スカアハの島
時が経ち、成長したクー・フリンは、フォルガル・モナフの娘エマルを妻に望んだ。
エマルは、美しいだけの娘ではなかった。彼女は自ら相手を見極める知恵を持っていた。
フォルガルは、この縁組を望まなかった。若い戦士を婿にすることを、彼は快く思わなかった。
そこで一つの策を講じた。
クー・フリンに、アルバへ渡り、女戦士スカアハのもとで武術を学ぶよう勧めたのである。
表向きは、名誉ある修行先であった。しかし実のところ、海の向こうへ遠ざけ、求婚を諦めさせる企てであった。クー・フリンは、それを承知したのかどうか、伝えは語らない。ただ、彼は海を越えた。
スカアハは、アルバで戦士を鍛える女戦士であった。彼女のもとには、クー・フリンだけでなく、フェルディアドもいた。二人は同じ師のもとで武技を学び、互いの力量を知り、友情を育んだ。ここでの縁が、後の悲劇の種を蒔くことになる。
スカアハは、多くの技をクー・フリンに授けた。
最後に、彼女は一つの技を伝えた。
ガエ・ブルガ。
足を使い、水の中から放つ特殊な槍である。突き立った刃は、体に入るとき一つの傷を作るが、その内で幾つもの棘のように開き、抜くには肉を裂かねばならぬという。この技を正しく使いこなす術を知る者は、彼をおいて他になかった。
武技を収めた頃、スカアハと敵対する女戦士アイフェが現れた。
クー・フリンは、彼女との戦いに勝った。
二人の間には、一夜の関わりがあったと伝えられる。
去るにあたり、クー・フリンはアイフェに金の指輪を渡した。
「子が生まれ、成長したなら、これを渡してほしい」
そして、二つの禁戒を残した。
生まれてくる子に、決して己の名を明かさぬこと。そして、何者から一騎討ちを求められても、これを拒まず、退かぬこと。
この二つを固く守るようにと。




