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【悪役転生 レイズの過去を知る 】―俺だけが知る結末を、今度こそ覆す―(現在物語を全話を丁寧に修正しています。180-189話修正、大幅に加筆しました。)  作者: くりょ
レイズになる

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魔力の壁。



そうして再び合流したレイズとイザベル。


今日は予定通り、魔力の質を高める特訓を行うことになった。


陽の光が差し込む庭の一角で、イザベルは両手を腰に当て、にこっと笑う。


「レイズくん。それでね――魔力の質を高めるって、どんなイメージがあると思う?」


真剣な問いかけに見えるけれど、声色はどこか明るくて柔らかい。

彼女にとっては大事な魔法の鍛練でも、堅苦しい雰囲気にする気はないのだろう。


レイズは首をかしげ、腕を組む。

「質、ねぇ……量を増やすとかじゃなくて……なんだろ、濃くする? 澄ませる? ……いや、ちがうな」


あれこれ頭の中でイメージを探りながら、口に出しては首を振る。


そんなレイズを、イザベルは楽しそうにじっと見ていた。



イザベルはふっと真顔になり、手を前に差し出した。


「魔力の質っていうのはね……こういうこと」


その掌に魔力をまとわせる。

淡い光が揺らめきながら、手を包む膜のように現れる。


彼女は軽やかに息をつくと、その魔力の厚みを自在に変化させていった。

分厚くなれば岩のように硬そうに見え、薄くすれば水面のように透き通る。


「こうやって厚みを調整して、自分の身を守るの。

……これができるかどうかで、生き残れるかどうかが変わってくるんだよ」


――これが“魔力壁”。


ゲームを知る者にとっては、シールドそのもの。

序盤で「攻撃が全然通らないキャラ」が出てきて苦戦することがあるが、それはこの壁が分厚いからだ。

そう思えば、イザベルの魔力壁がどれほど強力なのかがよく分かる。


イザベルはにっこりと笑みを浮かべ、手を差し出してきた。


「ねぇ、レイズくん。これ、掴める?」


「……は? 掴めるわけないだろ……」

そう口では言いながらも、レイズはそろりと手を伸ばした。


指先が光の壁に触れようとする――その顔はやけに緊張していた。



レイズは眉をひそめながら、そっとイザベルの差し出した手へと指先を近づけた。


――触れられるわけがない。

そう思っていたはずなのに、そこには確かに「壁」のようなものが存在していた。


「……な、なんだこれ……」


透明で形もないのに、確かに分厚い何かが手を覆っている。

指を押し込もうとすればするほど、ぐぐっと強烈な反発を受け、まるで岩を握ろうとしているようだ。


本気で力を込めても、びくともしない。


不思議な感覚だった。


――イザベルの細い手を、自分の手で包んでいるように見える。

だが実際には、絶対に触れられない。


「ほらね?」

イザベルはどこか得意げに微笑んだ。

「これが“魔力の壁”。質を高めるっていうのは、こういうことなの」


レイズは悔しそうに歯を食いしばり、さらに力を込める。

だが壁はひび一つ入らない。


「くっそ……こんなもん、絶対いつかぶち破ってやるからな……!」


イザベルはその言葉に目を細め、どこか嬉しそうに笑った。




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たくさんの方に読んでいただき、本当にありがとうございます。 完結済の長編です。レイズたちの物語をぜひ最初から。
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