レイズの決意
イザベルの瞳が揺れる。
「……死? レイズくんは……死んでしまうの?」
その問いに、俺は逃げずに応えた。
「……おれのいた世界では、君たちのずっと未来を知っている。
そこで……レイズは死ぬんだ。なにもできずに。」
声に震えが混じる。イザベルの顔が曇り、胸が締めつけられるような沈黙が流れる。
「そんな彼を……俺はどうしても放っておけなかった。ずっと気になって仕方がなかった。」
心の奥に押し込めていた思いを、初めて言葉にした瞬間だった。
「だから――きっと俺がここに来た意味は、『レイズを救ってくれ』って……ここにいるみんなの願いが起こした奇跡なのかもしれない。」
「……そうなんだ。レイズくんを……誰も守ってあげられなかったんだね。」
イザベルは悲しげに目を伏せ、遠くを見つめた。
沈黙のあと、ゆっくりと顔を上げる。
「でも、あなたならきっと救ってくれる。そんな気がする。」
小さく、けれど確かな笑みを浮かべながら。
「ありがとう…」
その声は微かに震えていて、胸の奥からあふれ出す想いが込められていた。
そうして気づけば、窓の外はすっかり夕焼けに染まっていた。
長く語り合った末に、レイズはまっすぐな眼差しでイザベルを見つめる。
「だから――絶対に生き残る。」
その言葉には迷いがなかった。
少し前まで、どこか抜けていて情けない姿を見せていたはずのレイズ。
けれど今、そこに立つのは覚悟を背負った男だった。
……カッコ悪いのに、どうしてこんなにカッコいいんだろう。
イザベルは胸の奥がきゅっと締め付けられるように、惹かれてしまうのだった。




