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これにて冒険者編終了です
間に一話挟んで学園編の予定
「かんぱ~い」
予定どうり入学準備で王都に帰ることになるので貯めたお金でパーティーを開いてます。
どうせ王都に戻っても使うあてもないし、学園に入れば更に使うことがないためパーッと使っちゃいました。
「しかしおじさん遅いですねー
予定ではもう戻って来ると思ったんですが……」
「死にはしないだろ、なんせダンジョンの調査だし。
ヤツの等級までは知らないが一応高位の冒険者だし、たぶん道にでも迷ってるんじゃねえの?」
「そうそうあのおっさん冒険者長くやってるからそう簡単には死なないって」
参加予定のおじさんがなかなかこないので心配してると周りの冒険者の方々か声をかけてきます。
確かに心配は心配なのですがどちらかというと……
「お土産期待して待ってろって言ったのに」
「「「…………そっちかよ!!」」」
「わっ!? 急に大声出さないでくださいよ。ビックリするじゃないですか」
「さすが『鬼畜』だわ、命の心配なんてこれっぽっちもしちゃいねえ」
「前人未到の……いや、『変人魔導』と呼ばれてるだけあって考えも変わってるってか」
「や、止めてくださいよその二つ名。『期待の新人』だけですよ、わたしが認めてるのは」
「『食欲魔神』はどーすんだ?」
うぅぅ。どれも言われたくない二つ名ばかりです。
いいじゃないですか家の監視もない場所でちょっとくらいハメを外しても。
誰にも迷惑かけて……いえ、一部かけてますけど……とにかく自由に遊んでもいいじゃないですか。
学校に行ったら勉強漬け、卒業と同時に王妃になってお城住まいの外出なし、自由にできる時間なんて今くらい……って、あれ?なんか今違和感が?
まぁ些細なことでしょうから置いといて、自由にやりすぎた結果が二つ名だよ……。
やっぱりやりすぎましたかねー。
でも美味しい物探しや魔法の開発は止めがたいものでして後悔はしていない……と、思う。
開発といえばかなり珍しい物を作り上げてマールさんに注意された。
毒味用に作った魔法なのだが精密に作りすぎてしまったようであまり人目のある所で使わないようにと言われてしまった。
対マタンゴ用に作った物で魔石をコア兼記憶装置にし、その周りに魔力で編んだ骨と肉や内臓神経を付ける。これを複数体組み上げる、そしてリーダーに魔法維持用の魔石を持たせれば完成である。
複数体に分けたのは部位毎に毒の有無を確認するためと幻覚系の毒の状態を確かめるためでコイツらの感覚の一部はつながっている。
ただここまですごい魔法を作っても結局食用可能なマタンゴは居なかったんだよねー。
試食させてるのもギルドでやったもんだから最初の試食で毒に当たった個体が血を吐いて倒れるせいで、周りどん引きな上次の個体がなかなか試食しない。
命令して無理矢理食べさせたけどね。そのために作った魔法だったし。
このせいで『鬼畜』の二つ名がつきました。
「ふーっ、疲れたー」
このギルドで知り合った人と別れを惜しみながら話していると、ようやくおじさんが帰ってきた。
「あ、遅かったですね。なにしてたんですか?」
「いやー土産にする物がなかなかドロップしなくてな、何度もダンジョンの中を行ったり来たりしてたんだ。
で、何度目か忘れたがようやくボスがドロップしてな、ついさっき帰ってこれたんよ」
そう言って渡してくれたのはショートソードでした。
鞘の外から見た分は普通、ちょっと抜いて見るも刀身が少し綺麗なくらいで普通。
ドコにでもありそうなショートソードです。
「……店売り?」
「おいおい、よく見ろって……って、お嬢は鑑定系のスキル持ってなかったっけ。
そいつは魔法剣ってやつだ、魔法の効果が付いた特殊武器だよ。
ちなみにココだけの話しダンジョンは上位冒険者の中でもって更に上の奴向けでお嬢は入れないからな。コレ聴いてる奴も勝手に行かない事」
ほうほうコレが魔法剣……って、なんて物お土産にしてるんですか!?
噂じゃ効果によっては小さいながらも家が買えるほどの価値があるとか!
太っ腹、おじさん太っ腹です。
「……なぜ俺のハラを見てるんだ?
とにかく効果を説明するぞ。その剣の効果は『魔法切り』つってな文字通り魔法が切れる。
ダンジョンの帰りに試したんだが魔物からの魔法を斬り捨てれた。でもって切った魔法は四散した」
詳しく聴くとメイジ系の魔物の魔法を切り捨てながら近づき、魔物が張ったシールド系の魔法ごと切り捨てたとか。
って、あれ? 魔法を切る? 攻撃・防御関係なく? それってつまり……
「あぁぁぁ!? 計画倒れだあああ!!」
「おわっ?! 何だよ急に大きな声出すなよ」
プロローグでも書いてますが王家の宝剣は魔法剣の一種です
主人公もお土産受け取るまで忘れてました
って今見直したら魔法剣とか書いてないし……
後で修正しときますね




