↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
VRゲームで鳥をもふもふしたいだけ!〜だったのに親友の彼女と百合沼にハマっちゃった件!?〜  作者: 音夢
西部ブルンヴァルト編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

27/132

25羽目:基本ができれば応用できる

  三つの淡い光が洞窟内を照らす中、枝分かれした通路をしばらく進んでいくと、やがてくぼみのような広間にたどり着いた。

 

 マルクスさんが部屋の中央にランタンをそっと置くと、青白い光が岩肌をやわらかく照らした。うちとみぃも少し距離を取って、それぞれの足元にランタンを置いた。

 

 このあたりにはエーテルモスが群生しているらしく、壁一面に水滴をまとった苔が広がっていた。どれも同じように見えるけど……ひとつ採取してみたら『ノーマルモス』と表示されていた。スコープを装着して覗いてみたけれど……何も映らない。

 

 あ、そういえば。このスコープは森の精霊がいないと何も見えないって、最初に言ってたっけ。洞窟内は森の精霊さんの管轄外なのね。

 

 「森識鑑定鏡(バイオスコープ)なしで、ノーマルとエーテルモスをどうやって見分けたらいいの?」


 「エーテルモスは魔力に反応するのでぇ、非攻撃系のスキルを使うのがオススメですよぉ。攻撃系だと、苔が壊れちゃいますからねぇ」

 

 なるほど、SPを消費すればいいのね。


「【挑発】!」

 

 すると、壁の苔の一部がぽわっと淡く光り始めた。その光る部分をそっと採取してみる。

 

 【エーテルモス】×1

 錬金術クラフト素材。魔力を帯びると淡く光る性質を持つ苔。錬金術式に使用される。

 

 おー、こうやって取るんだね。しかし、クセって恐ろしい。つい、あっかんべーもしてしまった。苔に向かってなにしてるんだろ。まぁ、これしか非攻撃系のスキルないから、次はスキルだけ発動しよう。二人には見られてないよね? マルクスさんは大丈夫みたい。


 みぃは笑いをこらえながら、【ポーション調合】のスキルを使って、エーテルモスを採取しながら調合を始めていた。


 あっかんべーをしているところを、しっかり見られていたらしい。おい、笑うなら盛大に笑い飛ばしてくれよ! 何か恥ずかしいじゃんよ!

 

 ポーション調合中は動けないみたいで、採取に少し時間がかかっているみたいだ。

 作成の邪魔にならないよう、少し場所を移動しようとランタンを壁沿いまで動かした時、壁の苔が一瞬だけほんのりと光った。


 ……あれ? もしかして、魔力が通っているものが近くにあれば、それだけで反応するの?


 試しにランタンを壁に近づけてみると、苔が弱々しくも確かに光り出した。どうやら、魔力石の魔力でも反応するらしい。スキルほど強くはないけど、十分見分けはつく。

 

 「マルクスさん! みぃ! 魔力石を近づけるだけでも苔が光るよ! ほら!」


 「本当だ、これならスキルなしでも、よく見れば採取できるね」


 「……えぇ! まさかこんな発見方法があったなんてぇ……驚きましたぁ」


 こうして、二人は魔力石ランタンの力を頼りに、洞窟の壁を照らしながらエーテルモスを効率よく採取していった。

 

 「よし……。これで、残るはマナスライムだね!」


 「マナスライムがぁ、よく集まるくぼみがあるのでぇ、そこに移動しましょぉ。これが一番大変なんですよねぇ……はぁ……」


 マルクスさんはため息を漏らし、先に進んだ。倒すのが難しいのかな。先ほどとは逆方向の通路を行くと、やがてT字路のように左右に分かれた空間に出た。


「ここがぁ、マナスライムたちの住処になっている場所ですぅ」

 

 マルクスさんの話によると、マナスライムはマナリーフを摂取して進化した個体らしい。

 左側の部屋をそっと覗いてみると、そこには見慣れたスライムたちの姿があった。けれど、よく見ると色が違う。一般的なブルースライムのような見た目ではなく、しゃぼん玉のように透き通った体で、淡い青緑の光がゆらめいている。マナスライムが光ってるから、魔力石ランタンがなくても十分に周りが見える。


「……あれが、マナスライム? 」


「はいぃ、あの色と光が特徴ですぅ。見た目は綺麗ですけどぉ、油断すると体力(HP)を吸われちゃいますからねぇ。気をつけてくださいぃ」


「スライムって、みんな同じ戦い方でいいのかな?」

 

「基本は同じですぅ。核を破壊しない限り倒せませんからぁ。ただし、今回はその核が目的なのでぇ……」


 マルクスさんは少しげんなりした表情になり続ける。

 

「質のいい核を取るには、一匹ずつ隣の部屋に誘導してぇ、氷属性のスクロールで凍らせますぅ。その間、体だけを削って核を取り出すんですぅ。でも、氷が解ける前に作業を終えないといけないのでぇ……これがなかなか大変なんですよねぇ……」


 なるほど、ただ倒すだけじゃなくて、壊さずに取り出すというのが今回の難しさらしい。普通に倒すとランダムでしかアイテムを落とさないらしく、核を確実に取りたいのなら、この方法が一番なんだとか。へぇ? じゃいつも通りでいいんじゃない?


「じゃ、ここはうちの十八番だね! 一斉に来られると厄介だから、ちょっと離れたところから【挑発】で一匹ずつ引っ張り出すよ。ちょっと試してくるねー!」


 「よろー、ヒールピッチャーは任せといて」


 「……へ?」


 この辺りならいけるかな? あの子なら離れているしちょうどいいな。よーし、一丁抜きますかー!


 「べろべろばー! 鬼さんこっちよぉ~【挑発】!」


 マナスライムの名前の横に赤い闘牛マークが表示されたのを確認して、つかず離れずの距離を保ちながら隣の部屋へと誘導する。

 構えた盾で体当たりを受け止め、跳ね返す。うん、やっぱりコアはそこに移動するんだね。

 

 右手をマナスライムの体に突っ込むと、ピリピリとした感触のあと、手が何かに吸い寄せられるような感覚が走る。そのままコアを掴んで引き抜くと、マナスライムは体を維持できず、赤いポリゴンのような飛沫となって霧散した。


《マナスライムの核(コア)を獲得》


 一発目で取れたから、ランダムじゃないってことかな。違っても、一発で倒せちゃうし、すぐ終われそう。


 「やっぱ同じだったね! これなら余裕!」


 「おー、さすが。元祖コア抜きの名は伊達じゃないね。すぐ抜いたから、HPそこまで吸われてなかったわよ」


 みぃがパーティー欄でゲージを見ていてくれたおかげで、状況もバッチリ把握できた。

 ……そしてマルクスさんはというと、口をぽかんと開けたまま、まるで顎が外れそうな勢いで固まっていた。


 


 うん、まあ、そうなるよね。何か、この反応に慣れてきたな。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
エーテルモスのことずっと、モンスターだと思っていたら苔だった。 ※モス=蛾だと思っていたので... 調べたら(綴り(英語の発音)も違った...  苔=moss(モス)  蛾=moth(モス)
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。