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ダンジョンと共に往く  作者: 畔木 鴎
九章 有言実行
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ダンジョンマスターの城

普段より短いわりに退屈する内容になっていますので時間がある時にお読みください。

読まなくても次回の前書きで、今回の話しが分かる様に説明は入れたいと思います。

 午前10時。

 アサルトの背に乗ってシュヴァルツヴァルトの街並みを見下ろす。アサルトの背中は太陽の光を甲殻が反射し、輝くたたみを敷き詰めたよう。


 農地は既に『四階層』に移動をすましており、残るは、俺が基本的に居る『三階層』を外に出すのみ。

 『一階層』から『三階層』へと続くエレベーターを『一階層』から『四階層』に繋がる様にし、『三階層』が無くなっても地下がつながる様にする。『二階層』、『三階層』を繋ぐ隠し通路は使えなくなるが仕方ないだろう。

 準備はこんなものかな?『三階層』を地上に出すには小さくしないといけないので、全ての広間を潰してスペースを確保する。

 準備は整った。それじゃ、行きますか。


 「・・・我が意に応えよ、『支配域掌握』」


 その言葉と共に地響きが起こり、『三階層』が姿を見せ始める。中二病が抜けてないのはデフォ。

 『二階層』を創った時と同じようなシチュエーションなのだが、以前の様なワクワク感はない。

 城と違って『三階層』は箱なのでそんなに面白くないからだ。まあ、そんなもの求められても困るのだが。


 アサルトの背から地表に飛び、地表に現れた『三階層』へと向かう。

 俺の頭上ではアサルトが浮島に着地したのが見えた。アサルトはデカいから基本的には浮島の上で過ごしているのだ。これから創る城の上にアサルトの巣でも作ってやろうかな。


 城の中をどうするかは昨日の時点でレイと決めてある。

 守護者用の部屋、多数の客間、銭湯、会議室、食堂、調理場、鍛治場、謁見の間、俺の自室。コレが地上に出ている『三階層』だったものである。

 守護者用の部屋、銭湯、食堂、調理場、鍛治場は一階。

 客間、会議室、謁見の間、自室は二階だな。

 一階、二階に新に追加するものとしては、一度潰した広間関係と衣装部屋、趣味の部屋や、レイ関係の部屋なんかを考えている。衣装部屋は想像しにくいかもしれないが、衣装自体はいくらでも創れるので写真館のような感じになると思う。カメラも創ろうと思えば作れるかもしれない。カメラは分からないが、レーザプリンタの原理は知っている。似たようなものだと思うし出来そう。


 じゃ、実際に手をつけていくか。

 『三階層』をシュヴァルツヴァルトの城にするとして、まず必要なのは豆腐建築と化している『三階層』を囲う防壁。

 入口を北に向けて、立派な城門、正方形の城壁を創る。城門、城壁にネズミ返しを設置し、更に周囲にほりを作る。どこからか湧き出る水源をほりに設置すれば、取り合えずの防衛力は確保できただろう。城壁外からの攻撃は極力無視する方針で。


 次は、地表に出てきた『三階層』の外見を変えていく。部屋を動かして一階と二階に分けていくのだが、想像より狭かったので三階建てに予定を変更。『三階層』の 1/4(よんぶんのいち) を占めていた銭湯を屋外に出すことで事なきを得た。

 現状では、一階辺りの高さが 5m のところを 10m に。一気に威圧感が増した壁を見て1人頷きつつ、作業を再開する。

 正方形の四辺に接している部屋には、長方形のデカい格子窓を等間隔で設置。

プライバシーの事を考えて窓の位置を高くしたら中から外が見ないという事態になったので、『三階層』の床を押し上げて対処した。

 格子窓の頭に水除みずよけ用の石材を付けたし、外から見た格子窓の周辺に装飾を施す。

 一階と二階の境目にもネズミ返しを作り、一階同様に二階も姿を変えていく。

 後は、手元にある『三階層』の地図を見ながらポチポチと塔を建てていく。これは階段の替わりだ。装飾品の替わりとしての意味の方が大きいのが悲しい現状。円錐の屋根をかぶせて諦めた。

