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娘と変態(魔王さま)との出会い。(魔王さま視点)

コツン足音が止まった。

「お前が、私の娘か?」

鮮やかな桜色だろう髪だが、今は煤汚れた色になっている。後ろ姿の娘であろう者に声をかけた。

「ちょ、魔王さまそんな怖そうな声で呼びかけないでくださいよ。もとが怖いのだから、なおさら怖がられますよ!娘がいると知ってあんなに大はしゃぎしていたのに…。」

灰色の髪をしたいかにも胡散臭そうな男がふざけた口調で言った。

「うるさい。黙れ、ルース。」

確かに大はしゃぎしたのは、本当とは言え…。

初めて会った娘の前でいうことはなかろう。それと、なんだもとが怖いって?そんなに怖くないぞ?俺は?そうだよな?

俺は、もと怖くないぞ?娘に勘違いされるだろうが!

くっそ!俺は、涙目でルースを睨みつけた。せめてもの抵抗だった。

「そんな目をしたって、怖くありませんよ〜。」

煽るようにルースが言う。

このクソ野郎!俺は、威厳のあるカッコイイ父親になると決めてんだよ!娘が、弱い父親だと思ったらどうするんだ!

そして、こいつは最低限の目上の人への態度ってものが備わっていないのか?

一応、お前の上司だぞ俺?それに、俺は、こいつの主人でもあるんだぞ?

ちょっと頼りないところがあるのはわかるが、上司は敬うものだろう?主人は尊敬するものだろう?

それに、ちょっとだ!頼りないところは「ちょっと」だ!

本当に、一回ぐらいは、痛い目を見せたほうがいいのか、どうすれば良いのか…。

よし、このことは一旦後で真剣に考えていよう!無理やり頭の隅にバカのことは追いやろう!

今は、俺の最愛の娘になる子にだけ集中すればいい。

バカのことはどうでもいい!

さぁ、気を取り戻して愛しの娘に向きなおろう!

「ゴッホん、先程言った通り君は俺の娘だ。どうだ?一緒に来ないか?」

わざとらしく咳払いをしたせいかバカがすごい目でこちらを睨んでくる。

本気で、痛い目を見たいようだな?

声をかけたはずだが、こちらに振り返ろうとしない…。

フル無視だ……

まさか今のバカとの会話で父親である俺に失望した…?そんなことないよな?え?な…いよな…?

「魔王さま何固まってるんですか?新手のギャクですか?それなら、大成功ですねw」

このバカ何言ってやがる?

この俺が娘に無視されているのに、フォローもせず。何をバカなこと言っている?

あ た ま を か っ ち わ っ て や ろ う か ?

「ねぇ、そこのおっさん邪魔なんだけど……」

ようやく愛しの俺の娘が喋った!あぁ、生きていてよかった!神々しい綺麗な声だ!

さすが、俺の娘!

「ぶっっ!おっさんw」

バカが吹き出した。何やら、俺の娘の鈴が転がるような綺麗な声を聞いたからだろう。思わず俺も聞き惚れて、先程の俺への呼び方を忘れてしまった。これは、俺の娘の声が綺麗だからで、決して俺が精神的ダメージを負ったわけではない。断じてそんなことはない!

「ごめんね、邪魔だったよね。さぁ、パパと一緒に家に帰ろうか!」

さらっと、呼び方をパパとかえ娘を抱っこするポーズをとる。

ちなみに、決してパパと読んで欲しいとかではないぞ。

「パパって…。」

さっきまでツボっていた、バカが回復した。

くそ、ずっと腹でも抱えとけば良かったのに…。しかも、今はドン引きした顔をしてやがる。このやろう!

何がそんなにおかしい?パパと呼ばれたいと思って何が悪い?

「おっさん、新手の変態?どいてくれるならさっさとどいてくれない?もう行かなきゃいけないんだけど?」

俺似の真っ赤な瞳がこちらを軽蔑的な目で見てくる…。

目に涙が溜まってきた…。本格的に泣きそうだ…。いいのか、大の大人がギャーギャー泣くぞ?いいのか?

「いやw、魔王さまはw…変態ではwなくて?w…w本当にあなたの父親wですよ。」

ツボりながら、ルースが言う。

おぉ、この頃で一番感謝できる娘へのフォローだ!まぁ、ツボっているところをみなければの話であるが。

ついでに俺にもフォローが欲しい!泣くぞ!本当に!

そして、なぜ、お前は上司であり主人である俺の悪口にしか反応しない…。

おい、それに変態にハテナをつけるな!ハテナを!

俺は、変態ではない。

「もし本当に、このおっさんが私の父親であっても関係ないから。そこどいて。」

冷淡に言う。

悲しい。俺は娘に嫌われるようなことでもしただろうか?本気で泣きそうだ…

「あ、魔王さま泣かないでくださいねw…?」

小声でフォローされた…。wをつけるな!それがなければ、いいフォローなのに…

こいつに、いいフォローとかできるのか…?

まぁ、気を取り直して!愛しの娘に声をかけよう!

「お前が、俺の娘だと言うことは分かっている。俺とついてこれば、一生金に困らないし、十分な衣食住も約束する。それでも俺についでこないのか?それと、俺は変態ではない。」

「贅沢な…暮らし…。」

小さい声で俺の娘は呟く。後半は聞こえていたのだろうか…?

どうだ?これで乗らないなら、次は何をやったら俺の所に来てくれる?どうすればいいだろう?

正直言ってここまで娘を連れ帰るが時間がかかるとは思ってもいなかった…。

早く、一緒に帰って綺麗なドレスを着せて豪華かな飯を食べさせて、一緒に寝たい……

一緒に娘と寝るのは、アウトじゃないよな?俺は変態ではない!

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