↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
VRゲームで鳥をもふもふしたいだけ!〜だったのに親友の彼女と百合沼にハマっちゃった件!?〜  作者: 音夢
西部ブルンヴァルト編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

32/132

30羽目:実験って大体爆発しない?

何と2万PVに到達しました!皆様ありがとうございます!

 スープを飲み終えてから、ふっと思い出したかのように、インベントリから例の護符を取り出す。


「そうだ、みぃ。これ、ちょっと見てくれる? 何に使うのかわからなくて……なんかタンクっぽい感じはするんだけど」


「ん? どれ?」


【守護の護符(プロテクト・チャーム)】

 カテゴリー:合成アイテム

 効果:守護を操る古代の術式が刻まれた護符。自身の位置を中心に、範囲内の味方の被ダメージをわずかに軽減。

 ※融合することで、装備品の進化可能。


「へぇ……これが、クエストの追加報酬ね。……っていうか、この術式、めっちゃはっきり見えるんだけど?」


 みぃが目を細めて護符を覗き込んでいる。どうやら術式の構造が、護符の上に立体的に浮かび上がっているらしい。


「スープのバフ効果ってやつ?」


「うん。『幻視のまなざし』で、魔法構造が視覚化されてるみたい。しかも、【魔力転写術式《エンチャント・インスクリプション》】が反応してる……」


 本当にスキルって便利だなぁ。解析スキルとかもそうだけど、一度見たり理解したら解析できちゃうんでしょ?

 ……ってことは、箱あるで鳥ちゃんも全部解析できるのでは!? 是非とも実験したい。


「……この術式、魔力転写術式《エンチャント・インスクリプション》で融合できるかも。盾と護符、机に置いてもらっていい?」


 言われるがまま、盾と一緒に護符を机の上に並べた。けれど、彼女は眉をひそめる。


「あれ……防具強度と魔力が足りないって。 魔力は魔力石で補えるとして……強度は防御系ってこと……? うーん、鋼鉄とか使えばいいのかしら? 手持ち……にないわね。倉庫確認してくるわ」


「あ、じゃこれ使えないかな?」


 アイテムを取り出し、盾の上に重ねて置く。使えたらいいんだけど、倉庫NPCの所までいくの大変だろうし。



【重鋳の盾板《じゅうちゅうのたていた》】×1

 防具クラフト素材。オークリーダーの装甲から剥がれ落ちた、重厚な金属板。盾や装甲の物理防御力を向上させることができる。


 【魔力石】×1

 汎用クラフト素材。魔力を帯びた結晶体で、魔法属性の付与や強化に使用される。


「スキルが光った……これなら、いけると思う。ここを書き足して……【魔力転写術式《エンチャント・インスクリプション》】」


 みぃが魔力ペンで模様を描いてスキルを唱えると、護符がふわりと浮かび上がり、盾に吸い寄せられるように張り付く。置いていたすべてのアイテムが光に包まれ、粒子となって溶け込んでいった。



 【守護盾(プロテクト・ウォード)】SS

 カテゴリー:盾(融合装備)

 装備Lv:なし

 スキル:なし

 効果:《守護の護符》を融合したことで進化した盾。

 VIT+5

 物理防御力15%増加。

 自身の周囲3m以内の味方の被ダメージを常時5%軽減する。



「ただの木だったのに、さらに分厚い鉄板がついた!」


「なるほど、こうなるのね。……今ので試したい事が明確になったかも」


「ん? どんなこと?」


「レンズやこの盾みたいに、能力を物に後付けする実験よ。今までは、ポーションを使ってバフを付けていたの。でも、プレイヤーにしか効果がなくて……。他のゲームだと、武器に属性付与ができたりするアイテムがあったりするんだけど、箱あるにはなかったのよね」


「それ、みぃが第一人者になるってこと? めっちゃすごいじゃん!」


「成功したら、ね。でもまずは素材調達からかな」


 みぃはすでに頭の中で実験の手順を組み立てているようだった。


「じゃあ、素材取りにいこう! 助手ルーイ、準備万端です!」


 というわけで、毎度おなじみの森にやってまいりました!


 作業は分担制。


 おじいさん(ルーイ)は洞窟へマナスライムをしばきに。

 おばあさん(みぃ)は川沿いで鉱石とハーブを採取しに。


 核をサクッと取りに行ったら、ついでにレベルも上がってしまった。多くて損はないだろうと、調子に乗って三倍増しでコア抜きした結果Lv23に到達! マナスライムだけでレベルがふたつも上がるとは、恐るべしスライム経済。経験値増加もあるけど、インフレ起こしてません? とりあえずVITにポチポチ振っておいた。


