第六十一話 多分Gではないはず
ウォル太がネクロマンサー君と会敵から三日後、そろそろグランガイツに着いてるであろうと思われる。
そんな事を考える、こちらディアードのシグ・レインフィールドです。
「・・・・・面白いっちゃあ面白いんだろうけど、勇者作成が延期になっちゃったな。」
「何の話だ、シグ?」
「スカルか、まあちょっと俺が考えてる第三次魔導大戦のプランをだな・・・・・。」
と、俺は本屋から調達してきた世界史の本を見せる。
ちなみに第一次魔導大戦は痛女のケツ拭きで起こった物で、第二次は純粋に国家同士が、第三次は俺主導で起こる物です。
「ああ、あれか・・・・・。最終的には魔王様とお前の友達ぶつけるつもりなんだろ?」
「うーん・・・・・それもいいんだがな、それよりも。」
「ちょ、何でこっちに来るシグ!?」
「いやー、ここらで久しぶりでお馴染のスカルいじめを・・・・・。」
「忘れて!そんなアホみたいなお約束忘却の彼方に・・・・・ってギャァァァ!?毟るな!?毟らないで!?そこの毛は毟らないでぇぇぇぇ・・・・・。」
数分後。
「もう、お嫁にけない・・・・・。」
「婿だろうが馬鹿。」
股間を押さえてマジ泣きしているスカルがいました。
どこを毟ったって?
ナニに決まって・・・・・って、言わせんな恥ずかしい。
ま、そんなもんは居間にころがしといて。
「ユウは・・・・・あ、店番してたんだっけな。おーい、ハイド。居る?入ってるよ?」
「そこ普通入るけど?だろうが!」
凄まじくだらしない恰好・・・・・ぶっちゃけパン一でエロ本読み漁っているハイドの部屋に無駄に気配を消して突入した。
「ちょっとお使い頼まれてくれない?」
「え?良いけど・・・・・何すりゃいいんだ?」
「ああ、以前こっちに転生させた子がめでたく工房持つようになったからお祝い持って行って欲しいからってのがね。お弁当と転移装置も用意したんで行って来てくれ。後・・・・・。」
「後?」
「帰りにス◯バ寄ってベンティアドショットヘーゼルナッツバニラアーモンドキャラメルエキストラホイップキャラメルソースモカソースランバチップチョコレートクリームフラペチーノ買ってきて。」
「・・・・・え?今なんて?」
「もう一回言うから聞け。一度しか言わないからな。」
「よし、言って見ろ。一度しか聞かないからな!」
「・・・・・。(ビキィ!)」
(しばらくお待ちください。暇な方は脳内に水上を優雅に走るボートの画像をどうぞ。)
「・・・・・はい、えーと・・・・・独り立ちした子に祝いの品持って行った後、ス◯バでさっき言ったのを買ってくればいいんですよね?・・・・・だから、その振り上げた拳を下ろして貰えませんかって言うか、降りて下さいやわりとマジで!」
数分後、アホな事言った馬鹿にマウントを取っています。
「さて・・・・・じゃいって来い。間違えたら殺すから。」
「分かった分かった。じゃ、行ってくるわ。」
「シグさん、お客さんが・・・・・で、スカルさんは股間を押さえて何を?」
「ユウか。スカルは気にするな。」
「はい。」
ユウに言われ俺とハイドは一階に降りて行くと、
「ハッロ~☆」
「見敵必殺!」
「ちょ、ちょっと!?挨拶代わりに正拳が飛んでくるってどう言う事よ!?」
「あ、姉貴。」
痛女がいた。
何しに来たこいつ。
「ま、さっきの事は置いといて・・・・・私ちょっと探し物があってこっちに来たのよ。」
「探し物?」
「そうよ?ちょっと目を離したすきにあの屑居なくなって・・・・・ま、それはともかく元気そうね二人とも?」
「息災だね、プランが難航してる所以外は。」
「じゃ、シグ。俺行ってくるけどえーと、ベンティ何とかフラペ何とか買って来るのと独り立ち記念品渡してくるんだったな?」
「・・・・・間違えたらお仕置きだからね?」
「あ、私にはメッ◯ールとドク◯ーペッパー、あと納豆サイダー買って来て頂戴。」
「ちょ、姉貴もかよ!?メモくれよ!?」
「「うるさい黙れ。」」
「・・・・・あ、はい。行ってきます。」
と、なんか憂いを抱えながら俺の作った弁当と祝いの品を持ってハイドは店を出た。
「あ、そうそう。泊まってっていい?」
「別に良いけど、埃っぽい部屋しかないぞ?普段から使わない部屋掃除しないから。」
「私を誰だと思ってるの?このアリシア・エルメリーゼ・フォン・ヴァンテーヌに不可能はないわ!」
・・・・・また名前変わってるよ。
お前の本名何なんだ一体?
恐らく姓はハイドと同じだと言う事くらいしか分からないが。
「・・・・・自分で使う部屋ぐらい自分で掃除するわ。じゃ。」
と、四階に上がって行った。
確か四階、あの二人使ってたしそこまで埃被って・・・・・ま、一週間くらい前だしな。
俺は自分の部屋に戻って昼寝でもするかと部屋に入ったら・・・・・。
「さて、と・・・・・は?」
俺は自分の部屋の異変に気づき、硬直した。
ベッドの上に、異物がいる。
しかもごろごろ転がっている。
黒い襤褸纏った何かが。
・・・・いやいや、何これ?




