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第三十四話 俺的にシナリオは進んでる

「さーてこの辺だよな、冒険者が居るのって。」

『で、どうすんだ?ぶっ殺すのか?』

「殺してどうすんだよ、変なの居るって思わせなきゃいけないのに・・・・・ま、散々怖がらせて腕や足の一本や二本は持ってくかもしれないけど。」

『痛めつけはするのか。』

「します、させます、させられます。」

『パチンコじゃねえんだから・・・・・。』


と、のしのしと歩くゴーレムの上で駄弁っている俺達。

・・・・・。


「筆者ー。ちょっと面白味が無いので、サイド変えて下さい。」

『メテぇ!?普通地の文で言うだろそれ!?』


いいじゃん、メタ発言。

・・・・・彼の要望により、視点を第三者もとい、謎の誰かに代えさせていただきます。(謎の誰かとは筆者だったり。)



*****



「・・・・・ふーむ。この辺りは・・・・・お、いい鉱石が取れそうだ。」


と、髭面の男が行動の壁を触りながら、つぶやく。


「その辺に落ちてる物も、良いのがゴロゴロ・・・・・。」

「これって、誰の遺品だろうね?」

「ちょ、おま・・・・・縁起でもない・・・・・。」


地面に落ちてる、剣や盾などの装備を拾う眼鏡を掛けた男が、この中では一番若そうな男性にひきつった顔を浮かべながら返す。


「よっ、と・・・・・おい、お前らー。こっち手伝えー。」

「はいはい・・・・・ん?」

「どうした?」


髭面の男が、人手を要求する声に応えたメガネだったが何かに気付いた。


「おい・・・・・何か聞こえねえか?」

「は?」


その時だった。

ズシン、ズシン、と何かが近づいてくる音が聞こえる。


「何か・・・・・来る?」

「お前ら・・・・・逃げる準備をしろ。」

「は?」


髭面の男が、何が近づいてきているのを察したようで、他の二人に警戒を促す。

ズゥウン、ズゥウンと、何かが近づいてくる音。

しかし・・・・・。


「なあ、あっちって確か行き止まりだったよな?」

「ああ、しかし・・・・・まさか・・・・・。」


その時だった。

突如三人の視線の先の壁が砕け散った。

土煙の中から、巨大な影がうっすらと見え、更にこちらに近づいてくる。

そして、土煙がはれ、その全容が明らかになる。

それは、自身たちの倍以上はある体躯のゴーレムだった。

それが、こちらに向かってくる。

ゆっくり、ゆっくりと。

そして、


『オォォォォ!』


それは、咆哮か、風切り音か。

凄まじい音と共にその振り上げられた腕は冒険者に振り下ろされた。


「不味い!避けろ!?」


と、髭面の男が固まっている二人に避けるように促す。


「「う、うわぁぁぁ!?」」


と、型振り構わず避けたためか、二人は体勢を崩してしまう。

運が良かったのか悪かったのか、ゴーレムは殴った拍子に転倒した。


「!?・・・・っちい!」


髭面の男は二人の所に駆け寄る。


「さっさと起きろ!逃げるぞ!」

「は、はいぃぃぃ!?」


と、死に物狂いで逃げ始めた。


・・・・・こんな所でいい?シグ?

お前返すからな、視点。

後書きづらいから俺視点にするな。



*****



「はい、こちら現場のシグです。」

『いきなり何やってんだお前は?』

「現地レポーターごっこ。」

『面白いか?』

「・・・・・正直、ノリでやって後悔してる。」


うん、やって見たかったのにいざやったらあんまり面白くないってこと、たまにありますよね?

そんな何か、空しい気持ちに囚われているシグです。


「うーん。とりあえずまあ、変なの居るって報告はとりあえずこれで行くだろ。そのためにこの階層だけやたら狭く作ってたわけだし。」

『学校の体育館位で狭いって・・・・・いや、広いのか?』

「まあ、大体一階層の広さは東京と銘打っときながら千葉にあるテーマパー『夢の国チキンレェェース!?』・・・・・うるさいな、スカル。大体広さの参考になりそうなの上げただけじゃねえか。」


まあ、際どいのは流石にね?


「ま、これでボスクエスト擬きのフラグが立ったわけでして。」

『でよ、こいつってその辺の冒険者に倒せるのか?』

「無理だろうね。だからこっちでダマスカス鋼の剣とか防具を用意してけしかけたらとりあえず倒せるぐらいにはするけどさ。」


ま、絶対普通の青銅やら鉄とかで砕けるようなボディしてないし、この子(ゴーレム)

自慢の子ですよ、ほんと。

・・・・・遠くない未来に冒険者に壊されますが。


『それ本当に自慢の子か?』

「俺がそう言えばそうなの。」


さて、この子はボスエリアに戻して・・・・・。


「さて、今日のシメであるスカルいじめを行います。」

『シメんでええ!?』

「いや、もうここまで恒例にしちゃったらやっとかないと、って思わない?」

『思わねーよ!?少なくとも俺は!?』

「ちょっとここで問題が一つ。最近お前に対するネタ切れ感が否めなくなってきた。」

『この際だから辞めるか?』

「んーん。違う。」

『じゃあ何だってんだ?』

「お前が物だからやりづらい(・・・・・・・・・)んだよ。と言う訳で、だ。」

『何?嫌な予感がするんだけど?』

「お前にプレゼント。」


と、俺は・・・・・。

スカルを指輪から人体にして見た。


「うぉ!?・・・・・おお、すげえ。」

「どーよ?」

「・・・・・ククク。俺に人体与えたが百年目ぇ!覚悟しろやシグゥゥゥ!」


と、スカルが飛び掛かって来た。

で、五秒後。


「何で人の体与えただけで勝てる思ったんだ?お前・・・・・。」

「ちょ、すんませんマジ調子のってま、し、た、ギブギブギブ・・・・・。」


あっさりキャメルクラッチを喰らってるスカル君でした。

うーん。

虐待のレパートリーが増えるなぁ。

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