↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
降りしきる雪をすべて玻璃に~大正乙女あやかし譚~【改稿版】  作者: 遠野まさみ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
7/40

雪月との出会い-2


その後、雪月の家で彼の作品を三冊ほど借りての帰り道。華乃子に話し掛けるものが居た。


『それで華乃子は嫁入り前だというのに男の家に上がり込むのか』


「しかたないじゃない、仕事なんだし。それに……、お話した感じでは、雪月先生はそんな悪い人ではないわ」


『いやいや、人間の男は信用ならない。俺の白い体に泥を塗ったのも、人間の男だった』


そういって男を一からげにして嫌うのは、華乃子の目の前を行ったり来たりする、一反木綿。足元には猫又が寄りついてきて、あいつは止めとけよ、とこちらも忠告を口にする。


『あいつと関わったって良いことないぞ。俺の方が、よっぽど華乃子のことを幸せにしてやる』


「……私、あやかしとどうにかなろうなんて、思ってないし、視えることが何より辛いわ……」


……そう、このあやかしたちが新しい仕事に対して今までになく口うるさい。昔から普通の人間が見ることのできない、あやかしの類を視ることが出来た所為で、彼らと喋っているところを級友や保護者たちに目撃され、あちこちで変な子供扱いされて、学校で友達がいなくなったのは今でも悲しく辛い思い出だ。だから今の会話もぼそぼそとまるで独り言のように話し、時々咳ばらいを交えながら話を繰り広げる。


「でも……、これで、女性の社会進出をファッションで後押ししたいという私の夢は断たれたのね……。それに、状況が許さなかったとはいえ、まかないの仕事まで出来てしまったし……」


二重三重にも、今回の異動に肩を落とす以外に出来ない。同じように社会で頑張っている女性の為になることをしたかったのに、未来はなかなか上手く動かない。


がっかりしてため息を零す。兎に角今日は借りてきた雪月の本を読もう。まずはそれからだ。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。