⭕ 新パーティーで戦闘開始!
──*──*──*── 戦闘フィールド
対峙するのは完全武装した盗賊団達。
モンスターを引き連れている──って事は、盗賊の中にテイマーが居るって事かも知れない。
鞭を振るって凶悪そうなモンスターを操る姿はまるで、サーカスで鞭を振るう猛獣使いみたい。
戦闘に参戦するのは、救世主のアタシ,アタシの〈 守護り手 〉のギッちぃ,ギッちぃの配下の影魔3体,ギッちぃが不浄から生み出した魔獣馬,魔狂人,吸血鬼,三眼族,スワローウルフの1人と9体かな。
初めに敵へ向かって特攻隊するのは、ギッちぃの配下の黒ニ●ロ3体。
黒ニ●ロ達は影の魔物だからなのか、あらゆる物理攻撃,魔法攻撃を受けてもダメージを負わない。
まさに特攻隊向きな黒ニ●ロ達の役目は、敵を持ち上げて此方のエリアへ投げる事。
次に特攻するのは、魔狂人,吸血鬼,魔獣馬の3体。
宙を浮いている吸血鬼の移動範囲は、ギッちぃには劣るものの広いから助かる。
吸血鬼には劣るけれど、魔獣馬も移動範囲が割りと広い。
魔狂人はアタシよりも移動範囲は広いけど、6歩以上は進めない。
3歩しか移動出来ないアタシよりも移動が出来るから頼りになる。
魔狂人,吸血鬼,魔獣馬の3体には、黒ニ●ロが投げた敵を攻撃して気絶にする事。
1番移動範囲が広くて、1番多く動けるギッちぃには宝箱,花,草,木なんかを回収してもらうのと、障害物を壊してもらっている。
非戦闘員の三眼族は後方で、アタシ,魔狂人,吸血鬼,魔獣馬,スワローウルフに対して補助や援護をしてくれる。
アタシはスワローウルフの背中に乗って、気絶になっている敵へ向かって移動をして──、アタシにしか使えない特殊な針をブッ刺して敵を根絶させて、経験値を得ている。
魔狂人,吸血鬼,三眼族,魔獣馬,スワローウルフは黒ニ●ロと違って、物理攻撃も魔法攻撃も受けるし、ダメージも負う。
だけど魔物だからなのか、あまり大ダメージを受けていないみたいで、最高でも1桁の9止まり。
人間,亜人,モンスターよりも防御力が高いみたい。
状態異常の攻撃にも耐性が付いているみたいで、あまり効果は無いみたい。
アタシ以外、チートで羨ましい。
アタシの全ステータスはほぼほぼ平均値らしいから、なるべく敵からダメージを受けないように前へ出ないようにしている。
戦闘フィールドの中心からは出ないようにして、安全を確保しながら気絶の敵にトドメを刺している。
スワローウルフはアタシが背中に乗っていると霧化が出来ないみたい。
霧化の出来るスワローウルフは、霧状態とウルフ状態の2通りの移動範囲がある。
ウルフ状態よりも霧状態の方が移動範囲が広い。
因みに吸血鬼も蝙蝠状態と人型状態の2通りの移動範囲があって、蝙蝠状態の方が移動範囲が広い。
超音波を操って敵にランダムで様々な状態異常を与えられるみたい。
超音波攻撃って凄いよね!
──そんな訳で、早々に盗賊団を撃退する事が出来た。
戦闘に勝利したから戦闘フィールドから普通のフィールドへ戻って来た。
──*──*──*── フィールド
普通のフィールドには戦闘に参加しなかった手下の盗賊達が30名程居た。
手下の盗賊達と戦闘になる事はなかった。
何でかと言うと、戦闘に参加しなかった黒ニ●ロ達が手下の盗賊達を抵抗出来ないように捕まえてくれていたから。
有能だよね~~、黒ニ●ロって!
ギッちぃ
「 愚主よ、コイツ等の処遇はどうする? 」
肥神瑩子
「 身ぐるみ剥いで真っ裸にして、モンスターの巣窟にポイしたら? 」
ギッちぃ
「 まっぱ?
愚主よ、“ まっぱ ” とは何だ? 」
肥神瑩子
「 真っ裸──丸裸って事ね。
産まれた状態と同じ “ スッポンポン ” って事だよ 」
ギッちぃ
「 丸裸か。
その状態でモンスターの巣食う巣窟へ捨てる──という事か。
成る程な、流石は我の絶対主だ 」
肥神瑩子
「 今迄して来た悪事に比べたら生温い罰だと思うけどね?
恐怖に怯えて自分達が仕出かして来た悪行の数々を後悔して悔い改めたら良いんじゃない?
