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いつもダンジョンに居ます  作者: ねむねむぴよ
第一部 一章 墓守始めました
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29話

 「まだ、耳鳴りがする」

 セルジオは、レェブラーシカの大声に頭を振りながら中断した埋葬途中の塚に向かおうとしていた。

 そんな所、ジードが食料を提げて顔を出してくれた。


 「おう! セルジオ聞いたぞ、何でも家を新築するんだってな?」


 「新築? 改築するんだが・・・・聞き間違いじゃないか?」


 「あれ? 村長は新築っていってたし、さっきニーニャさんも建替えって言ってたぞ?」


 「あ、何だかそんな事を言ってた気もする。

 ジードは、やっぱり新築の方が儲かるよな?」


 「あぁ、家の親父も久々のまとまった実入りに成りそうだって、張り切ってたぞ!」


 「そっか、じゃそのまま進めても文句はないよ。

 正直、建物のことも費用のこともよく分からんから、村長に聞いて貰えると助かる。

 じゃ、任せたよ」

 「おう、任された!」


 と、立ち去ろうとするセルジオを引き止める。

 「で、さっきの女性の声は客か?」


 「え? あ、あぁ・・・・」

 「美人か?」

 「ま、まぁまぁ美人? っていうより可愛い? 幼い? けど年上?」

 「む、胸は大きかったか?」


 「そこまで気が回らなかったなぁ、有ったような無かったような・・・・」

 「ど、どんな人だ?」

 やたらと食いついてくるジード。


 「あぁ、ニーニャさんの乳母をしてたって人だよ。 すごく若く見えるから、見たら驚くぞ?

 こっちに来てニーニャの面倒を見るらしいから、村には、しばらく居るんじゃないか?」


 「若く見える、お姉さまかぁ。 うんうん、良いよそれ!

 で、まだ部屋にいるんだろ?

 ちょっとご尊顔そんがんを拝見してくるわ!」


 「じゃ、俺はまだ続きがあるから それじゃまた」

 スキップしながらセルジオの家に向かうジードの背に声を掛け

 再び塚へと戻っていった。



 ・・・・


 ダンジョンの中、カンテラの火が揺れる。


 手前の散乱していた遺体も大分片付き、次第に奥に向かって回収を進めて行くことになる。

 足元を確保する為、壁沿いに回収して居たが、遺体の絨毯の中、先に大きな岩が見え始めた。


 興味本位で調べてみると、どうもゴーレムの残骸らしく、腕や足、頭などがなんとなく人型を模している。


 胴体らしき部位は腕が回らないほどの大きさで、手で押したくらいではビクともしない。


 「これ、退けられるのかなぁ?」

 たぶん下敷きに成っている遺体もあるだろうが、農耕馬ほど有る岩を動かせるとは思えない。


 試しに、石の鋤に引っ掛ける。


 ゴロゴロ・・・・面白いほど簡単に動く。


 回収作業の邪魔にならない隅に動かし、その他も部位も避けてゆく。


 「胴体は無理だけど、頭ぐらいは持って帰れそうだな」


 遺品以外のお土産なら、ニーニャさんが喜びそうだと考え、今日の埋葬が終えた後に試しに持って帰ろうと考えるセルジオだった。 

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