~道~4
高い天井ギリギリまで設置された本棚。 その間に少しずつ開けられた狭い道。
ヒト一人やっとのことで通れる狭さの道に所々に大きい梯子なんて置かれているものだから、迷惑きわまりない。
そうこうして、やっとついたのは立ち入り禁止と書かれたドアの前。
この奥に使わなくなった捜査資料が保管(放置)されて いるらしい。
ライトは司書さんからもらった鍵でドアを開けた。
ドアを開けた瞬間、古い紙と埃の臭いが鼻につく。
入りたくないって思わせる良いトラップ仕掛けてるなと思う。
だが、ライトが中に入ったのでゆっくり足を踏み入れる。
入って中を見渡すと、長い机と安っぽい椅子、そして部屋を囲む本棚があった。 長い机にも、雑に資料が置かれている。
「この中から影の資料を探すんだ」
ライトはそう言うと、本棚を周り始めた。
何分たっただろうか。 見つかったのは、3つの資料。
一つ目の資料はなんと、100年前のものだった。
ライトが言うには、影は「上位種」の可能性が高いらしい。
上位種というのは、この世界で唯一人間を喰らうものらしい。
戦闘能力も凄まじく、寿命がないというハイスペック持ちらしい。
人間との仲は勿論良いはずもなく、よく争いがあると聞く。
ライト曰く、
「覚醒がないと勝機はないな」
とのこと。
あれ?ここでも知らない単語が。
覚醒とは、要するにその人だけの特殊能力。
生まれた時から持っていて、体内の魔力で使うらしい。
後天的に取得できるものもできたというが、まだまだ弱い。
しかし、上位種も覚醒があるものもいるという。
覚醒を持っている者は全体の10%程度。しかも、戦闘できるレベルのものは半分位だと。
要するに、貴重な存在。
僕には残念ながらないが、ライトは持っているらしい。
どんな能力なの?と率直に聞くと、
戦うまでのお楽しみだ、と返された。
そして、全ての資料を読み込む内に多くの事実が発覚した。
Memo
・もとから影は4人なのではない。100年前のものには2人と記載。
・2人の頃にはまだ、皆殺しはしていなかった。目撃多数。だが、有るときから皆殺しするようになった。
・影が皆殺しを始めたのとほぼ同時に奪われた者の聖戦が終わっている。
・影の覚醒保持者は確認できる限り一名。ただ、能力は不明。
僕にはまだ知らなければいけない事が。
創成年 496年 ヘル・E




