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第十七話 彼の物語は強制的に(開始)

これまでにない駄文。


気分を害さないでください。

あいつが死んだって聞いてから、もう二日が経った。

他の奴らは、ああ、そんな奴いたっけ?といった反応だった。

まあ、元から『アイツ』は人付き合いが悪かったし。


―――――で?こいつがお前の言ってた奴か?

―――――そうそう、どういう風に殺るかはまだ決めて無いけど。


にしても、この声は何だ?

今朝から聞こえていて、家族それとなしに聞いてみたが、聞こえて無いとの事だった。

幻聴か?

・・・・・いや、そんなの聞こえて無い。

さっさと学校に行こう。

コンビニで時間をつぶしていた俺は、自転車に乗って学校に向かうことにした。

・・・・・それにしてもこの自転車、ブレーキ掛かり辛くなって来たな。寿命か?


―――――よし、あれで行こう。メールメール、と。

―――――何やる気だ?


・・・・・うん、聞こえて無い聞こえて無い。

よし、学校に着いた。

いつも通り時間ぎりぎりに。

教室に入ると、『アイツ』の机に花瓶が置いてある。

それにしても・・・・・。

健康な高校生が、いきなり心不全で死ぬものなのか?

何か作為的な物を感じ・・・・・ありえね-。

ミステリー小説じゃあるまいし。

あ、メール来てる。

何々・・・・・。



Title 事前死亡通知

From 死神


拝啓 東雲浩太様


本日、平成××年△月■日19時01分に貴方は電車に轢かれ死亡します。

お悔やみを申し上げます。

死亡時刻までに今生の別れを告げて回る事をお勧めします。


敬具



「・・・・・何だこりゃ?」


新手の迷惑メールか?

こんなもん届く時点で世も末だなぁ、と思う。

・・・・・削除して、メアドを変えよう。

でもまあ、今やらなくていいだろ。

さて、授業授業、と。



*****



「で、そんなアホメールを俺らに見せるのか。」

「お前はこんなカルトじみたメール信じるのか?」

「まさか。電車に轢かれて死ぬって所が無駄にうそ臭いしな。」


放課後、友人とゲーセンで遊びながら、今朝のメールを話のネタに駄弁る。


「それに俺がいつ死ぬってんだ?もうちょっとで7時だぞ?」

「だよなー。それにしても、誰の悪戯だよ?」

「ほんとうにな。あ、やべっ!?学校に忘れ物した!」

「あ、そう?俺はもうちょい遊んでから帰る。」

「じゃあな、ったくこの高校、何で坂の上に作ったんだ・・・・・。はぁ、ここの踏切長いから嫌なんだよな・・・・・閉まってる時間も規模も。」


ここの踏切が原因で何回遅刻したと思ってるんだよ。

あ、開いた。

坂道が急だからマジで自転車がつらい・・・・・。


―――――18時57分16秒。


まただ。

また幻聴が聞こえて来た。

それにしてもなんなんだこの幻聴は。

確か、俺って19時に・・・・・。

いや、考えるな!

あれは迷信だ!

そう自分に言い聞かせ、自転車に乗り、帰路に就く。

・・・・・いつも思うが、こう、自転車で坂道を駆け下りるのは何時も爽快だな。


―――――19時00分41秒。


あ、駅前のちっちゃい時計台型のオルゴールがそろそろ鳴り始めた頃だな。

あー、踏切が・・・・・。

しゃあねえ、待つ、か・・・・・!?


「ブ、ブレーキが!?」


掛からない!?何で!?


―――――19時00分55秒。


くそっ!?止まれ止まれ!

地面に足を付けて無理やり止めようとしたが、


「靴が!?」


明後日の方向に脱げて転がって行ってしまった。

ちょ、どうすんのこの状況!?


「って!?もう踏切が目の前に!?」


―――――19時00分56秒。


・・・・・踏切の棒に自転車が激突し、自転車ごと俺は踏切に投げ出された。

・・・・・よりにもよって、電車が踏切を後2、3秒で通るって時に。


―――――19時00分58秒。


「東雲ぇぇぇ!?」


・・・・・何か遠くから声が聞こえる。

今までの事がぼんやりと浮かんでは消える。

ああ、これって走馬灯って奴なんだな?


―――――19時00分59秒。


・・・・・嫌だ。

死にたくない。

・・・・・死にたくない。

・・・・・でも俺、死んじゃうんだな。

・・・・・もっと、生きたかったな。


―――――19時01分00秒。


・・・・・何か重い物が物凄い勢いでぶつかった感触と共に、俺の意識は途絶えた。



*****



「・・・・・19時01分ジャスト。死亡確認。」

『え?ほんとに死んだのか?』

「そりゃもう、熟れたトマトのように。」


俺は、先ほどの踏切から少し離れた所のビルの屋上で、先ほどの出来事を観察していた。

踏切には人だかりがもう出来ている。


「でもまあ、もう魂は回収済みだけど。ほらこれ。」

『ふーん。』

「じゃ、『戻る』か。」

『そうだな、あっちも調達終ってる頃だろうし。』


俺はスカルを指から外す。


『え?何で俺外すの?戻るんじゃねえの?』

「戻るよ?事故発生の瞬間に。」

『あ、これは嫌な予感しかしない。』

「さて、スカル君。」

『ハイ、ナンデセウカ?』

「そう怯えるな。ちょっと電車に轢かれた感想を原稿用紙五枚に纏めて貰いたいだけだ。」

『やっぱりぃぃぃぃ!?』

「五枚に纏められなかったら、その不足行分の数だけ轢かれ直してもらうから。」

『タンマぁぁぁ!?』

「『小規模タイムホール展開』。とう。」

『やめてぇぇぇ!?って、ぷげらっ!?』


スカルを事故の瞬間に投げ込んだ。

さて、どんな感想が聞けるやら。

『こいつ』はどんな感じに転生するのやら。

ま、あのメールを俺が送ったことは伏せておくか。

余計な被害被りたくないし。

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