プロローグ1-1
新作ついに公開。イェーイ!
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――人って、簡単に変われるわけじゃない。……でも、変わらなきゃ、終わる時もある。
私は茨城県の北部にある、小さな公立中学校――大沼中学校の吹奏楽部の二年生、トロンボーン担当だ。部員は、全体で四十人程度。中学校の部としては、少し多いほうかもしれない。けれど、三年生はたった十一人だけ。そのうち三人は、ここ数ヶ月、練習をさぼって合奏だけ来ている状態だ。たまに休むこともあった。
「受験があるから」
「部活より勉強のほうが大事だと思って」
と言っているときもあれば、階段で雑談しているときは、
「集まって練習してるんです」
という見苦しい言い訳もしていた。先輩たちはそう言っていたけれど、内心ではみんな分かっていた。
本当は、気持ちが離れていっただけ。顧問とも、後輩とも、仲間とも。特に、あの先輩――いつもヘラヘラして、責任から逃げてばかりだった3年の男子。ずっとソロがあるのに練習せず…というか、練習してても目立つところばかり。他は全くダメ。
最近ずっと“だったら”ばかりが、私の頭をぐるぐるまわっている。
「もっと早く、みんなでちゃんとやれてたら」
「もっと、私に力があったら」
後悔だけが、舞台袖で私を押しつぶす。でも、泣くわけにはいかない。
県北が終わった後なんかもっと酷かった。先輩たちがサボっててもいけたこといいことにまたサボり始めたのだ。あれから二週間。結局色々あってちゃんと練習に来ている。
「音楽を届けたい」って、あの日みんなで言ったから。自分の限界を超えて、届かせるって決めたから。
トロンボーンを持つ手が震える。でも、私は変わりたいって思っている。だから、前を向く。たとえ遅くても。間に合わなくても。
――この音が、誰かの心に届けば。それだけで、今日ここに来た意味があると思う。
ついに順番が回ってきて、私は、一歩、舞台へと足を踏み出した。




