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DoomsDay  作者: 文乃絢千
13/56

13.それぞれの思惑②

 菊池友康(きくちともやす)は歌舞伎町の売れないホストだ。年齢は二十一歳。武器は斧。店では雑用と掃除を担当している。彼は会話が苦手なため、ヘルプにも呼ばれなかった。友康はホストを辞めようと思った。先輩からドゥームズデイの噂話を聞き、参加を決意した。


 遠藤茜(えんどうあかね)は大学生だ。年齢は二十歳。武器は【デザートイーグル】。マグナム弾を連射できる、世界最大級のハンドガンだ。保育士を目指す彼女はホスト通いに嵌(はま)っている。お金はパパ活で稼いでいるが、それでは足りなかった。推しを店で一番にするため、ドゥームズデイに参加した。


「これからどうするの?」茜が友康に尋ねた。


「最初は様子を見た方がいいと思う」


「誰か殺さないの?」


「何で殺したいの?」


「一人、一千万だよ? こんなチャンス、滅多にないわ」


「様子を見た方がいいよ」


「あんた、使えない奴ね」茜は地面に唾を吐いた。


「確かに俺は使えない奴だけど、命が掛かっているんだ。冷静になった方がいいよ」


 茜は【デザートイーグル】を構えた。


「俺を殺してどうするんだよ? 一人で戦うのか?」


「一人の方がいいかもね」


「本当に落ち着いた方がいいよ。一人で戦うのは無謀だ」


「あんた、少しは度胸があるのね」「まぁ、いいわ」


「はぁ、茜さん。勘弁してよ」友康はため息をついた。


 多田裕也(ただゆうや)は真面目な銀行員だ。年齢は三十五歳。武器は工事用ハンマー。地方銀行に勤める彼は優秀な男だ。家族に恵まれ、生活に不自由は感じていなかった。だが、裕也は酷く退屈していた。繰り返す毎日、見慣れた風景、味のしない食事。(どれもこれもつまらない)部下からドゥームズデイの話を聞くと、裕也は静かに参加を決意した。


 安達信二(あだちしんじ)はスーパーマーケット内を清掃する清掃員だ。武器は鉄パイプ。信二も人生に退屈していた。同じところを掃除し、何度も繰り返す作業が苦痛だった。独り身の彼は寂しかった。自宅で飲む焼酎が唯一の楽しみだった。(幸せなのだろうか)彼は疑問に思う。ドゥームズデイのことを知った彼は、新しい人生を夢見た。


「退屈だ」裕也は呟いた。


 信二は何が退屈なのか理解できなかった。(変な奴と組んじまったな)


 二人が道を歩いていると、一人の男が走って来た。信二は男を止めた。


「どうしたんだ?」信二が尋ねた。


「仲間が殺された」男は呼吸が乱れている。


「それは災難だったな」


「あんたも気を付けた方がいい。恐ろしく強かった」男は震えている。


「そんなにか?」


「あぁ、動きが全然見えなかった。あれは化け物だ」男は涙を浮かべた。


 信二は恐怖を感じた。


「あぁ、退屈だ」裕也はゆっくりと工事用ハンマーを持ち上げる。そして男の頭にハンマーを振り下ろすと、男の頭は潰れた。「あぁ、生きてる」「生きてる」


 信二は言葉を失った。(こいつは一体、何なんだ?)


「あぁ、生きてる」裕也は恍惚(こうこつ)としていた。

>>登場人物

菊池友康(きくちともやす)21歳


遠藤茜(えんどうあかね)20歳


多田裕也(ただゆうや)35歳


安達信二(あだちしんじ)32歳


>>設定資料

デザートイーグル。マグナム弾を連射出来る、世界最大級のハンドガン。

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