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VRゲームで鳥をもふもふしたいだけ!  作者: 音夢


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24/68

22羽目:アニメとか見てたら同じもの食べたくなるやつあるよね

 しかし、今回の戦闘ではアイテムも豊富にドロップしたなぁ。

 インベントリに自動で送られたアイテムを、スクロールしながら確認していく。


重鋳の盾板じゅうちゅうのたていた】×1

 防具クラフト素材。オークリーダーの装甲から剥がれ落ちた、重厚な金属板。盾や装甲の物理防御力を向上させることができる。


粗毛の皮(そもうのかわ)】×3

 防具クラフト素材。軽装防具の素材として利用され、耐久性をわずかに向上させる。


突撃牙(とつげきが)】×5

 武器クラフト素材。攻撃スキルの威力を強化する効果を持つ。近接武器の強化に使用されることが多い。


【魔力石】×2

 汎用クラフト素材。魔力を帯びた結晶体で、魔法属性の付与や強化に使用される。


【トッコーボアの肉】×6

 食料クラフト素材。赤身が多く、しっかりとした歯ごたえが特徴。適切な調理で旨味を引き出せる。料理や加工食品の素材として使用可能。


 

 いい感じに素材や武器などに使えそうなアイテムが手に入ったが、問題はこれなんですわ。


 ―――――――――― 

【咆哮の耳飾り】SS

 カテゴリー:アクセサリー

 装備Lv:25

 スキル:なし

 効果:敵からのヘイトを引きつける効果が上昇する。

 ――――――――――


 何か、またアクセサリーでたよ。ヘイト取れるのはいいけど、まだLv20だからすぐつけられないやつ!

 悔しさをにじませながら、アイテム欄をスクロールしていたところにみぃの声が届く。


「まぁ、予定より早く目標レベルに届いたし、ブルンヴァルト手前の森も問題なさそう。早めに抜けて町に入っちゃおうか」


「さんせ~い!空腹と給水ゲージがそろそろ半分切りそう~」


「私も。町に着いたら、まずはご飯だね」


「いいね!どんな料理があるかな?なんか元気出てきた!」


 町の手前の森ではゴブリンが出現したが、オークに比べて防御力が低く、すばしっこいだけだったため、【シールドチャージ】で大ダメージを与えやすく処理はスムーズだった。


 * * *


 《地上都市西部 ブルンヴァルト》


 ファウストよりもやや小ぶりな城門を構えた町。中に入ると、程よく発展し、人々の活気があふれていた。

 もう夕刻近くだったので、門番におすすめの宿と店を尋ねると、二本先の裏通りにある場所を紹介された。


 教えてもらった場所につくと、木製の看板に、ベッド、ナイフとフォークの彫刻があった。

 宿の名は《森の泉》


 みぃが昨日と同じようにツインルームを数日分申し込み、そのまま併設の食堂へと向かう。

 錬金術の町らしく、各テーブルには魔法紋章が刻まれており、それに触れると空中にメニューが浮かび上がる仕組みだった。


 ドリンクは二人とも『アプリルジュース』。何かはよくわからないけど、響きがかわいいし、きっと美味しい気がする。

 おすすめメニューには星マークがついており、その中の一つが『トッコーボアチョップの赤ワインソースがけ』だった。


 ふっ、あの時はやられそうになったけど、昨日の敵は今日の味方。私の胃袋を満たす味方となってくれ。

 みぃは『ケッコーステーキの森きのこソースがけ』を選んでいた。

 料理はてっきり紋章から転送されてくるのかと思ったが、普通に店員さんが運んできてくれた。


 2人して手を合わせてから、ナイフを入れるとジューシーな肉汁がじわりとあふれ出し、一口ほおばればしっとりとした肉に濃厚なソースが絡み、口の中に旨味が広がった。


「おいしい!クオリティ高っ!」


「ね、箱あるって本当に細かいとこまで作り込まれてるよね」


「ねぇねぇ、味見させて~。こっちのも、はい、あーん」


 みぃの口は小さめなので、少し小さめに肉を切り、ソースをしっかり絡めてからフォークを差し出す。


「……ん。それ、いつもやるけど……お皿に置いてくれればいいのに……」


「いやー、クセでつい仲いい人みんなにやっちゃうんだよねぇ。じゃ、みぃのも、あーんくださーいっ!」


 といっても、そこまでやる人は家族かみぃくらいなんだけども。

 口を開けて待っていると、みぃは何でか少しむくれた顔をしながらも、ちゃんとフォークを口に運んでくれた。

 きのこの芳醇な香りと、クリームベースのこってりしたソース。

 そのあとにぷりぷりジューシーなケッコー肉が追いかけてきて……うまぁい!


「みぃのも美味しい!いい所を紹介してもらえてよかったね!」


「うん。……なんか今、親鳥がヒナにエサあげる気分だった。……でもそうなると、共食いか。ルーイ、共食いしちゃったの?ひくわぁ」


 いやいやいや、みぃが親鳥なら君も同罪だからね?!


 空腹度と給水ゲージをしっかり満たしてから、一度部屋に戻ってログアウト。

 今度はリアルのご飯タイム。


 木目調の天井が、見慣れた白い天井へと切り替わる。

 視界を巡らせると、窓の外はまだ明るい。

 ベッドからゆっくりと体を起こし、ヘッドギアを外す。

 スマホに目をやると、時刻はちょうどお昼の12時を回ったところだった。


「相変わらず、不思議な感覚だなぁ」


 さて、今度は現実の空腹と水分ゲージを回復させようかね。

 朝は軽めだったし、ゲーム内で美味しいものを食べたせいで、余計にお腹が空いてしまった。

 冷蔵庫の中にはロース肉があったな、あれで味噌を隠し味にしたソースでポークチョップにしよう。千切りキャベツを添えて、こっちではご飯でたーべよっと。



 パパっと調理を終え、本日2度目(?)のランチ、いただきまーす!

 おっと、みぃに『ゲーム飯マネしてみた!』って写真付きメッセージを送っておこう。ドリンクは冷蔵庫にあったパックのリンゴジュースでまずは喉を潤す。

 どこかで飲んだことある味だと思ったけど……これアプリルジュースじゃん。

 続いて箸で食べやすいように、すでに切ってあるお肉を口に運ぶ。

 箱あるのご飯にも負けず劣らずうまぁい!しっかり自画自賛していく。


 机に置いたスマホが短く震える。

 みぃからのメッセージだった。


『いいなぁ、今度それ作って。私はきのこクリームパスタにした、レトルトだけど』


 湯気が立ち上るパスタの写真も一緒に送られてきた。

 お互い、似たようなことしてるなぁ……ドリンクもアプリルジュースだったりして?と、想像して思わず笑ってしまった。

トーストに目玉焼きのせたやつとか、ミートボールのパスタとか、ニシンのパイとかね。食べたくなりません?

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