 プロならもっと上手く、城の様に飾っていけるのだろう。プロクラフターの力を借りたいが、残念ながらそんな人物は居ないので妥協を挟みつつ完成へと向けていこう。

 結局、外見的な理由でアサルトの巣は用意できなかった。城の上に竜が居るとか、知らない人が見たら怖すぎるだろ。と、冷静に考えてしまった。


 外見はこんなもんだろう。

 今後、多少部屋の位置を変えても大体の外観は上記通りになるはずだ。

 複合施設で働かせる予定の守護者の部屋も作ったので依然と比べると手狭になったように感じる。まぁ、本当に手狭になったんだが。無駄にデカい大広間が2つも3つもあるよりはましだろう。因みに、コイツが三階建てになった理由である。

 城の高さを上げた分、城壁と挟まれて圧迫感を感じたので、両者間を広げてなんちゃって庭園を造った。腰ほどまである植え込みと、金属をアーチ状に組んだモノを植物を巻きこませてある。他にも創りたかったのだが、スペースの問題で断念した。庭園 + 城壁 + 堀 。この3つがキツイ。防壁拡張も視野に入れなければ。


 素人知識ながらもそれなりになったと思うので、コレで城は完成とさしてもらう。

 次は複合施設改め、『金酉宮きんちょうきゅう』だ。城の外観は全て俺が手掛けたが、『金酉宮きんちょうきゅう』の外観はレイの管轄だ。役割が逆になった感じだな。

 俺と同時に彼女も作業を始めた筈なのだが、俺が城で手こずっている間に完成させたらしい。


 レイが手掛けただけあって、『金酉宮きんちょうきゅう』にも彼女らしさが溢れていた。

 まず、所々、赤い。これはレイの階層にある建物にも言える事だ。彼女の生まれた国の文化を引き継いだ建物と言っていいだろう。木材で組まれたソレは二階建てで、スペースの節約をしてくれている。中に入れる予定の店は決まっているものの、他国からも幾らか商人を呼びこみたいので、空きスペースが目立ってしまっている。その辺は仕方ないし、織り込み済みなので今後に期待。

 『金酉宮きんちょうきゅう』は3つのブロックに分かれている。宿泊施設、商業施設、城に入らなかった銭湯。これらを1つの建物として建造し、それぞれを通路で繋いだものが『金酉宮きんちょうきゅう』というわけだ。

 三角形を描くように配置されおり、中心には自然公園の様なモノまである。公園については聞いていないので、アドリブを効かせたのかな?俺が銭湯を押し付けなければこうはなっていないし。・・・すいません。

 通路には円柱で支えられた屋根があるのだが、別にどこから入らなくてはいけないとかの決まりは無い。勝手に入って、勝手に出て行ってもらえばいいのだ。もし盗みでもしようものなら、法律で決めた『犯罪を犯した者は死刑』が働いてダンジョン内で死ぬことになる。これについては血の雨を降らされても困るので、キチンと通告しておく必要がある。門をくぐる時に注意喚起させるとしよう。


 アルト殿からの手紙に書かれていた、やるべきことリストの内容はコレでほとんどが達成された。

 後1つ、どうしても出来そうに無いのが、娼館を建てる事である。これを守護者にやらせるのは無理だ。娘を売りに出すようなものだからな。

 しかし、娼館を建てる事の重要性も理解している。事件発生件数の削減、情報の収集、裏の権力、などの魅力に溢れている。

 外部に協力を求めるのが普通なのだろうが、生憎とそんな知り合いは居ない。

 『幻術』や『催眠術』を使って騙し騙し運営する事も考えはしたものの、実際に抱くからいいのであって、お客として来てくれる世の男性諸君に満足してもらいたい俺としては妥協するわけにはいかない。城の外観は妥協できても、娼館の妥協は許さない。

 ・・・これは大人しくアルト殿に泣きつくとしよう。女紹介してくれませんか?みたいな内容になってしまうけど、ここは男を捨てる時である。


 ・『金酉宮きんちょうきゅう』の従業員の創造

 ・どうにかして娼館を建てる

 ・劣化ポーションの作成と量産体制

 ・防壁の巨大化

 ・防衛用の守護者の創造


 目下の目標としては以上の5つ。

 従業員の創造は今日中に済ます予定だ。・・・無事に名づけが終わればな。100人は余裕で超えて来るのでネタが尽きるのは目に見えている。自分で名前をつけておきながら覚えていないのは申し訳なくてしょうがない。


 この様子だと劣化ポーションについては明日だな。

 教国に行ってポーションの相場と効果を調べるには時間が無い。

 量産体制については、従業員の創造が終われば解決できるので心配はいらない。


 残る3つは今日、明日じゃ出来ないのでユックリと進めていくとしよう。

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