第19話 転校生再び
新学期の幕開け。
俺たちはついに高校2年生になった。
俺はいつものように朝食を済ませ、期待半分不安半分で家を出た。
「そういえば、ウリエルはどこだ?
見当たらないけど」
「何か用があるから先に行ってると言っていたが」
「え?何か凄い不安なんだけど
他に何か言ってなかった?」
「特に何も言ってなかったが
何かえげつない事を企んでいそうな顔をしていた
な」
「はぁー、今度は何をやらかすのやら」
不安100%で教室に入ると何やらクラスの皆、特に男子がざわざわしている。
ちなみにクラスのメンツは半分ほどは変わらずといったところだ、龍也や神原さん、宮崎さんと数人のファンクラブの子達も同じクラスだった。
席はひとまず自由なので既にいた龍也の近くに座ると龍也と挨拶を交わし
「今日、転校生がこのクラスにくるらしいよ」
「なるほど、それで皆が騒いでるのか
神原さんの例もあるから期待大ってとこか」
「さすがに2連続で美少女が転校してくるとは思わ
ないけど」
「まぁな、この世は美少女が数少ないからこそ重宝
されるわけだし」
この時、その考えがよぎらなかったわけではない
でもさすがにそれは無いだろと思っていた。
担任の先生も変わらず白井先生だった。
「新学期早々で忙しいが新入生を紹介します
どうぞー」
俺は最悪の展開に絶望を通り越し無我の境地に入った、ふんわりした金色の髪に青色の目をしている美少女、そうウリエルだった。
「皆さん、こんにちはー
今日からこの学校に転校してきました
桜井 ウリエルと言います
よろしくお願いします」
「よっしゃ、ハーフ来たー」
「凄い美人じゃん
これは校内美人ランキングに変動あるぞ」
「悔しいけど、達也君と並んだら
金髪同士、凄い絵になりそう」
などと称賛の声が鳴り響く中
ウリエルはスタスタと俺の席まで歩いてきて
「どうです優さん、驚きました?」
「お前なー
こういうことは事前に言っとけよ
そもそもなんで転校できて」
「よーし、じゃあ席決めするぞー」
しまった、聞きそびれた。
しかもくじ引きの結果、今回は中央の右側の1番前という最悪の立地。
そして左隣は
「やったーーー
優さんと隣の席だなんて夢のようですー
仲良くしましょうね」
「先生ー
ちょっと授業に集中出来なさそうなので席替えを
要求します」
「ちょっと、何言ってるですか優さん」
「そうだぞ天道
1番前なんだから授業を受けるのにこれ以上のい
い席はないはずだ」
やはり無理か、龍也とも離れちゃったしもう最悪な展開だな。
「優さん、今日は教科書ないので
その、席をくっつけて見せて欲しいのですが」
「見せるけど、そのかわり後で聞きたいことが山程
あるからちゃんと説明してもらうぞ」
授業中はさぞうるさいと思っていたウリエルなのだが意外にも静かに授業を受けていた。
そして昼休みになり俺はウリエルもとい桜井さんとルカーサルと共に使い魔談話室へ行った。
「で、どうやってこの学校に転校してきたんだ?」
「えっと、神様に頼んでちょちょいと戸籍を作って
もらって、後は優さんの親御さんたちに保護者の
代わりになってもらったという感じで」
「はぁー、母さんも父さんも何も言ってなかったん
だが」
「それは私が優さんを驚かせたいから黙ってもらっ
てまして
怒ってます?」
「いや、ちょっと自由すぎる使い魔だとは思うが
どうしても高校に通いたかったんだろ
理由はともかくとして
なら特に俺が怒る理由はない
その代わりクラスの皆に迷惑かけるようなことは
するなよ」
「大丈夫です
これでも私割と優等生なので」
「そうか、見栄を張るのも程々にしろよ」
「え?疑ってるんですか
まぁいずれ分かりますよ」
さて、俺は残りの高校生活を無事に過ごせるのだろうか。




