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第二十七話 火炎の兄姉、動き出した脅威

そして放課後に

校門に黒いロングヘアの女が立っていた

「・・ねぇ、そこの君。火炎龍って知ってる?」

「え、あ、あぁ、知ってるけど・・・何か・・?」

「その子を探してるの。どこにいるか知ってる?」

「た、多分もうすぐで出てくると・・・」

「・・そう、ありがとう」

その五分後

俺はいつものメンバーで帰宅しようとした

「・・・ここで何をしている」

「ちょっとね、ふっ!」

男はいきなり蹴りかかって来た

「なんの。ぅらぁあ!」

「っ・・・ふぅん、成長したね。私のこの技、受けてみなさい」

「なら俺も対抗せねばな」

「高速の連打蹴り・・」

そっちはやっぱり蹴りか

なら俺は(こぶし)

「高速の連打打ち・・」

機関銃蹴(マシンガンショット)!」

機関銃拳(マシンガンナックル)!」

ズガガガガガガガガガガガガガガ・・・・・

ドガガガガガガガガガガガガガガ・・・・・

二つの攻撃が撃ち合った

「ほぅ・・・ならこれならどうだ」

今度は後ろから深く帽子をかぶった男が現れた

「次はお前か・・」

わくわくするねぇ・・・

「脚力より繰りなす迅速の刃・・」

俺は木刀を何処かしらかとりだした

「腕力により撃ち出される嵐の斬撃・・」

旋風刃(せんぷうじん)

旋風斬撃 (サイクロン)

ビュォォオオ・・!

風の刃と嵐の斬撃がぶつかり合った

「・・成長したな、龍」

「そっちは二人ともあいかわらず脚技(あしわざ)か、兄貴、それに姉貴」

「兄貴!?ってことは龍のお兄さん!?」

「それとお姉さん!?」


「改めて、こっちが俺の兄貴、炎華(ほのか)迅刃(じんば)

「よろしくな」

「そして姉貴の火羽(かう)炎次(えんじ)

「よろしく」

その後みんなの自己紹介をした

「・・なぁ、龍。名字がみんな違うよな?なのに兄弟か?」

「あぁ、うん、まぁ、みんな自分の本名を名乗ってるからな」

・・さらに分からなくなったようだ

説明めんどくせ・・・

そこで説明をしたのは兄貴だった

「俺らはみんな拾われたからな

当時は俺は五歳、炎次は三歳、そして龍は五ヶ月

うちら火炎の一族は一番年下の子供が六歳になるまで(ほむら)の名字を使うんだ

だからそれまではずっと一緒に住んでた」

つぎは姉貴が説明をしだした

「だけど龍が六歳になってから私と迅刃は自分たちを捨てた家に戻り今もそこに住んでるの

わざわざ自分たちを捨てた家に戻るのはその時は私たちの親はみんな不治の病ってのにかかっててやむなく捨てたのよ、だから戻るの」

最後に俺自身が説明した

「兄貴も姉貴も出て行くなかで俺に関しては本当の自宅の場所が分からないかった

だからその拾ってくれた親に実の息子として育ててもらってたんだ

だから今もずっとそこにいる」

・・・大体分かったのかみんなおぼろげに頷いた

並びで言うと

長男、炎華迅刃

長女、火羽炎次

そして三男、火炎龍(おれ)

「それよりさっきどっから木刀を取り出したの?」

「どっからでもよくね?」

「そだな」

俺たちは笑い出した

この雰囲気、久しぶりだ

「ところで二人とも仕事は?」

「忘れたのか?俺はプロサッカー選手。エースプレイヤーさ」

「私は環境保護団体の一員だよ」

てか知ってるし

「そうじゃなくて。仕事はどうしたんだって」

「私たちしばらく休暇とったの」

「二週間だよ。だから泊まりに来たんだ」


「・・・炎華・・火羽・・火炎・・・」

「どうしたの?竹内さん」

瑠奈が尋ねたが少し間が空いた

竹内は少し考えてから口を開いた

「・・・三家がそろうまで分からなかったけど・・地獄の御三家だ・・・」

「・・・どういう事?」

「・・最強の三つの家系・・・」

「・・本当に・・?」

この国(にほん)じゃあまり知られてないけど・・それぞれが同じ軍の一員でこの三家だけで一つの国軍を壊滅させた事があるって言うぐらい・・・これはつい最近、数年前にやられたことだって・・・」

本当?と訴えるような眼差しで俺らを見る

「・・それってさ・・・」

「あぁ・・五年前のあれだよな・・・」

今度は説明してと言わんばかりの眼差しだ


五年前の夏休み、俺たちは火炎(おれ)の家に集まっていろいろと話したりしてたとき・・・

「・・もしもし?」

「龍か?」

「・・・あぁ、火戦(かせん)さんか。どうした?」

「いや、頼みがあるんだが・・・」

頼み・・?

なんだろうか・・・

「実は今俺たちの軍が押されていてな。出来れば君の兄弟と共に助太刀に来てほしい」

「・・わかった。相手は?」

「アメリカ大陸の国軍」

国軍・・・

もはやそれは国が相手では無いだろうか・・?

