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(雀豪戦記・現代編)MJ-1 雀武帝杯  作者: ヒルキ 将


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第五話「春の乗り換え割り引き」

「(へへっ。もうじきこの女は俺のものだ・・・)」剛志は勝手な妄想を抱いていた。

『目の前に男が二人いる。俺の方が強い。部長よりも強い。この部の代表よりも強い。元来、女と言うものは強い方に(なび)くものだ。だから、この女は俺のものになるはずだ! ならないでどうする! 女の本能を捨てるのか? そんなことはない! 在り得ない!』と言うフローチャートが出来上がっていた。

「(麻雀を覚えて一日も経っていないのに、覚醒してしまった。一緒に街なかを歩いて、偶然を装い体を()り寄せる。胸や尻にあたっても合法的に許される関係になれるのだ! 麻雀で頑張らない筈がない。持って来い! 宝石の塊を! 捨ててしまえ! 目障りな石ころを! 欲しいのは、パイという発音の俺に妄想を抱かせてくれる柔らかい温もりだけだ! 忍の(かぐわ)しい匂いの中で安らぐのだ!)」妄想は止まらなかった。そして、豪快に鼻血を出した。

「ぶっわっ!」

「(うげっ! コイツ、また鼻血出したぞ!)」

「(コイツ、何を考えているのかしら? キモイ・・・)」二人とも、ドン引きした。

(わり)ぃ、(わり)ぃ。ゴメンナサイ・・・」テーブルを散々汚したのに、それほど悪いとは思っていなかった。


「それでは、麻雀の入り口に入ろう。簡単な『接待戦』ルールだ」

『初心者歓迎企画・接待戦ルール』【通称:ネギ麻雀】

[+1ポイント付くもの] 和了、ドラ(1つにつき)、両面待ち、一発、裏ドラ(1つにつき)、親であること

[+2ポイント付くもの] 面前自摸、立直、役牌、平和、断么九、三面待ち以上

[+3ポイント付くもの] 対々和、混一色、七対子、鳴いた三色、鳴いた一気通貫、二翻までの何かしらの手役

[+5ポイント付くもの] 面前三色同順、面前一気通貫、三翻以上の手役

[-1ポイントの減点要因] 錯和(チョンボ)二回、悪口、放屁(おなら)邪魔矻(じゃまポン)、マナー違反

[-2ポイントの減点要因] 鼻血などの麻雀継続が困難になる場合


「なるほど。和了すればいい簡単なルールですね」

「これでしばらく慣れてもらうのが、ウチのサークルの新入生歓迎企画だ」

「初心者は、遠慮なく和了ってね。剛志くん、強そうだから期待してるわ!」忍は、(そそのか)してみた。

「おう! (へへっ。色目を使いやがって、カワイイじゃねぇか!)」剛志は単純な男だった。


【1局目】東1局  ドラ:2

 親:小沢   南:忍    西:剛志

239②⑤⑥⑧⑨一三南西北白  →北

「(腐ってるな~。死んでおこう・・・)」小沢は、和了を諦めた。

3489①①⑥⑧⑨ニ三六七東 東→➈

「う~ん・・・」忍は長考の末、➈を切った。

「ゆっくりでい~よ~。ずっと、待ってるよん」剛志は、忍を()めまわすように見ていた。忍は悪寒が走った。剛志の視線は、小沢から見ても気持ち悪かった。

「(コイツ、忍のペースに(はま)ってるな~・・・)」

小沢は、「忍がナゼこのサークルにいるのか?」という忍の狙いに気付いていたが、冷静な自分もいた。しかし、スキがあれば突撃する覚悟でいた。だから、剛志の存在は、正直なところ邪魔だった。

22345①②七八九發發發 自摸:③

「え? 和了っちまったけど、これでいいの?」

「! 地和じゃねぇか! 地和(+5)、面前自摸(+2)、ドラ2(+2)、役牌(+1)∔10ポイントだ!」

「何をやっても、上手くいくね~」剛志は勝ち誇った。

「? (もしかして、コイツ強い?)」少しずつ、忍が剛志を見る目が変わって来た。忍は、恭次郎と龍之介と小沢を天秤にかけていた。一輝は自分に振り向いてくれそうになかった。吉太郎は鈍感なので、自分の魅力が伝わらないと思っていた。そこに、ちょうどいいカンフル剤が現れた。

「(これで、コイツを利用すれば全員が自分を奪い合うことになるはずだ!)」という、新しい楽しみが出来るのだ。春から楽しいサークル活動になりそうだった。


【3局目】東3局  ドラ:東

234②③④⑤⑥ニ三四四四 自摸:⑦

「自摸っちまったわ。」

「和了(+1)、面前自摸(+2)、平和(+2)、断么九(+2)、三面待ち以上(+2)、+9ポイントだな」小沢が言った。

「せんぱ~い。三色忘れてますよ~。さらに+5ポイントです」

「あぁっ、そうだったな。合計+14ポイントだ」

「へへっ。セコイですね~。親であるので+1ポイントです」

「あぁっ、忘れてたわ・・・」小沢は脂汗を流し始めた。剛志に念入りに喰われ始めていた。

「まぁ、許しますよ。俺は寛大なんで。へへっ」チラッと忍を見た。

「うふっ。剛志君って、強いのねぇ~」少し色目を使い始めた。小沢に見えるように、剛志に愛嬌を振りまいた。

「(ふふっ、落ちたわ)」剛志も、忍の形に(はま)りだした。

「(くぉんの、がきゃー! よりによって忍の前で!)」

「(へへっ。勝った。コイツは落ちた。これから何度やっても俺の勝ちだ! 嫌がらせは念入りに!)」剛志の不幸は、四人打ちの麻雀をまだ体験したことがなかったことだった。


質問:あなたならば、どうしますか?

 ①:色を取る

 ②:勝負を取る

 ③:両方取る

 ④:取れる方を取る

 ⑤:その他(違う女性を狙う等・・・)

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