光星化粧品の勉強会と、天音の苦悩
今回は店舗合同の『光星化粧品』によるビューティー勉強会!
超美人のブルベ系プロパーさんに熱心にタッチアップされている神楽坂エリア長を見て、なぜかモヤモヤと嫉妬(?)で機嫌を損ねてしまう天音ちゃん。
一方、エリア長は「どうすれば薬師寺先生の機嫌が直るんだ……」と内心で大焦り!
さらに、美容男子・橘くんが天音ちゃんのパーソナルカラー(イエベ肌)に合わせた最強のメイク理論を大爆発させる、コスメとすれ違いが詰まった華やかな一幕をお楽しみください!
今日は、店舗合同の『光星化粧品』によるビューティー勉強会。
やってきた担当のプロパーさんは、ため息が出るほどお肌が真っ白な超美人のブルベさんだ。
……なっ、なぜかしら……!? 私と何がどう違ったら、あんなに透き通るような透明感が出るのよ……!
目の前では、クールで普段は微動だにしない神楽坂エリア長が、なぜかそのプロパーさんに美容部員のタッチアップを実演されている。
「エリア長さん、お肌がとてもきれいですわ♡」
プロパーさんが、もう見慣れているどころかプロ並みに慣れた手つきで、テスターの化粧品をすいすいとエリア長の肌に塗っていく。
もう! もう! なんなのよこれーー!!
ただでさえカッコいい上司をそんな至近距離で触らないでよ! これ以上、私の乙女心と胃を乱さないで……!
それに何あの綺麗な腕は。陣内エリア長とはまた違う、まるでガラス細工みたいな透き通った手……。
ブルベ!エリア長、尊すぎ…透けすぎよ……!!
一方その頃、当の神楽坂エリア長は内心で冷や汗を流して激しく困惑していた。
(クソっ……私は美容や化粧品の知識などにはあまり明るくない……。一体どうすれば、目の前で不機嫌そうに頬を膨らませている薬師寺先生の機嫌が直るんだ……?
そもそも、この光星化粧品の方に肌を触れられているのが、彼女の不機嫌の原因なのだろうか? いや、ここでいきなり振り払うのも不自然だしな……。
だが……どうアプローチすれば彼女に似合う色やアイテムが分かるというのだ……!
くっ……少し機嫌を損ねている姿すら、可憐すぎて直視できん……!)
そんな緊迫した空気をよそに、一人だけ「勝った」と言わばかりの余裕の笑みを浮かべる男がいた。
橘陸である。
(フッ……あの光星化粧品のプロパーめ、エリア長の美しさに甘えていい気になるなよ! エリア長がタジタジになっている隙に、俺がこの手で直接、天音さんに最高のメイクを施してやるぜ……!)
「あーまーねさん、どうしたんですか〜?」
ふと声をかけられ、私はハッと我に返った。
(いけない、いけないわよ天音! エリア長は私の彼氏でも何でもないのに、プロパーさんにタッチアップされているだけでヒスりそうになるなんて……私、どうかしてるわっ!)
「ん? 何でもないよ、橘くん!」
「フッフッフ……天音さん! 悩む必要なんてありません。僕があなたの良さを最大限に引き出すメイク、全部教えてあげますよ。ズバリ、今日のテーマはこれです!」
そう言って、橘くんはスマホのメモ画面をスッと差し出し、ものすごい熱量で解説を始めた。
1. ベースメイク:ツヤ感とヘルシーさ
肌作り:肌になじむ、ナチュラルなオークル系や、ほんのりピンクみを抑えたファンデーション。
質感:マットすぎるよりも、内側から発光するようなツヤ肌やセミマットに仕上げると、天音さんのヘルシーで健康的な魅力が引き立ちます!
2. アイシャドウ:温かみのあるブラウンやゴールド
似合うカラー:王道のブラウン、ベージュ、ゴールド、キャメル。血色感と可愛らしさを出すコーラルピンク、オレンジ、テラコッタ。
ポイント:青みの強いピンクやグレー、パープルなどは少し浮いて見えてしまうことがあります、黄みや赤みを感じるカラーを選ぶと明るくなります。ラメを選ぶなら、シルバーよりもゴールドやコッパー(銅色)のラメが最高に似合います!天音さん最高!!
3. チーク:血色感をプラスするコーラル・オレンジ
似合うカラー:コーラルピンク、オレンジ、サーモンピンク、アプリコット。
ポイント:ふんわりと頬にのせることで、イエベの肌に自然な血色感と明るさが生まれます。ゴールドの微細なパールが入っているものも天音さんの肌に馴染みやすく華やかになりますよ!
4. リップ:ジューシーなオレンジレッドやテラコッタ
似合うカラー:コーラルレッド、テラコッタ、オレンジブラウン、サーモンピンク。
ポイント:深みのある秋色も、イエベさんならとってもおしゃれに使いこなせます。明るく仕上げたいときは、シアーなコーラルオレンジやコーラルピンクが顔色をパッと明るく見せてくれます!
「ちょっとオータム系のトレンド意識なんで! よっ!」
「はっ……はわわわわ……っ!」
プロ顔負けの専門的な解説と、手際に私の頭は完全にフリーズした。
すると、私たちの様子に気づいた光星化粧品のプロパーさんが、ふんわりと微笑みながら近づいてきた。
「あら、すごくお化粧やコスメに詳しいんですね、橘先生」
「えへへ、当然です! ……ほら、天音さん、すごくお似合いですよ♪」
橘くんが手際よく私に似合うアイシャドウとリップを合わせていく。
いつもの「地味でパッとしない私」とは違う、プロにプロデュースしてもらった温かみのあるオータム系の仕上がり。
いつもと違う自分に戸惑いながらも、周りにいるハイスペックなイケメン達(と美しいプロパーさん)の眩しすぎる羨望の眼差しを一身に浴びた私は、嬉しさと気恥ずかしさのあまり、またしても盛大に目眩を起こしてしまうのだった……。
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