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VRゲームで鳥をもふもふしたいだけ!  作者: 音夢


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22/72

20羽目:何度でも立ち上がって見せる

投稿ミスして順番がおかしなことになったので今日は2羽分のせます!

 叫びが喉を裂くように飛び出した。

 拳が振り下ろされ、みぃは咄嗟に右へ転がって回避するも、拳がかすり、ポリゴンが飛び散る。9割ものHPが一気に削られるのが視界の隅に見えた。


 地面に倒れ込んだみぃへ、再び拳が振り上げられる。

 ――もう、ダメなのか……!


 その瞬間――


「っ……!【アースウォール】!」


 みぃがインベントリから素早く巻かれた羊皮紙を取り出し、広げる。

 光が魔法陣をなぞる様に黄色く輝き、地面がうねりだし、彼女の目の前に土の壁が勢いよくせり上がった。


 ドガァン!!


 オークリーダーの拳が土壁に直撃し、土塊が四方に飛び散る。

 壁はひび割れながらも、みぃを守りきった。

 手に持っていた羊皮紙は燃えるようにポリゴンとなって消えた。


 よかった……!!

 だが、オークリーダーは執拗に土壁を殴り続けている。

 このままでは壁を突き破ってしまう。


 盾を構えたまま、全力で地面を蹴り、オークリーダーの背後に向かって突進する。レベルの低い自分ではダメージが出せない、でもこっちを振り向く一撃さえあればいい。


 「こんの……!土管めがあぁぁあああ!」

 

 渾身の力を込めて、盾を振りかぶり、膝裏に叩き込む。

 鈍い音とともに、オークリーダーの足から赤いポリゴンが飛び散った。


 「グガァァアアア!!」


 怒声を上げて振り返るオークリーダー。

 ピコンと音と共に視界の隅にメッセージが現れる。


《スキル【シールドチャージ】獲得》


 【シールドチャージ】アクティブ

 獲得条件:盾を使用し、敵に一定以上の衝撃ダメージを与える。

 効果:盾を利用して物理ダメージを与える。命中時、一定確率でスタンを付与。VITが高いほどダメージが増加。

 


「やっと気づいた?弱いからって、見くびるとこうなるんだよ!」


 オークリーダーの筋肉質な灰色の肌に、隆々とした血管が浮かび上がる。全身から赤いオーラが立ち上り、湯気のように揺らめく。


 背後の割れた壁に目を向けると、みぃが土壁を離れ、回復薬で傷を癒していた。

 視界の隅のパーティー画面で、みぃのHPが8割ほど回復したのを確認し、安堵する。


 オークリーダーは、体勢を崩しかねないほどの大振りで両腕を振り回しながら、床をえぐりつつこちらへ迫ってくる。

 一撃でも受ければ、また吹き飛ばされる。でも、こんなに大振りなら、しっかり見極めれば避けられる!

 右へ回避、左へ回避、もう一度右へ!


 「【ポーションボム】!」

 

 炸裂したポーションの衝撃に、オークリーダーは耐えられず地面へと倒れ込む。

 顔が地面についた今なら、急所を狙える!



 「【シールドチャージ】!」

 

 全体重を盾に乗せ、オークリーダーの顔へと叩きつける。


「グオ!!」

 

 唸り声とともに、星のエフェクトがくるくると舞う。


 「ナイススタン!動けないうちにダメージ与えるよ! 【ヒールピッチャー】【ポーションボム】!」


 みぃがこちらへ緑の小瓶を投げつけると、さきほど削られたHPが回復する。

 みぃは爆発攻撃を繰り返しながら、うちは盾と短剣を交互に繰り出し、リーダーへ休む間もなく打撃を重ねる。


 「グルゥァウ!!」

 

 星のエフェクトが消えた――次の瞬間、砂を巻き上げるように左手を振りかぶる。

 みぃの近くへと移動し、オークリーダーと距離を取りながら、二人を庇うように盾を構え直す。



 「まだダメか……。やばい、もうダメージの高いボムピッチャーが残り1つ、低レベルの攻撃スクロールは数枚しかない……」


 「結構使ったもんね。でもあと少しだと思う。みぃ、あとで瓶を投げるタイミングを合わせてくれない?……やるから……そのときに……」

 

 モンスターには言葉が通じないかもしれないが、肝心な部分は声を落として伝える。


 「……!それ、一歩間違えたらルーイが!」


 「大丈夫、あの感じだったら。うちを信じて、勝てるよ。多分、きっと……」


 「もう、最後まで自信もって言い切ってよ……バカっ」

 

 緊張の中で、思わずお互い微笑む。

 しかし、よろめきながら立ち上がるオークリーダーの瞳からは、先ほどよりも強い殺気が放たれていた。

 体を覆う赤いオーラはさらに濃く、荒々しく揺らめく。


 「グゥオオオオオオオオオオオオオオ!!!!」


 大気が震えるほどの咆哮が響き渡り、全身がびりびりと痺れる。


 「くっ……!」

 

 咆哮が収まると、遠くから地響きが聞こえてきた。

 土煙を3本上げながら、何かがこちらへと突っ込んでくる。

 それは、額に深い傷を持ち大きな牙が生えている巨大な猪だった。


【トッコーボア】

 

 「ここでトッコーボアを呼ぶなんて……!ルーイ、あれはぶつかるまで一直線にしか動けない!盾で弾いて進路を変えればコースアウトする!木にぶつけて自滅させて!」


 「猪のリーダーだから、仲間も猪なのねっ……と!」

 

 盾を構え、迫りくる1体目を右へ弾く。

 軌道が変わり、そのまま少し離れた木に激しく頭突きし、赤いポリゴンとなって弾け散る。

 名前の通り特攻専門だね!残り2体!


 もう1体が今度は左から突進してくる。

 左に今度は盾を往なして軌道を変えるとまた木にぶつかりポリゴンとなって散った。

 1体ずつなら余裕!バッチコーイ!


 最後の一体が正面から走ってくる。

 今度は右に軌道を変えればいい――そう、思った。

 

「ルーイ!後ろ!!」

 

 最後のトッコーボアとオークリーダーが連携したことにより、背中を無防備にさらす状況を作り出されてしまった。

 

 ――ハメられた……!

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