プロローグ
世界の名は「アルタロス」
この世界には二体の神がいた。
光の神「フォテス・イグニ」
想像したものを創造する力によって、世界に大地を、風を、水を、火を、そして生命を創り出した。
闇の神「サザマ・ルナサ」
フォテスとは対照的に、破壊や変異を司る神であった。その力は世界を壊し、生命のありかた、そのものを変えることができた。
お互いに共存のできない二体の神は、争いあうことしか出来なかった。
果てしない戦いの歴史の中。
フォテスは己の眷属として自らの形を模した「人間」を創り出した。彼らは非力だが優れた知能を持っていた。
一方サザマはフォテスが創り出した。生命を変異させ、異形の怪物「魔物」に変え、己の眷属とした。
魔物はサザマの魔力により、異なる魔法を会得した。
二体の神とその眷属達は争いを続けた、一年、十年、百年、千年と……何億ものの生命が失われたが遂に決着が着いた。
光の神フォテス・イグニはサザマ・ルナサを敗り、その力を七つの器に宿し、無力化し。封印した。
だが、その封印には代償があった。光の神の消失。フォテスは最後の力で世界に「理」を創造した。
己の眷属である、人間の中で一人だけ己の力を扱える、神の使者「レガトゥス」を生み出す事。レガトゥスが死ねば新たなレガトゥスが生まれる。それがフォテスが最後に創ったルール。
こうして世界には神がいなくなり。神が創り出した眷属が残った。
人間と魔物。
この二つの存在も、かつての神達のように、交わる事はなく、闘いは続いた。
人間は神の力を使えるレガトゥスがいたが、それでも魔物達には力及ばず、人類は存続の危機に立たされた。
だが、ここで新たな生命が現れた。
人の形をしながら魔物の力、魔法を扱う者。
人は彼らを人間と異なる存在「ゼノ」と呼んだ。
ゼノの登場により、人間は窮地を脱し、一時的な平穏を手に入れた。
そして人類は力を得る。
精霊の力を石に閉じ込める「魔石」その力を用いて、人間は「精霊術」魔法にも近い力を生み出し、魔物に対抗する術を手に入れた。
これで本当に世界に平穏が訪れる――はず、だった。
人間は恐怖したのだ。自分達と同じ、高い知能を持ち、そして魔法を操る存在。ゼノを
いつしか世界は魔物と人間の戦いではなく。
ゼノと人間の争いになった。いや――正確には争いではなかった。人間はゼノと共闘していたが、ゼノを騙して力を封じ、そして――虐殺したのだ。
それから十五年――アルタロス歴千九百八十年。
新たな争いが幕を開ける。
その中心には「死神」と呼ばれる存在がいた。
この物語は死神と呼ばれた少年の英雄譚である。