 アイテムは集まったし、宿に戻ろうかな。ついでに川沿いを歩いていると、水面に何かがどんぶらこ~、どんぶらこと流れてきた。


「……桃? じゃないか……角ばってる形してるし」


 両手で川から拾い上げ、《森識鑑定鏡(バイオスコープ)》を装着して確認する。


【アルカナの実】

 魔力を帯びた樹木に実る六角形の果実。表皮には自然に浮かび上がる魔法陣のような模様が刻まれている。熟すと果皮がやや柔らかくなり、芳醇な香りが立ちのぼる。


 使い方:乾燥させて粉末にし、術式刻印の補助材に。混ぜ込むことで物質の魔力変質を促す触媒として高い効果を発揮する。


 その他:食用可(要注意)。果実の中心には“アルカナ・ナッツ”と呼ばれる核があり、これ自体が高品質な魔力触媒として重宝される。

 実が熟していない場合:強烈な渋みと刺激があり、摂取すると魔力中毒を引き起こす危険性がある。

 実が熟している場合:フルーティーで濃厚。

 ※熟していない実を酒に漬け込むと美味しい、飲みすぎ注意。



 桃じゃないけど、説明が梅そのものだね。そのとき、どこからか小さな羽音が聞こえた。音のする方を振り向くと、あの妖精さんが慌てた様子で向かってきていた。


「どうしたの? 何かあった?」


 彼女は肩で息をしながら、実と自身を交互に指さしている。


「この実、落としちゃったの?」


 実を差し出すと、妖精さんはほっとしたように胸を撫でおろした。どうやら、正解だったみたい。


「下流へ流される前に拾えてよかった。そうだ、フェイリーフがまた欲しいんだけど分けてもらえたりするかな? あの本のレシピ、作ってみたらすごく美味しかったんだ! また良いレシピ本あったら読ませてね!」


 すると妖精さんはぱぁっと顔を輝かせ――いや、もともと光ってるけど、そんなふうに見えた。彼女はうんうん、と嬉しそうにうなずいた。

 空中で指をくるくると回し、ポンッと一冊の本を取り出すと「ここで読んで待っててね」と言わんばかりのジェスチャーで本を押し付けられ座らされた。一緒に行くよ? と聞いたが待てとの事だったので、お言葉に甘えて、借りた本のページをめくる。


 『魔法のスパイスと恋のレシピ帳~妖精キッチン、今日も開店中!~』


 ふむふむ……ジャム、スコーン……。


 * * *



 妖精さんはいろんなハーブと果物を持ってきてくれた。何故か、アルカナの実も混じっている。返そうとしたら「持って帰りなさい」と押し付けられた。田舎のお母さんみたいだなぁ。門のところでみぃと偶然鉢合わせたので、妖精にあった話をしながら一緒に戻ったらビックリした反応を見せた。箱あるでは妖精NPCはまだ見つかっていないらしい。まぁ、小さいし見つけにくいだけだと思うんだよねぇ。


「さて、ここからは完全に実験モード。ちょっと時間かかるから、ルーイはでかける?」


 みぃが腕まくりをしながら、テーブルいっぱいに並べた素材の山を見つめる。その目はすでに研究者の顔になっていた。うちは、どうしようかな。一人でどっか行ってもつまらないしなぁ。


「じゃあ、その間にお菓子でも焼いてようかな。森でいいもの貰ったんだ! 休憩の時に食べよう? ……そういえば、実験っていうと爆発ハプニングとかのイメージあるけど、宿の中で大丈夫なの?」


「大丈夫。宿屋やギルドの建物には破壊防止フィールドが張られてるから、爆弾使っても傷ひとつつかないよ」


 過去に爆弾を使った人がいたのかな? でも、住宅保険いらずの素晴らしいシステムだね。

 みぃが素材をひとつずつ手に取り、順番に術式を刻んでいく。


 宿に頼んでお菓子用のグルテミル粉(小麦粉)、ケルノミルクとケルノバターを買い取ったので、まずはジャムをコトコト煮込みましょう~!


 アルカナの果実を刻み、砂糖をまぶして鍋で煮る。とろみがついたところで、保存のためにレモンみたいに酸味のあるシトリオスジュースを絞り入れ、粗熱を取って完成っと。


 お次はスコーン。

 ボウルに粉と砂糖、塩を少々。冷えたバターを加え、指先でそぼろ状にしたら、ミルクを加えてひとまとめにし、生地をのばして包丁で三角に切る。180℃の魔導炉(オーブン)でチーンしたらジャムを添えて完璧!


 【森のスコーン】

 カテゴリー:料理

 効果時間:30分

 味わい:外はさっくり、中はふんわり。ジャムを付けて食べるとより一層美味しく味わえる。

 効果:SP自然回復速度+10%


 【アルカナの実ジャム】

 カテゴリー:料理

 効果時間:30分

 味わい:熟したアルカナの実をじっくり煮詰めた濃厚なジャム。甘酸っぱくてつい食べ過ぎてしまう味。

 効果:魔法命中率+5%



 わぉ、なんか魔法のおやつができた。でも、前みたいなバフがついてない。使う物によって変わるのかな? まぁ、いっか。ゲームだから早くできちゃったなぁ。お茶休憩にはまだ早いし……アルカナ・ナッツを取り出してローストしてみよう。


 しかし、包丁の背で叩いてもびくともしない。部屋の中は壊れないって言ってたし、スキル使ってみるか。床にナッツを置き、盾を装備する。


「【シールドチャージ】! フンッッ!」


 パキンという音とともに、核が砕けるとまばゆい光があふれ出し、空気が震えた。

 あっ、これダメなやつだった?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。