驚愕の事実
翌日の午後だった。銀髪の女の子が目を覚ましたのは。
大学生二人と部屋に駆けつけると、ベッドの上に座るその少女は僕らを怪訝そうに見つめていた。
「…ここは…?」
小さく透き通るような声だった。
この時点で彼女が妹と同一人物である可能性はほぼ皆無だ、僕はそう悟った。なぜならカナはもっと明るい声質だった…ような気がするから。
「…ここは石榑さんって人の家で、あの玉樹さんとリュウが助けてくれたんだよ。ケガしてたところを。」
隣にいた澪が僕らに視線を移した。
「玉樹彰吾です。」
「瀬古だ。」
「…リュウです。」
二人に続き、かの疑問をすぐにでも尋ねたい気持ちを何とか抑えて自己紹介する。
と、彼女は困惑した表情になった。そしてゆっくりとベッドから立ち上がってこう言った。
「…ごめんなさい、私、…もう行きます。」
「でも…大丈夫なの?体。」
「…はい。平気ですから。」
「…いや、でも、足からあんなに血を流してて…、あの晩、何かあったんだろ?」
玉樹さんが尋ねると、少女は再び困った表情を見せた。
「…あなたたちには関係のないこと。…私を助けてくれたことには感謝してるけど、これ以上あなたたちと共にいるわけにはいかない。」
予想外の展開に今度は僕らが困惑する。
「……ね、私たちはあなたのことを心配してるだけだからさ。事情を話してくれたら、私たちにできることなら何でも協力するから。」
澪が落ち着きのある口調でなだめた。
「ありがと。でも…、私にはやることがあるの。それに、あなたたちと一緒にいない方が…。」
銀髪少女は言葉に詰まると、今度は瀬古さんが口を開く。
「どんな事情があったかは知らんが、困っている人間をこのまま返すわけにはいかないな。小さなことでもいいから、何か話してくれないか?」
それを聞き、少女は思い直した様子で暫く考え込むと、ふぅと一息。そして小さな声でこう言った。
「…あと四人。」
「…え?」
「私、ある四人の人間を探してるんだけど…、知りませんか?このスカイガーデンの何処かにいる筈の、過去世界から来た四人のこと。」
はっとする。僕も、澪も、玉樹さんも、瀬古さんも。
「…いや、知ってる筈ないですよね。そううまくすぐ見つかるなんて…。」
「おい、それって俺たちのことなんじゃ…?」
瀬古さんがセリフを遮る。
そしてその言葉に目を見開いて見つめる少女。どうにも理解できないが、この少女は僕らの事情を知り、僕らを探していたということか…?
「本当に…?」
「ああ、俺らは2015年の日本から来たんだよ。変な光に飲み込まれてさ。」
「…どうやら本当みたいですね…。」
「おい、どういうことだよ?」
「ずっとあなたたちを探していたんです。あなたたちにお願いをしに…、助けを乞いに来たんです。」
そう言い切った少女は僕たちに、真摯な眼差しでこう話した。
「あなたたちの仲間と…、世界が今、危険に晒されています。どうか、あなた方四人で世界を救って下さい!」




