井キャプテン「パン大会をしよう!!!」


宇宙が静まった。


神ネプトラ『……は?』


アビス・レヴィア『……は?』


タルト『なおキャプテンは本気です』


カムパレル「知ってるよ!!!!!」


白井キャプテン「宇宙に必要なのは戦争じゃない!!パンだ!!!」


カムパレル「急に文明論みたいに言うな!!」


アビス・レヴィア『……くだらん』


だがその声には、

さっきまでの殺気が少しだけ薄れていた。


グラン=メギドは、

巨大メロンパンをもぐもぐ食べながら頷く。


グラン=メギド『でも、美味いぞ』


神ネプトラ『お前は黙っておれ』


ネクタイ「……パンには可能性がある」


カムパレル「お前が言うと妙に説得力あるな……」


白井キャプテンは、

ビシッと宇宙を指差した。


白井キャプテン「ルールは簡単!!一番うまいパンを作った奴が優勝!!!」


ジェントル「ガンダで焼くぜぇぇぇ!!!」


タルト『それはただの高火力です』


ネコさん「焦げそうにゃ〜」


アビス・レヴィアの無数の目が細くなる。


『……我にパンを作れと?』


白井キャプテン「できねぇの?」


沈黙。


神ネプトラ「挑発するな」


アビス・レヴィア『……できる』


カムパレル「乗るなよ!!!!!」


その瞬間、

深淵王の背後に巨大な黒い厨房が展開した。


宇宙規模。


惑星がオーブンになっている。


カムパレル「スケールがおかしいんだよ!!」


神ネプトラも負けじと三叉槍を掲げる。


海流が渦を巻き、

塩と水で巨大な発酵空間を作り始めた。


神ネプトラ『海神の製パン術、見せてやろう』


カムパレル「なんであるんだよそんな文化!!」


白井キャプテン「よぉぉぉし!!盛り上がってきた!!!」


タルト『なお銀河連盟から“何をしているのか説明しろ”という通信が52件来ています』


白井キャプテン「後で返す!」


カムパレル「返せる内容じゃねぇだろ!!」


数時間後。


宇宙には、

異様な光景が広がっていた。


・恒星でパンを焼く海神

・深淵の闇でクロワッサンを層状生成する深淵王

・超高速回転で生地を捏ねるジェントル

・やる気ゼロのまま神速で成形するネクタイ

・栄養バランスを監修するネコさん

・実況を始めるタルト


タルト『第1回・銀河パン祭り、開幕です』


カムパレル「誰か止めろよこの世界!!!!」


タルト『エントリーNo.1。海神ネプトラ作。“超潮流ソルトバゲット”』


ド ン !!


惑星サイズのバゲットが出現した。


表面には波が走り、

切った瞬間、

断面から青い海が見える。


カムパレル「パンから海出てんだけど!?」


ネコさん「塩加減が綺麗にゃ〜」


白井キャプテン「うまそぉぉぉ!!」


アビス・レヴィア『ふん……』


無数の腕が広がる。


『エントリーNo.2。“深淵層クロワッサン”』


ザ ァ ァ ァ……


闇が折り重なる。


千層。


万層。


クロワッサンの層が、

宇宙の光を反射して銀河みたいに輝いている。


カムパレル「なんでパンの作画だけ本気なんだよ!!」


タルト『なお香り成分で近隣文明が集まり始めています』


遠くから宇宙船が集まり始める。


「何だあれ!?」

「パンだ!!」

「神が焼いてるぞ!!」


銀河がざわつく。


ジェントル「負けねぇぇぇぇぇ!!!」


超高速回転。


ジェントルが走る。


速すぎる。


生地が竜巻になる。


タルト『ジェントル、時速マッハ284000で捏ねています』


カムパレル「パンに使う速度じゃねぇ!!」


完成。


ジェントル「“ガンダッシュ食パン”だぁぁぁ!!!」


食パンなのに、

ずっと小刻みに震えている。


ネコさん「逃げそうにゃ」


実際、

逃げた。


カムパレル「走るなパン!!!!」


宇宙空間を高速移動する食パン。


それをジェントルが追う。


ジェントル「待てぇぇぇぇ!!」


カムパレル「何この地獄絵図!?」


その横で、

ネクタイだけは静かだった。


ネクタイ「……焼き上がった」


全員が振り向く。


そこには、

小さな丸パンが一個だけ。


地味。


普通。


神々の超巨大パンと比べたら、

拍子抜けするほど普通。


白井キャプテン「おっ、シンプル!」


アビス・レヴィア『……それだけか?』


ネクタイ「……うん」


カムパレル「いやもっと頑張れよ!!」


すると。


グラン=メギドが、

その丸パンを食べた。


ぱく。


沈黙。


次の瞬間。


ボロボロボロッ……


グラン=メギドが泣き始めた。


カムパレル「ええぇぇぇぇ!?」


グラン=メギド『……あったかい……』


宇宙が静まる。


ネクタイ「……焼きたてだから」


グラン=メギド『……母を思い出した……』


神ネプトラ『魚類にも母性概念あるのか』


アビス・レヴィア『というか泣くのか貴様』


グラン=メギド『うぅ……』


涙が流れる。


その涙で、

荒れていた宇宙の海が穏やかになっていく。


タルト『観測。空間安定率が急上昇』


ネコさん「優しいパンにゃ〜」


白井キャプテン「よぉぉぉし!!優勝はネクタイだ!!!」


ジェントル「ガンダで納得!!!✨」


アビス・レヴィア『待て』


深淵王が、

ゆっくり前に出る。


黒い瞳が、

ネクタイを見つめていた。


『……そのパン』


ネクタイ「?」


『……レシピを教えろ』


カムパレル「深淵王が弟子入りしたァーーーーー!!!!」


深淵王アビス・レヴィアは、

ネクタイからパンを受け取る。


黒い巨体が、

小さな丸パンを見つめる。


『……こんな小さなもので』


ネクタイ「……でも腹は減ってたろ」


沈黙。


そして深淵王は、

静かにパンを食べた。


ぱく。


宇宙の海が止まる。


荒れていた潮流が静まり、

崩壊しかけていた次元の裂け目が、

ゆっくり閉じていく。


タルト『観測。全宙域の敵対反応が消失』


神ネプトラ『……馬鹿な』


グラン=メギド『パンはすごい』


カムパレル「本当にパンで解決しやがった……」


深淵王は、

長い沈黙のあと呟く。


『……争っていたのが、少し馬鹿らしくなった』


白井キャプテン「だろ!?」


『……だが貴様らは理解不能だ』


白井キャプテン「よく言われる!」


カムパレル「誇るな!!」


そして白井キャプテンは、

操縦席へ戻る。


白井キャプテン「よぉぉぉし!!次の星行くぞぉぉぉ!!!」


カムパレル「休ませろ!!!!!」


ジェントル「ガンダで出発だぁぁぁ!!!」


ネコさん「シートベルトするにゃ〜」


タルト『次の目的地。“時間がラーメンで動く星”』


カムパレル「嫌な予感しかしねぇ!!!!」


ネクタイ「……パンあるかな」


宇宙船《オデッセイβ》は、

笑い声と悲鳴を乗せながら、

次の銀河へ消えていった。


その後、

銀河史にはこう記された。


“深淵戦争終結の理由:不明”

“ただし現場から大量のパンくずを確認”


完。


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