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【悪役転生 レイズの過去を知る 】―俺だけが知る結末を…。―(現在物語を大幅にリライト中)  作者: くりょ
新たな始まり

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感覚の読み違い



そうして、レイズとリアノは再び魔族の元へ向かうため、町を抜けて歩を進めていた。


「そうそう、ここに……」

レイズが何気なく口を開き、視線を向けた先――その光景は、彼の想像を遥かに超えていた。


かつて荒れ地だった場所には、今や家々が立ち並び、人々が住み始めていた。

水湧かし装置の周囲には行列ができ、子供から老人まで大勢が集まり、次々と水を汲んでいる。

水は飲み水としてだけではなく、洗い物や料理、果ては薬草を煎じるのにも使われ、様々な形で人々の暮らしに息づいていた。


レイズは思わず足を止め、呟いた。

(……俺はただ“ここを歩いてたら喉が渇くし、水呑み場があったらいいな”程度に思っただけだったのに……)


それは彼にとっては小さな思いつきに過ぎなかった。

だが人々にとっては、それは生死を分けるほどの変革だったのだ。


「……すごい……」

リアノが思わず息をのむ。

アルバードの屋敷で快適な暮らしに慣れていたため、目の前の光景にはただただ驚くしかなかった。


そのとき、装置を使っていた人々がレイズに気付き、次々に駆け寄ってきた。


「ありがとうございます!」

「これのお陰で、本当に生活が豊かになりました!」


老若男女が一斉に頭を下げ、感謝の言葉が口々に溢れる。

その光景に、リアノは胸を熱くし、レイズはただ頬をかきながら――どこか照れ臭そうに視線を逸らした。


人々の感謝を受けながら、レイズはふと周囲を見渡し、心の中で呟いた。


(……そうか。水属性持ちじゃなきゃ、こんな場所にはそもそも住めないよな。)


アルバードの屋敷では、二属性持ちは当たり前のように存在し、全属性を扱えるクリスさえいる。

だからこそ、レイズにとっては「水を出せる」など取るに足らぬことに思えた。


だが現実は違った。


この世界で属性を授かること自体が珍しく、多くの人々は属性無しで生きている人々もいる。

ましてや水を自在に生み出せる者など、ほんの一握りに過ぎなかった。


だからこそ――レイズの「喉が渇いたら水飲み場があればいい」という軽い発想は、人々にとっては生活を一変させる奇跡となったのだ。


自分では些細なことのつもりだった。

だがそれは完全に、レイズの感覚の“読み違い”だった。







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たくさんの方に読んでいただき、本当にありがとうございます。 完結済の長編です。レイズたちの物語をぜひ最初から。
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