コンラ
アイフェの子は、コンラと呼ばれた。
父の残した指輪を、少年は肌身離さず持っていた。
七歳になったコンラは、海を渡った。
アルスターの人々がトラハト・エーセの浜に集まっていたところへ、小さな舟が漕ぎ寄せた。
乗っていたのは、一人の少年であった。
少年は、二本の黄金の槍を持ち、石を投げて遊んでいた。石は空を飛ぶ鳥を撃ち落とし、投げた手に再び戻ってきた。浜に集った者たちは、その技に目を見張った。
コンホヴァルは、少年の正体を知ろうとした。使者コンデレが向かい、名を尋ねた。少年は答えなかった。禁戒が、彼の口を封じていた。
次に、コンナル・ケルナハが相手に立った。少年は石を投げ、これを倒し、盾を奪った。
そこへ、クー・フリンが現れた。
エマルは、少年の身のこなしを見て、胸騒ぎを覚えた。あの技は、スカアハのもとで学んだ者の技である。
彼女は夫に告げた。
「あれは、あなたの子ではないのですか」
それでも、一騎討ちは始まった。名を明かさぬことと同じく、一騎討ちを拒んではならぬという定めが、コンラを縛っていた。
彼には、退くことも、戦いを断ることも許されていなかった。クー・フリンもまた、挑まれて退くことはできなかった。
二人は、互いの技を読み合った。コンラの太刀筋、槍の運び、跳躍の間合い。そのどれもが、クー・フリンの見知った形をしていた。同じ跳躍、同じ足の運び。それは道理であった。少年もまた、アイフェを通して、スカアハの技の流れを汲んでいたからである。
戦いは、水の中にまで及んだ。互角であった。互角である限り、クー・フリンは少年を打ち破れなかった。少年は、父の技を、父と同じ深さで身につけていた。
だが、一つだけ、少年の知らぬ技があった。
足を使い、水の中から放つ、ガエ・ブルガである。この技を正しく使いこなす者は、クー・フリンをおいて他になかった。
彼は、それを放った。刃は少年の体に、一つの傷として入った。だがその内で、幾つもの棘のように開いた。
致命傷を負ったコンラを、クー・フリンは抱き上げた。
そのとき初めて、彼は己が何をしたのかを知った。
「この子は、私の息子だ」
その言葉は、遅すぎた。
コンラは、父の腕の中で語った。
「あと五年、生きていれば、私は世界の戦士たちの前に進み出て、ローマにまで王権を及ぼしただろう」
そして、少年は息絶えた。父と子は出会った。
だが、父と子として生きる時は、初めから与えられていなかった。




