第十五話 何しに来たんだあんた
で、また翌日。
昨日の出来事はまあ、大変だった。
ゴゴゴゴゴ・・・・・と、雲を貫くほどのデカい木が生えりゃ大騒ぎにもなるわな、ふつう。
調査団とか緊急的に組まれて結構おもしろかったな。
ま、そんなことより。
開店準備に追われてるわけでして。
「ユウ~?本並べ終わった?」
「大体並べ終わりました。そちらはどうですか?」
「こっちは表にハーブ並べたら終わりかな?」
『シグ・・・・・。』
「何だ?まだ何もして無いだろうが。」
『してるだろーが!?何だよこれ!?』
そういって何か抗議してきた。
俺はただ指輪とか飾るマネキンの指にスカルを置き、その下に、
(非売品。いたぶって下さい。)
と書いたメモを張り付けただけなのだが・・・・・。
「ちょっとぬるかったかな?制裁が・・・・・。」
『十分だよ!?むしろすんじゃねーよ!?』
「すみませーん。」
開店準備に忙しい時にお客が?来たらしい。
「すみませんまだ開店準備中、で・・・・・。」
おい。
何で。
何であんたがここに居んだ?
しかもセーラー服って・・・・・。
自分の(見た目の)歳考えろよ・・・・・。
「来ちゃった。」
「カバディ!」
『ちょ、おい!?』
思わずスカルを投げてしまった。
が、
「甘い!」
『ふごぉ!?』
避けられた。
「こっちからも行くわよ?カバディ!」
『またかよ!?』
拾ったスカルを投げられたが、そんなもん、
「止まって見えるぞぉ!?」
『へべぇ!?』
楽勝である。
「隙有り!カバディ!」
「何・・・・・むぐ、ごくん。」
何か噛んで飲んじゃったよ!
噛んだ感じトマトっぽい食感だったけど!
「何投げたおま、え・・・・・がぁぁぁぁ!?」
辛い!辛い!
辛い辛い辛いマジ辛い!
『痛覚遮断』起動、『辛み』削除削除削除!?
「・・・・・。」
「イッエース☆」
こいつ、は・・・・・。
「お前今、生の唐辛子投げたな?」
「オゥイッエース☆」
分かる人には分かるだろうが、生の唐辛子は直接食うと辛みを感じるのにタイムラグがある。
筆者はチキンなので食った事無いが。
「ちなみに。」
「何だ?」
「私の戦闘力は146万3700スコビルです。勿論フルパワーで戦うつもりなのでご安心を。」
「お前世界最凶の唐辛子投げやがったな?」
正式名称トリニダード・スコーピオン・ブッチ・テイラー。
詳細を知りたい方はググれ。
説明めんどくさいし。
『◯リーザ?』
「その人は53万でしょ?後手加減してたそうだし。」
「スカル黙れ・・・・・オーケーオーケー・・・・・こっちにも考えがある。」
「何かしら?」
「カバディ!」
「ふごっ・・・・・しょっぱぁぁっ!?ってか重っ!?」
塩の塊を口にブン投げた。
そりゃ重いだろーね。
「一粒300(キロ)もの岩塩塊。それを超高密度でハート形に圧縮、これを手に持てば一粒300(キロ)メートルも投げられるのは夢ではない!」
『ホンモンはキャラメルだぞ!?後あれピッチャーじゃなくてランナー!?』
「そう!この白は道頓堀に輝く純白の戦士の如く!そして愛と勇気そして正義の力が俺と一つになった時、銀河うぉ・・・・・。」
『あ、噛んだ。』
・・・・・。
「喰らえやゴラァ!カバディ!カバディ!」
『ほげぇ!?』
さりげなくスカルにもぶつけながら、俺は特製岩塩塊をぶつける。
「ちぃっ!?カバディ!カバディ!」
『もぎゃっ!?』
そして対抗するように世界最凶の唐辛子を俺に投げて来る。
後、あなたも何気にスカルに当ててません?
「カバディ!」
「カバディ!」
「「カバディ!カバディ!カバディ!カバディ!カバディ!」」
「ちょっと、二人とも!?」
ユウが何故か割り込んできた。
これからが良い所なのに。
「「カバディ!?」」
「周り見てくださいよ!?」
「「カバディ?カバディ!?」」
・・・・・。
あーあ。
店内が塩と唐辛子まみれ。
辺りで潰れたりして何か大変なことになってる。
「カバディ・・・・・。」
「カバディ。」
「あの、お二方は一体何を話してるんですか?」
『俺に聞かれても分かる訳ねぇーだろーが。』
「カバディ?」
『もうお前らいい加減にしろ。普通に話せ。』
「何よー。せっかく新言語、カバディ語が生まれそうだったのに。」
「変な言語開発しないでください。のった俺が言うのもあれですが。それで?」
「何かしら?」
「何の用で来たんですか?」
「あ、そうだった、そうだった。前に説明するの忘れてた事伝えるついでに私もちょっと見繕う必要あったからね。」
「何を?」
「この辺でいいわね。」
「何やってんですかあんた。」
「行くわよ~。」
「へ?」
「あなたも。ほら、行くわよ。」
「どこに?」
「どこに、ってそりゃあ・・・・・。」
そう言って振り向き、こう言った。
「転生者作成。」
筆者はカバディのカの字も知らなかったりする。




