~道~3
彼はこの街のことをよく知っているらしい。
スイスイと歩くのについていくと、すぐに広場らしき所についた。
彼が広場のベンチに腰をおろしたので、隣に座る。すると、彼は口を開いた。
「自己紹介、まだだったな。俺は、ライト=エスト。ライトでいい。あとは... ...ああ、年齢は16歳。よろしくな。ヘルディック・エンタシア」
いきなり名前を当てられたので驚いたが、すぐに納得した。
彼、ライトは16歳にして隊を束ねる若き天才。
人は彼を「百人召喚の彼」と呼ぶ。
そして、僕が会いたかった人物でもある。
「ライトさん」
「さんはいらない。やめてくれよな。年齢とか地位とかで差別されんの嫌い」
有無を言わさぬ表情でライトは言った。
「影について詳しいと言うので、話を聞きたかったんです。お願いします。ライト」
そう言うと、ライトは目を細めた。
これを世間一般的にカッコいいと言うんだなと思う。... ...服が真っ黒じゃなきゃ尚更。
「へぇ、影に興味か。復讐かそれとも、惹かれたのか。...どっちでもいいか。話してやるよ。「影」の話」
そう言うとライトは立ち上がり、歩き出した。僕も後を追い歩き出す。
ふと、隣を見ると噴水の水が光輝いていた。
「ヘルって呼んでいいか?」
鮮やかな通りを歩きながらライトは喋る。
僕はそれに頷いて、
「そう呼んでもらえるとありがたいです」
と、返す。
名前が長いと色々面倒なんだ。
「じゃあ、ヘル。今から敬語禁止」
「え、」
「上司命令」
うぐっ、敬語禁止は痛い。昔からの癖なんだよな。
「分かりまし...分かった」
僕がそう言うと、ニヤニヤ笑いながら頭を撫でてきた。絶対遊ばれてる。
するとライトが、
「むくれてないでほら、目の前」
と、目の前を指差す。
指の先を追うと、美しい建造物があった。
「ここは、都立図書館だ。綺麗だろ。昔、ここにあった王国の皇帝が造らせたらしい。まあともかく、本がめっちゃ集まってんだ。特定の人間しか見られないものもあるがな」
そう言ってライトは証明書らしき物をとりだした。
「影の資料も見れるんですか?」
「俺がいればな。それと、敬語」




