↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/8

私はダン・トランス。面接に来たのに面接官が来ない

 ダン・トランスは、エリナのパーティ募集に応募したハンターだ。他の街からやってきたSランクハンターであり、レッドドラゴンを討伐した実績もある。生まれた頃から磨き続けた剣の技術は本物だった。


 ところが、約束の時間に集会所へ来てみたはいいものの、肝心のエリナらしき女性の姿が見当たらない。それらしき女性に声をかけてみても全員、違うと首を横に振る。


 そうなったところで、ダン・トランスは激怒した。


 この俺に待ちぼうけを食らわせるとは。レッドドラゴンを討伐した、凄腕Sランクハンターのこの俺が組んでやると言うのに、この仕打ち。到底許されるものではない。ぽっと出のソロハンター風情が、バカにしくさりおって。


 彼は、愚か者は大嫌いだった。愚かな女はもっと大嫌いだった。もはや彼は、エリナと組む気を失っていた。


 ダン・トランスは怒りに打ち震えながら、ギルドをあとにした。


 〇


 私とダンは集会所に帰ってくると、受付嬢のところへ行った。


「キングブラッドホーンとハーキュリーバイトスネークの討伐、お疲れさまでした」受付嬢はそう言って私たちをねぎらってくれた。「報酬はキングブラッドホーンの討伐の分でまず24000ギニーですね。そしてハーキュリーバイトスネークのほうなんですが、討伐依頼が出ていなかったのですが、きゅうきょギルドから依頼書を出すかたちにしましたので、報酬として31000ギニーが出ます」


「ありがとうございます。危ないからって理由で私たちが勝手に倒しちゃっただけなので、倒して大丈夫だったのかな、なんて思ってたんですけど」私は言った。


「そんなことはございません。もとより、こちらの不手際で発見しきれなかったものを、被害が出る前に未然に討伐してくださったのですから、感謝してもしきれないくらいです」


「それならよかったです」


「こちらが、24000ギニーと31000ギニー合わせて55000ギニーでございます」


「ありがとうございます」私は彼女が差し出してきた報酬を受け取った。


「では、よい一日を」受付嬢は言った。


 報酬も受け取ったことだし、いったん帰るとしよう。


「ダン、あなたを雇うかどうかについては一日だけ考えさせてください」彼は強い。レッドドラゴンと同じくらい強いハーキュリーバイトスネークをたった一人で、苦戦することもなく倒せるのだから。


 しかしやはり、協調性の面が気になる。あと、ちょっとアホすぎる気がする。


「あ、すんません。エリナさんっすか?」


「え?」


 見ると、そこには三人の男が立っていた。


「エリナさん、メンバー募集まだしてます?」


「それはまあ、してるけど」メンバーはできればあと三人ほしい。近接戦が得意な二人と、攻撃魔法にたけている人が一人、それとそこにヒーラーの私を加えたかたちのメンバーを想定している。


「俺らエリナさんのパーティに入りたいんですけど」


「それなら、いったん受付を通してもらえますか?」ギルドにはすでに希望を伝えてある。いちいち希望に沿わないハンターの面接までしていたらきりがないし。


「いや、俺らけっこうやれますよ。危険度6ぐらいのモンスターだったら全然狩れるんで」


 危険度6ぐらいで調子乗んな、カス。それに、一人ひとりの魔力量も大したことないし、あまり強そうには見えない。


「お前ら、エリナの言ったことが聞こえなかったのか?」すると、ダンが私の前に出てきて、私と男たちのあいだに割って入った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。