モンスターにバリボリ喰べられながら、憐れな人生に幕を閉じる──って感じ? 」
ギッちぃ
「 早速、身ぐるみを剥がさせるとしよう 」
肥神瑩子
「 ──あっ、モンスターの巣窟から逃げ出せないように両腕と両足を切断するのを忘れないでよ 」
アタシがギッちぃに言うと、唖然とした顔でアタシの話を聞いていた盗賊達が口を開いて、各々の言いたい事を叫び始めた。
肥神瑩子
「 煩いなぁ。
ギッちぃ、コイツ等を黙らせて!
舌切り雀しちゃってよ 」
ギッちぃ
「 愚主よ、舌切り雀とは何だ? 」
肥神瑩子
「 舌を切り落として、喋れなくするの。
舌が無くなれば、静かになるでしょ? 」
ギッちぃ
「 愚主が望むなら下僕に舌を切らせよう 」
肥神瑩子
「 宜しくね~~ 」
アタシが左手をヒラヒラと動かすと、ギッちぃに指示された黒ニ●ロが合図だと思ったのか、盗賊達の舌を抜き始めた。
「 舌を切れ 」とは言ったけど、「 抜け 」とは言ってないんだけどね…。
舌を抜いたら死んじゃうんじゃないの??
舌を噛み切って死ぬ奴だって居るみたいだし?
肥神瑩子
「 アタシ達を襲ったのが運の尽きだね。
アンタ達の命運は此処で終わりぃ~~。
ジ・エンド、バイバイ、さよならぁ~~~ 」
アタシは舌を抜かれてる盗賊達に手を振って「 バイバイ 」しながら馬車に乗り込んだ。
勿論、頭の上に7本の串を刺しているギッちぃも一緒。
ギッちぃってば、頭に串を刺したままで宝箱や花,草,木を回収してくれたみたい。
肥神瑩子
「 ギッちぃ、彼奴等の拠点には奪ったお宝が沢山あるんじゃないの?
ちゃんと回収してるよね? 」
ギッちぃ
「 抜かりはない。
あの盗賊団の拠点に残っていた盗賊も既に捕らえている。
戦利品は根刮ぎ奴隷に拝借させた。
拠点は潰させた 」
肥神瑩子
「 また旅の資金が増えたね~~!
捕らえた盗賊も同じで良いからね。
犯罪奴隷に落として馬車馬のようにコキ使っても良いけど、面倒だし~~ 」
ギッちぃ
「 魔法の使える人獣族の子供が居るが、同じで良いか? 」
肥神瑩子
「 うん?
魔法が使える人獣族の子供ぉ?
盗賊って大人ばっかりじゃなかったの? 」
ギッちぃ
「 子供は1人だけのようだ。
成人して数ヵ月の人間も居る。
魔法は使えぬようだな 」
肥神瑩子
「 じゃあ、要らない。
魔法の使える人獣族の子供だけ連れて来るように言ってよ 」
ギッちぃ
「 直ぐ来る 」
肥神瑩子
「 人獣の子かぁ。
どんな子なんだろう?
人獣って事はアタシみたいに人の姿をしてて、獣耳とか尻尾とか翼とか生えてるんでしょ?
どんな魔法を使えるのかな?
少しは便利な旅が出来るようになるかな? 」
ギッちぃ
「 今でも十分、便利だと思うが? 」
肥神瑩子
「 確かに便利ではあるけど、魔鉱石って高いじゃない?
魔法が使えるようになったら、魔鉱石を節約出来るでしょ 」
ギッちぃ
「 節約する必要等ないのだがな 」
肥神瑩子
「 お金はねぇ、無駄使いしないの!
本当に必要な時に使えなかったら、お金の意味がないじゃない? 」
ギッちぃ
「 愚主は貧乏性なのだな 」
肥神瑩子
「 あのねぇ、“ 節約家 ” と言ってよね!
頭の串、抜いてあげないからね? 」
ギッちぃ
「 ギィ………… 」
三眼族
「 影魔王様,影魔妃様──、捕らえた盗賊は1名を残し、モンスターの巣窟へ捨てて来ました 」
肥神瑩子
「 有り難う~~ 」
三眼族
「 影魔王様,影魔妃様──、人獣族の子供を連れて参りました 」
肥神瑩子
「 有り難う。
──ギッちぃ、会おう 」
ギッちぃ
「 ギィギギィ~~ 」
影魔王の威厳を捨ててベタベタに甘えて来るギッちぃを抱っこして、アタシは馬車から降りた。
ギッちぃの情けない姿を見せ付けられて、魔物達は何を思うんだろうね?