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寝坊助姫、異世界から来たりし魔王を討伐しに行く  作者: 瞬々
EPⅣ 異世界から来たりし双星の御子
90/90

四章の後書き~次章 偽りの勇者

 寝坊助姫、異世界より来たりし魔王を討伐しに行く――人生で二番目に長く描いた物語になるとは思いませんでした(もしかしたら一番目に長いお話になるかもしれない)


 次章に入る前に一旦、区切ってここまでの感謝を述べさせてください。ここまで読んで頂き本当にありがとうございます。創作について語ったyoutubeの方から来てくださる方もいると思いますが、わざわざここまで読んでくださり感謝しかありません。


 今作に関しては前に活動報告の方に後書きを色々書かせて頂いたのですが、あらためてどんな構想でこのお話を書いたのかとか、つらつらと記していこうと思います。興味ないよ!という方は、次章までしばしおまちくだれ……。


 まずこのお話を書こうと思ったきっかけなのですが、数年前も小説を書いていたのですが、一度筆を置いています。理由は様々あるのですが、創作の在り方に迷走しすぎて疲れてしまったというのがあります。後、リアルのお仕事で精神がきつすぎたところも(多分これが一番の原因)


 それでしばらくはWTRPGをちょくちょく遊んでキャラクターを創作したりなんだりしたんですが、設定を作るだけ作って殆ど遊ばずに終わってしまった子がいるんですね。


 そう、それがヘレン・ワーグナーです。寝てて気づいたら終わっていた!


 そこが心残りであり、いつかこの子とこの子と一緒に関わった子のお話書こう書こうと思っていたのですが、同じゲームで遊んでいた友達に相談したら自分のキャラ登場させて構わんよと言われたので、その子達もお借りすることにしました。


 そう、それが今の旅のメンバー、イズル・ヴォルゴールくんとエフィルミアちゃんです。今作の世界に合わせる形で設定は多少変化がありますが、大事にお預かりさせていただいています。


 今作は非常に単純な勇者VS魔王の王道ファンタジー……と見せかけて、勇者も魔王もそっちのけでなんかよく寝る女の子が主役となっております。


 そうです、魔王の呪いを受けてなんか常に夢見状態となってしまい、勇者一行からドロップアウトした女戦士のお話です。こう聞くとギャグっぽい感じもありますし、実際笑ってしまいそうな場面が何度かあったかと思います。流れるように樽の中で眠るムーヴ、誰かに無理やり起こされてだらしない反応で返す等、ここのやり取りを書くのが一番楽しいまであります。


 先述した話もありますが、個人的に物語の中で一番設定を詰め込んだキャラクターになります。めちゃくちゃ強いけど、呪いで弱体化していて、気が付いたら眠ってしまう――そして眠っていても強いがデメリットも大きい等、書き出すとだいぶややこしいキャラではあります。皆さんの第一印象も気になる所です。


 そんな笑いしか誘わない彼女ですが、何度も何度も大きな挫折を味わっています。一度は故郷を蹂躙された時、そして二度目は魔王に敗れた時です。しかしその挫折を感じさせないようなユーモアといつの間にか立ち上がっている(起き上がってる?)ところが彼女の魅力になるのかなと考えています。そんな子ですが、今後も物語を読むうえでお付き合い頂ければと思います。


 そして、色々詰め込んだのはヘレンだけではありません。イズルやエフィルミア等も色々考え、或いは親御さんにご相談して、こんな話に絡めようとか考えました(親御さん方は「好きに書いていいよー!」とは言ってくれてます)


 特にエフィルミアは故郷との確執も考えて、色々と設定を練りに練りました。故郷、家族周り、五大氏族の辺りは考えていてとても楽しかったところです。イズルについてはちょくちょく設定が垣間見えているかと思いますが、今後お家周りだとか彼自身の力と活躍を出していくつもりです。


 章ごとにお話のテーマと言いますか、意識していたこともあります。


 第一章

「ヘレンの復帰と旅立ち」

なろう主流の所謂「追放」とも違う離脱。勇者や冒険者が主人公のお話だと旅の仲間が一旦離脱して後から合流とかありますが、その「離脱した側」の物語とも言えますね。


 彼女自身、戦えなくなることに未練もあり、途中色んな人の叱咤激励(主にセレーネ)があって、一章の頃には「またいっちょやるかー」という気持ちになりつつありますが、絡新婦アラクねとの戦いでまた気持ちが揺らいでます。


 それをサポートするイズル君です。ヘレンとは対称的で、しっかり者(石頭と度々言われます)にて、貴族であり、現場で戦う戦士というよりも政治的に戦うタイプ。この二人の奇妙なコンビの物語がここから始まっていきます。