「すぐ向かう」

というわけで俺たちはその日本軍の助太刀に向かった


「・・で、日本軍(こっち)は?」

「2500だ」

国軍(あっち)は10000ね」

兵の数が桁違いじゃねぇか・・・

千単位と万単位かよ・・・

「・・日本軍の兵よ、俺はお前らに一人一殺(いちじんいっさつ)、つまり一人必ず一人を倒す事を望む。俺たち、火炎、炎華、火羽は一人2500人倒す」

「ヨユーだぜ」

「右に同じ」

「という訳だ。だがしかし、安心してはならない。油断したら死あるのみだ。心してかかれ。

俺らは先に向かうお前らはお前らのペースで来い。行くぞ」


「という訳でやったら俺たち三人だけで敵全員倒しちまってな」

「俺らのあだ名が『地獄の御三家』だったな・・・」

「あん時は凄まじかったよな」

「もうあんな事したくないけどね・・・」

その前にもうオファーはないだろう

「ところで龍。お前双名(フタツナ)なんだろ?」

「ん?いいや?」

「あら?じゃあ龍の息吹(ドラゴンブレス)は噂か・・・」

本当だし

噂って何だよ・・・

「・・俺六名(ムツナ)だけど」

「・・増えてら・・・」

「な、何があるの?」

「俺の名前をあわせて付けられた順番で言うと、龍の息吹(ドラゴンブレス)追う者(チェイサー)黄眼(こうがん)の龍、寝起き(スリープアップ)、そして龍殺し(ドラゴンクラッシャー)だ」

「最後のドラゴンクラッシャーってすげぇな・・・」

まぁ、漢字で書くと龍殺しだからな

「チェイサーって?」

「警察として犯人を追うとき犯人がどこに行ってもこの鼻で追い詰めるから付けられた、と思う」

追う者、だからな

「お前、恐れられてんのな」

「まぁな」


火炎家

やっと帰ってきた

今日は函崎と北上(ほくじょう)姉妹が泊まりに来ている

「・・なぁ、瑠奈ちゃんとその女の子は?」

「瑠奈は同居人、ルルは従妹で居候」

「ずいぶん簡単な説明ね」

それ以上言う事がないからな

これで十分だろ

「じゃ、晩飯つくるわ」

「わぁ、久しぶりだね、龍のご飯」

・・喜んでんのか

よく分からん・・・

「兄貴、姉貴、手伝ってくれ」

「え、あ、あぁ、わかった」


「・・二人とも、ここに戻ってきたのは俺何か報告があるんじゃないのか?」

「やっぱわかってたか。その通り、さすがだな」

・・厄介な事じゃなけりゃいいけど・・・

「実はな・・等々(とうとう)、奴が動き出した」

「奴・・?」

「あの脅威、闇龍(ダークネスドラゴン)のヴァジュラ」

ヴァジュラ・・!!

奴が・・・

「私の術、透視術(スコープ)竜界(りゅうかい)を除いてみたんだ。そしたらヴァジュラが人間界への門に向かって動いてたの」

この世界は違う次元に三つの(くに)ある

人が住む人間界、龍が住む竜界、そして魔物がすむ魔界

この三つの界を三界(さんかい)と呼ぶ

・・そうか・・・等々・・・

「あとどれくらい有余があるかは分からない。でもまだ、遠く、しばらくは大丈夫」

「もう少し炎次(こいつ)透視術(スコープ)で監視する。今度また近づいたら教える」

「・・わかった。ありがとう、兄貴、姉貴」

・・・あいつは・・俺が、必ず・・・

「・・ところで龍。私たちね、すごいがんばってるんだよ」

「ドラゴンの事だろ?お前らから龍血(りゅうけつ)の匂いがするからな。助かってるよ。流石は二番手(ナンバーツー)三番手(ナンバースリー)だ。ありがとうな」

「それほどでもねぇさ。俺らは知ってるからな、龍の事をよ」

「・・ありがとう」


その頃

居間の函崎と女子たちは

「・・・あいつらさぁ・・・」

「龍とお兄さんとお姉さんの事?」

「あぁ・・あいつらさぁ・・・みんな寄せ集めの兄弟にしてはすっげぇ似てるよな」

「確かに顔立ちとか性格とかそっくりだよね」

「それがどうしたのよ、函崎」

「・・・いや・・偶然・・・じゃあねぇんだろうなってさ」

少しの間沈黙が部屋をよぎった

「・・・・ま、そんな事どうでもいいんじゃない?」

「確かに、そうだな」

「どうでもいいならなぜ話したんだ・・・」

みんなが話してる間に龍が戻ってきた

「お、龍」

「またせたか?出来たぞ」

「・・何分経ったの?まだ十分も経ってないんじゃない?」

経過した時間は九分四十七秒だ

「まぁ、今日は切り刻んだだけだし」

魚とか野菜とか

「でも切るだけでももっとかかるでしょ」

「俺ら見てたけど早業過ぎてまったくわからなかった・・・」

「魚とか切ってる時の龍の腕が消えて見えたからね」

「どんなスピードで切ってんだよ」

人には観測できないほどのスピードだろ

「両手に包丁を持ってそれを押さえないまま切ってたから・・・」

「食材が切った衝撃で動く前に次の()で押さえるように切るんだ。ドラマーとかだ高速でドラムを連打するだろ、あんな感じだと思ってくれればいいんじゃないか」

おぼろげに納得をしているようだ

「で、今日は鮪と鯛の姿造りだ」

姿造りとは魚の頭と尾を船の頭尾に置き

身を切り鱗のように飾り付けたさしみの事だ

と作者は考えている

「さ、食おうぜ」


第二十七話 終

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