第十話「撃破戦③名誉珈琲大臣」
剛志【3-4】 進一郎【4-4】 忍【0-3】 龍之介【0-2】 小沢【2-2】恭次郎【0-3】 吉太郎【5-0】 一輝【4-0】
進一郎が三抜けを決めた。進一郎の代わりに小沢が卓についた。剛志の代わりに龍之介が卓についた。
南四局 親:忍 ドラ:⑥
親:忍 南:小沢 西:龍之介 北:恭次郎
「(この局での、忍の勝ち抜けはない! 龍之介も同様! 小沢の和了さえ気をつければ良い! 簡単だ!)」恭次郎の戦略がまとまった。
「(小沢は、こだわりが強く速度に欠けるところがある。つけ入るのは、そこだ!)」
恭次郎:三四伍伍六七3468⑥⑦⑧ 3→4
恭次郎:三四伍伍六七3368⑥⑦⑧ 八→伍
「立直!」宣言と同時に、メンツを威圧した。忍から出ても和了るつもりだった。麻雀で叩きのめして、自分の魅力を伝えるつもりでいた。しかし、忍は現物しか切らなかった。
「危ない橋は、渡れないわー」恭次郎の捨て牌にあわせていた。
小沢は、微妙な手牌だった。
小沢: 一二七八九12899⑦⑧⑨
「(純全帯么九に、こだわる必要はない! しかし、この手牌は美しい。和了りって、俺の魅力を忍に伝えたいものだ!)」1を自模って、9を切り、7を自模って2を切った。
小沢: 一二七八九11789⑦⑧⑨
「(これでいい。悔いはない!)」手役を作ることに大きな意味がないこの対局で、形を優先してしまった。
「(七八九1127899⑦⑧⑨でも、良かったんじゃないか・・・)」一輝は思った。
龍之介は、防戦一方だった。
龍之介:七八九24667③④⑥白白 北→4
龍之介:七八九2667③④⑥白白北 ⑦→7
「ロン! 面前断么九三色(メン タン さんしょく)!」
「ぐぅわ!」龍之介が撃沈した。
「これは、立直の方が出るからな!」恭次郎は満足気だった。
剛志【3-4】 進一郎【4-4】 忍【0-3】 龍之介【0-4】 小沢【2-2】恭次郎【2-3】 吉太郎【5-0】 一輝【4-0】
「少し、休んどきな!」剛志が龍之介の代わりに卓についた。
「次は、お前の番だ! (抜け番の方だがな・・・)」龍之介が言い返した。
西一局 親:小沢 ドラ:七
親:小沢 南:剛志 西:恭次郎 北:忍
「矻!」
「吃」
「吃」
「おい、おい、本気かよ?」小沢が剛志に聞いた。
「え? 何が?」剛志は意味が分からなかった。
恭次郎:四伍伍六七 矻(白)白白 吃(七)八九 吃(三)一二 打伍
「それ見ろ! 余って萬子が出てきちゃったじゃないか!」小沢が指摘した。
「しゃーねーじゃん。俺も聴牌ったもん」
剛志: 二三三四2345③④⑤⑧⑧ 7→三
剛志: 二三四23457③④⑤⑧⑧ 伍→2
剛志: 二三四伍3457③④⑤⑧⑧ 四→7
剛志: 二三四四伍345③④⑤⑧⑧
「(へぐってるだ・・・)」吉太郎は思った。
「(振り聴牌じゃないか・・・。形を決め過ぎだ・・・)」一輝は思った。そして、使い切れない八を自摸切った。
「ロン! ごっつぁんです! お前のおかげで、四メンツ完成したぜ!」
「ぐ! 自分の自摸で、和了し切れよ!」剛志は悔しがった。
「お前が育てたんだよ、育成型の自殺だ、同卓されるのは迷惑だ」龍之介が吐き捨てた。
「なにお!」
「何を! だよ!」二人は罵り合った。傍らで一輝がため息をついた。
「(当たり前じゃないか! コイツは、意識改革からしなければ、ダメだな・・・。天和以外に見所がない・・・)」一輝は、剛志の育成プログラムを考えた。恭次郎の過去を思い出した。
剛志【3-6】 忍【0-3】 龍之介【0-4】 小沢【2-2】 恭次郎【4-3】
「撃破戦、終了~!」小沢が宣言した。
「残った四人の傷の数に差があるので、これで順位を確定する」一輝が宣言した。
(二〇二六年・三月)サークル内順位
1位 雀帝
2位 武帝
3位 将軍
4位 軍師
5位 軍曹 小澤流麗
6位 兵卒 五丈原忍
7位 下僕 碧沢龍之介
8位 名誉珈琲大臣 引来剛志
「さぁ~って、くっそ不味い珈琲を、早く飲みたいものだぜ!」
「くっ! すぐに買ってくらぁ! 特別に美味い珈琲を!」
「不味かったら、どうする~? お前なら死ぬのか?」
「美味いのを、買ってくらぁ!」二匹は、怒鳴り合っていた。
「珈琲兄弟は、本当に仲がいいな~」一輝は微笑ましく思った。