第二章

 魔王が人類共通の敵なら、人類側は一致団結するんじゃないの? に対する「果たしてそうかな?」という疑問がテーマです。


 人類側(この章ではアリエス王国)は様々な要因、個々の立場によって考え方が異なり、それが纏まらないうちに戦端を切った結果、この戦いは泥沼と化します。例えとして不適切かもしれないんですが、十字軍の歴史を調べていた時の印象を元に書いています(あちらは人間同士の戦いなんですが)


 厭戦気分の王派閥に対し、ソル王子は業を煮やし、アストレア村への進軍を提案、そして自身が王になればいいという中々過激な思想の元行動することになります。ここにはソル自身が幼少の頃から重ねてきた不満や不信、コレットに対する想い等様々な心情が絡み合い、歪んだ結果であります。


 メインであるコレットは普段は物腰柔らかであり、ヘレンの面倒を(半ば仕方なく)見てくれるお姉さん的なキャラです。ソルの計画を知って暴走していく騎士団に迷いがあって、物凄く悩んでしまっていたところにあまりに呑気過ぎる寝坊助娘との出会いに心が変わっていきます。


 ここでヘレンは村を蹂躙した宿敵ロキと出会います。意外にも魔王本人よりも因縁が強いですね。ロキの趣味は転生してくる色んな人間の破滅を見る事……趣味悪いですね、親の顔が見てみたいです。


第三章

 道は一つではないというのが今章のテーマ。暗く閉ざされた環境においては一つしか道は見えないものです。少し光を灯すと道は幾つもあることが分かる……的な。

 前半はヘレン達の日常。斧を失くした事が頻繁に出てきます。そうです、木こりの泉がちょくちょく出てきます。今作はおとぎ話要素がちょくちょく絡んできますので、探して見ると面白いかもしれません。


 魔法偏重主義のエルフの国と、魔法が使えないけど腕っぷしのいいエフィルミアの登場です。魔法が使えない代わりに武術の修行を積み、魔法に対しても未練があり魔法の研究を独自に行う等の努力家な子です。ある意味ヘレンと似たような境遇の子かもしれません。


 エフィルミアが中心と見せかけて、勇者と魔王の因縁についても言及していたりします。今後のお話の鍵となります。


第四章

 今章ですね。ある犠牲の上に成り立っている偽りの平和。後、天才と秀才と凡才もおまけで。


 かなり前から考えていたお話で、人狼のようなお話にするつもりでした。大きな声で言えないんですが、レナッタも当初は姿形は一切出さず、実は既に魔人の手で殺されて身体を乗っ取られていた……みたいなお話にしようかとも考えました。


 が、レナッタの性格とかを描く上でやっぱり当人は出したいなというのと、実際に出してみたら「あ、こいつ、いつの間にか死んでるとかは出来ないくらい元気じゃん」となってしまいました。人狼要素は殆どなくなりましたが、人狼役のドッペルゲンガーちゃん(くん?)は練りに練っていたのもあり、だいぶいいキャラしていたと思いますが、どうでしょう?


 本物VS偽物のやり取りも二回ありました。一つはドッペルゲンガーとの戦いですが、もう一つはチュチーリアと弟子のジネーヴラ。ここでいう偽物はジネーヴラが自力ではなく、魔物の力を使ったことを指します。


 二人の戦いは今章で考えていた中でもしかしたら一番楽しかった(というのはあれなんですが)部分かもしれません。ジネーヴラは魔族に深いトラウマがあり、その恐怖を払拭したくてもしきれず、挙句には魔人に魂を売ってしまうような所業に出ます。


 彼女の中には師匠であるチュチーリアに対する嫉妬心であったり、ああなったらきっと何の不安も無いのだろうという気持ちがあります。チュチーリアはチュチーリアで本物の「天才」を知っており、自分の才能などたかが知れている(だから努力するしかない)と考えていたので、ジネーヴラがそんな事を考えている等、微塵も察せていなかったりします。そのすれ違いから生まれた悲劇というところです。因みにチュチーリアは今後も出番があるので、彼女がどう向き合っていくのかもお楽しみに。


 レナッタとニコロの双子コンビは最終的に「国は護るけど、たまには自由気ままにさせて欲しい」という主張をすることで、ひとまず落ち着きました。しかしまだまだ束縛されている身であり、まだまだこれからというところです。


 さて、気が付けば普通に物語書いている並の長さになってしまいました。今後も色んなキャラそして、色んな場所の物語を展開していくつもりですので、またお付き合い頂ければと思います。


次はEPⅤ「偽りの勇者」でお会いしましょう。



 ではでは。

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― 新着の感想 ―
追い付きましたー こういう裏話こそ、作者の人柄というか創作物の醍醐味だと思うので、自分は好きです。 章が進むにつれて、多彩な群像劇というか、各キャラの思惑やテーマや衝突があって、物語というか創作の…
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