さよなら俺の平和な生活
最近バーチャルと現実世界がごっちゃになるアニメとかが流行っている。
だが、それは2次元の作り話だと分かっているからであって、だからこそ安心して笑っていられるのだ。
ゴブリンとか、向こうの世界じゃ低級レベルの怪物だが、それは勇者様だったり、魔女っ娘だったりがいる世界の話である。それにラスボスはドラゴンだったりね。
つまり俺が何を言いたいかというと、俺はゴブリンには出会いたくないし、ドラゴン退治に駆り出されるのもまっぴらごめんってことで。
そう、その日も俺は夕方4時に起床し、pcを起動。
今流行の【ドラゴンズファイト】というゲームに入り込む。
ドラゴンズファイトというのは、ゲームをスタートさせるときに、ドラゴンの卵を渡される。
それを育成しながら、冒険を進めるというオンラインゲームである。
まだゴールまで創られているわけではなく、エンディングがどうなるかは分からない。
無料会員制のおかげで、今では500万ダウンロード突破記念としての催しがたくさんある。
mm『お、こんばんは!(^^)!』
説明途中でチャットが更新される。
ks『こんばんは、じゃねえよ!今、大事なところ!』
ちなみに、話しかけてきたこいつは、俺の中学以来の腐れ縁だ。
頭が良い、性格も良い、ルックスも良い、勇者様タイプだ。
ドラゴンの餌となればいいのに。
名前は、茂木 紋太。だから、mmらしい。
まあ、その捻りのなさは俺も文句は言えまい。
mm『悪い、クエスト中だったか?俺も行っていい?』
ks『別にいいけど』
しばらくして、黒いマントとともに、青い大剣が現れる。
が、彼の姿は無い。
ks『また転職したのかよ。しかも、次はゴーストかよ』
mm『悪い悪い、今姿出すから』
黒いマントの周りにもやが出現。そして、それがだんだんイケメンを創っていく。
mm『おまたーせ!!』
ks『待ってないけど、ゴーストなのに大剣って・・・』
mm『以外な組み合わせだろ』
ks『いや、それ、姿隠せるゴーストの意味ないから』
剣の場所で一発で分かるじゃねえか。
mm『あ、そうかー、しょーちゃん頭いい!』
先ほど頭が良いと言った俺の言葉は撤回させてもらおう。
mm『あ、でも、今日アップデートで後30分くらいしかできないよ?』
ks『ああ、そういえば大型アップデートされるらしいね』
mm『噂だけどよ、今度のアップデー、あ、わり、アップデートの時間早まるってよ、後5分後だって、俺落ちるわ』
ks『え?俺んとこなんも来てないんですけど』
って、もういないし。
さて、俺も落ちますか。まだゲームの内容も説明してないからなあ。
ログアウトボタンを押し、pcの電源を切る。
少し寝ておこう。アップデートが終わるのは2時間後。
きっちり目覚ましをセットし、そしてその目覚ましが鳴ることは無かった。




